松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇自己責任というブーメラン・記念日に

2022-01-09 | 5.同行二人
 コロナ禍で、孤独、孤立を深めているのは、「男性、高齢」だという。

 これは、教育歴や所得とは無関係だそうだ。男性・高齢であるほど社会的孤立に陥りやすく、深い孤独感にさいなまれる傾向にあるという。コロナは、この孤立・孤独問題をより一層、加速させてしまった。

 これは、よく分かる。大学を辞めてから、若者との接点が急激に減った。私は、まだまだ社会との関係がある方であるが、やはり減っている。ちなみに頼まれている公職を数えてみたが、市役所の委員会は、現在は7つだった。以前は10以上はあったろうから、増減があるが、これも、確実に減っていく。

 いっとき若者に対する自己責任論が喧伝された。中高年の男性を中心に、若者は甘えている、俺たちは、自分の責任で頑張ってきたという論理である。しかし、それは誤解であると、何度も書いてきた。

 私たちが、若者だったころ、先輩たちになんて言われたのか。「今の若者は使えない」と言われてきた。「今の若者は使えない」は、いわば、年代世代を越えた不文律だと思う。

 ただ、私たちの時代は、訓練期間があった。1年、2年かけて、学ぶ時間がった。会社や組織に育てられ、それであたかも、自分で育ってきたかのような気になっているだけである。

 ところが、今の若者は、即戦力である。かつては使えなかった先輩たちが、自分のことを忘れて、若者に即戦力を求める。若者にしたら、たまったものではない。そのなかで、若者が孤立し、社会に希望を持てなくなったのは、当たり前である。

 このおっさんたちの、自己責任論が、今自分たちに、ブーメランのように、戻っている。今日では、SNSを使いこなさないと、新しいつながりは構築できないが、自己責任論に取りつかれて、その使い方を人に聞くことができないからである。うまくいかなかったら、恥ずかしいという気持ちが先に立ってしまう。それが男性・高齢者の孤立化をさらに強めることになる。

 孤立化の先は、ネットによる投稿である。極端な意見を書くと、いいねがつくので、そこで社会とのつながりを得たように感じてしまう。どんなものにも、弱点、欠点があるから、そこをあげつらって、非難するおっさんたちが増えた。ただ、自分の名前を出す勇気がないから、匿名である。あれほど、親から、「人を後ろから打つような真似はダメだ」と教わり、子どもの教えてきたのである。

 民主主義を弱めている一端が、おっさんたちであるというのが、私の仮説であるが、その「男性・高齢」のひとりとして、大いに自戒し、がんばらなければと、記念日に思った次第である。がんばるぞ。 
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