
今日は衆議院選挙の投票日である、結果が出た後にいろいろ言っては、後付けになるので、その前に自民党はどうなるか、感じていることを書いておこう(国内政治学の専門家ではないので雑感)。
期日前投票が低調という・しかし当日の投票率は伸びるのではないか
報道によると、期日前投票は低調だという。しかし、当日の投票率は伸びて、高い投票率になるのではないか。急な選挙になり、事務作業の遅れもある。ただ、何よりも、石破政権は始まったばかりであり、判断材料が十分でないなか、しかも、石破さんの言い方が、ふらふらしているなかで、最後まで、見極めようという人がかなりいるのではないか。自民党を応援するか、見限るか、留保している人が多いのではないか。
自民党綱領・自民党は進歩を常に続ける保守政党と書いてある
自民党の綱領を読んだことがありますか。綱領の第一に、「自民党は、進歩を常に続ける保守政党」と書いてある。 つまり自民党が言う保守とは、エドマンド・バーグ流の保守で、伝統のよさを残しつつ、現状を踏まえて、改善、改良を進めること社会を発展させることが保守という考え方である。実際、それで日本を発展させてきた。
多様性もLGBTも保守ゆえの政策
だから、多様性もLGBT法も自民党が保守ゆえの政策である。個人の尊重が重視される時代に入って、一億総活躍が必要になり、多様性を基本に社会の改善改良を進めていこうと考えた結果である。
自民党は既得権保護の政策
自民党は保守思想でまとまった政党だと誤解している人がいる。しかし、ここでの保守は、既得権の保護と親和性が高い。農業漁業の第一次産業、中小企業の第二次産業は、どんどんじり貧になっている。今では第三次産業が7割までになった。じり貧なので守りに入るが、そこに補助金を持ってきてくれるのが自民党である。この自民党の補助金は、直接暮らしに絡むから、選挙に必ず行くことになる。票田として頼りにされる。
既得権を守ってくれればどこでもよい
ということは、既得権を守ってくれれば、どこの政党でもよいということになる。それが民主党政権のときに明らかになった。既得権保護の政治を田中角栄さんから学んだ小沢さんがリードし、既得権団体が一気に民主党支持に変えた。
新たな票田としてのネトウヨ
それを見て、既得権のためならば、すぐに頼るべき先を変えるこれまでの自民党支持者では頼りにならないと考えたのが安倍さんたちである。そこで、新たな票田としてネトウヨに目をつける。彼らは、実際の政治活動や地域活動をしない。でも党員を増やすために、お金を払えば、自民党に入れるようにしたので、こうした人たちが大量に自民党に入ってきた。
新たな宗教票
この人たちは、いわば宗教票と同じである。地域のなかでリアルに活動しておらず、頭のなかで考える。外国人反対といえば、脊椎反応で賛同してくれる。これまでの既得権票のほうは、今ひとつ頼りにならないが、こちらは必ず選挙に来てくれる。自民党には、こうした党員が増え、同時に、こうした票を頼りにする議員が増えてきた。
問題の先送り・地方への丸投げ
こうした人たちは国際政治や日本の産業社会のことなど考えずに、移民反対といえば投票してくれる。むろん、実際は、それでは動かないから、研修などと言って、大量の外国人を日本に招き入れるので、実質的には、世界第4位の移民大国になった。本来ならば、きちんとした計画や対策をたてて、移民を迎え入れるべきであるが、表面は移民でないと言っている手前、その政策はとられず、結果、地方に丸投げされることになる。それで今地方は困っている。
自民党は実利派とネトウヨ思想派が鼎立する政党になった
既得権派は、現状維持型なので穏健な保守であるのに対して、ネトウヨ思想派は、反動的な保守である。きちんとした活動実績もなく、お金を払えば、自民党員になれることで、反動的な保守派は、自民党内で3割を占めると言われるようになった。いわゆる岩盤である。今では、もはやこの人たちなくしては、自民党は選挙で多数を獲得できなくなった。政策もこの人たちを無視できなくなった。
安倍さんのような適当な人でないと、うまく御せないのだろう
その点、安倍さんは、適当である分、許容性があったのだろう。嫌韓と言いながら、裏ではつながって日本人のお金をあやしい宗教団体に送る手助けを平気でやっていた。いい神経をしていると思うが、本人は、政権を維持するためには、それしかなかったのかも知れない。ただ同じことは、他の人ではそれはできないのだろう。
自民党の混迷は今回の選挙活動に顕著に出ている
石破さんは、言うことがコロコロ変わっている。非公認と言いながらお金を配り、自民党の論理の理屈を言うから、ますます信頼を失っている。高市さんも、非公認候補を一生懸命応援している。反党行為で、国民感情を逆なでする行為で、自民党への投票を減らす行為を平気でやっている。要するに、あちこちに鉄砲撃ったり、後ろから鉄砲を撃ってる。
再編しかないのではないか
既得権派とネトウヨ思想派とが鼎立するという矛盾は残ったまま選挙になる。7割を占める第3次産業で働く人など多くの国民は、既得権ともネトウヨ思想とも縁が遠いところに住んでいる。以前ならば、日本全体にお金があったので、この人たちにも、お金を回せたので、自民党を応援できたが、日本が苦しくなり、今は、この人たちから、収奪する関係になっている。
自民党は、もはやこの多数の人たちの保守を代弁する政党にはなれないのではないか。ということは、このままいくと、早晩、分裂し、再編しかないような気がする。今回の選挙がそのきっかけになるのではないか。