
『地方財務』で漏れバケツ理論を取り上げようと、宮崎県美郷町に連絡した。
漏れバケツ理論は、「地域というバケツにできるだけたくさん水を注ぎ込もうと(つまり、地域にお金を引っぱってこようと)、政府からの補助金獲得や企業誘致などを行っても、せっかく地域に注ぎ込まれたお金の多くは、すぐに地域外に漏れ出てしまう」と考え、地域内でお金を回す考え方である。
「仮に、皆が収入の7割を町内で使う町があって、誰かに200,0000円の収入があったとします。この人は200,0000円のうち7割の140,000円を町内の飲食店で使いました。飲食店はこのうち7割の98,000円を町内の八百屋で仕入れに使いました。八百屋はこのうち7割の68,600円を町内の農家に支払いました。農家はこのうち7割の48,020円を町内の商店での買い物に使いました。ここまで5人の手を渡る間に、200,000円のお金が合計354,620円の売り上げを生み出しました」としている。分かりやすい。
では、町内購入率は、実際どのくらいなのか。その基礎調査を美郷町ではそれを町をあげて調査した。その目的は、「このバケツから流出しているお金を可視化することで、地域内に足りない資源や、産業を見つける」ことにある。
その概要は、ホームページに出ている(1%のチカラ~地域経済循環分析の結果から~)。
美郷町は、宮崎県の内陸部に位置し、町の92%は山林という。人口は約4400人、高齢化率は50%を越えている。山あいの静かな町なのだろう。こうした小さな町でも、全国の先を行く施策や事業をやっていることに嬉しくなった。
こんな活動を見ると、一度は訪ねてみたくなる。
地方財務の原稿は、連れ合いのリハビリを待っている間に、マックで書いた。気分がかわったのか、よくかけた。マックで勉強する高校生の気持ちが分かった。