松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治のデザイン(三浦半島)

2016-03-07 | 地方自治法と地方自治のはざまで

 自治の未来はどうなっていくのか。次の時代の自治のデザインである。まちづくりに加わるなかで、感じていることをメモしておこう(原稿がなかなか進まず、ちょっと小休止)。

1.厳しい財政状況を背景に、公共施設の統廃合、サービスの廃止といった苦い選択が増えてくる。これを従来の二元代表制のシステムでは、処理できなくなってくる。
 2.公共施設の統廃合のような、市民にとって苦い選択は、行政のチェック・批判型の市民自治では解決ができない(市民自治のありようが問われている。もう20年前くらい前からである)。
3.今後は、地域の問題は地域で決定していく方向になる。地域コミュニティ協議会や地域自治区に権限と資源を委譲していく(過疎地ではすでに起こっている。朝来市などの取り組み)。
4.行政の役割は、判断の材料をきちんと示し、そのうえで、地域の事情を踏まえて、地域の人たちが優先順位をつけていけるように後押しする(励ます地方自治)。
5.議会の役割が大きく変わる。地域代表から全市的な立場に純化する。現在は議員は兼務が許されるが(給料が安い)、専任職になっていく。議員定数は、大幅に減少し、その分、給料は大幅に増える。
6.公務員では、市民の自主決定を支える市民任用型の公務員(3年役所)が大幅に増え、公務員数としては全体に増加する。

 課題としては、
1.地域で決定するシステムの民主制があらためて問われてくる。どのように民主制を強化していくのか、知恵の絞りどころとなる。
2.まちづくりにあまり参加しない若者(若者政策)や女はでしゃばるなという風潮の中で出にくい女性(女性政策)の構築が急務である。
3.地域コミュニティ協議会内で収まらない課題も出てくるが、いくつかの協議会で連携し協議していく(その仕組みが求められる)。

 これらの自治を実現には、抵抗勢力からの抵抗も大きいだろう。一番の抵抗勢力は、部分を取り上げて、そこを大声で非難する人たちである。
 実際、地方でもトランプ現象のようなポピュリズムがあちこちで起きている。一部の失敗を取り上げてだれかを悪者に仕立て、それを非難する、あるいは政策の弱点を取り上げて、針小棒大に相手を批判するといった、ミニ・トランプのようなリーダーがあちこちに生まれている。批判するのだから、対案があればよいが、実際には非難の裏返しのような「言葉」しか戻ってこないのでがっかりしてしまう。

 住民力が、こうした「反動」を跳ね返せるかどうかがポイントになるが、その解答のひとつが、アリストテレスの「支配と被支配の交代」だと思う。地域で起こる問題を地域や組織に決定をゆだね、自分たちで考える機会を作ることで、そのなかで、多様な意見があることを学び、許容し、妥協することを学ぶなかで、ポピュリズムを跳ね返す力を養っていくのではないか。民主主義の学校という原点をもう一度、考えてみることだろう。

 以前も紹介したが、以下のような地道な取り組みが、全国で起こってくることが目標かな。「気持ちよかった」という言葉がとても気に入っている。http://blog.goo.ne.jp/opin/e/9a2a2641f5ac11791f1dfe15a610879d

 

  

 

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