日弁連主催の第10回法化社会における条例づくり オンラインシンポジウム「若者参画政策のための条例」に参加した。130名ほどの実際の参加者があったということで、思いのほか、参加者が多くて驚いた。
私の役割は、基調講演で、条例化の前段である「若者参画のための政策立案」について50分ほど話をした。その後パネルディスカッションがあり、私はコメンテーターとして発言する機会があった。
全体で4時間という長丁場であったが、充実したシンポジュームになった。
私の話は、第一法規から出している『若者をまちづくりに巻き込むための政策立案ハンドブック――多様な成功事例からよくわかる進め方のポイント』からのエッセンスだった。
時間が限られているので、政策課題としての設定と動く仕組みについて話をした。政策課題の設定は、キングドンの政策の窓モデルに準拠し、動く仕組みは、新城市、多摩市、そして相模原市南区の事例をあげて説明した。
今回、特に感じたのは、多数の聴衆者がいるオンラインの難しさである。
いつものリアルな場ならば、聞いている人の様子で、ここが今ひとつ分からないのだなとか、ここをもっと聞きたいのだなとかが、分かるので、それに応じて、臨機応変に話をするが、多数の聴衆者がいるオンラインだと、相手の顔が見えないので(私のパワーポイントしか見えないので)、説明がどうしても、平板になる。
相手の雰囲気で、冗談をたくさん言うが、そういう空気なのかどうかが分からないので、冗談も言えなかった。慣れれば、リアルのように冗談も言えるようになるのだろうか。
このフォーラムで感心したことがいくつかあるが、そのひとつが、事務局の緻密さである。本番まで2度の打ち合わせがあり、当日も、1時間前に入って、ネットのつながりを確認するなど、緻密で慎重なのに感心した。弁護士業界という職業柄、あいまいなことはできる限り排除して、疑義が出ないようにするのが組織文化なのだろうか。
あらためて自戒することもあった。このフォーラムを提案企画したのが、愛知弁護士会の荒木清寛弁護士だった。どこかお名前を聞いたことが方だなアと思っていたら、荒木さんは、参議院議員4期もやった元国会議員だという。森内閣の外務副大臣もされた方で、政界を引退して弁護士に戻ったそうである。
そんな経歴の方であるが、でも、ぜんぜん偉ぶらないというか、水平な感じの方だった。終わった後にも、「基調講演は濃密な内容で、コメントはすべて実践的で大いに参考になりました」とメールをくれる気遣いの人だった。
私も、心がけるようにしているが、「センセイ」とおだてられ、つい、上から目線的な発言をして、ハッとすることがある。「水平な感じ」なんだよなあと、あらためて、心がけようと思った次第である。
いろいろ勉強になったフォーラムだった。