松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆はじめての条例づくり8・他の自治体の条例を並べていいとこ取りをしてはいけない①

2019-12-30 | 地方自治法と地方自治のはざまで
 他の自治体の条例を並べていいとこ取りをしてはいけない。

 政策づくりで最初の覚えるのが、比較表づくりである。横浜市ならば、他の指定都市を比べた比較表を作る。縦に項目、横の自治体名を書く。例えば、条例の名称、前文の有無、目的と縦に並び、横に川崎市や神戸市などが並ぶ。

 比較表の目的は、その政策の水準を調べるためである。この比較表を参考に我が自治体の政策レベルを考える。

 この比較表を使って、それぞれの条例のいいとこ取りをするという事が行われるようになった。ネットに情報が公開されるようになり、パソコンで表作りも簡単になったからである。

 この他自治体のいいとこ取りは、やってはいけない。この条例をなぜ作るかという立法事実を愚直に考えていくという本来のあり方を歪めるからである。こんなふうに作っては、とても「日本一の条例」とは胸が張れないだろう。

 第一、このやり方だと、比較する先行条例がないと条例を作れないということになってしまう。地域に起こっている課題を無視して、他の町で条例ができるのを待つといったことになるが、こんな自治体はなさけないし、自治体職員としても恥ずかしい。

 なによりも、人口300万人超の横浜市と他の町は違う。

 他都市の条例は、あくまでも参考である。横並びにするのは水準を確認するためである。全体のイメージを把握するという機能も有効である。でもあくまでの参考で、比較表は、その程度のものである。

 

 
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