今週の3年生のゼミは、就活講座となった。
松下ゼミでは、先輩と後輩の連携が密で、その一環として、先輩による就活講座を時々開いている。今回は、大学の地元の農協に入ったIさんに来てもらって、就活のポイントを話してもらった。
Iさんは、1年生のときから、私のゼミである。1年生のゼミ配分は、機械的に割り振られるので、たまたま私と一緒になっただけである。ここだけの話であるが、最初の時の様子では、座学が苦手で、1年生の夏に中退するのではないか・・・。そんなイメージだった。
そんな彼女が、どんどん成長していった一つが、地域連携活動だと思う。地域には人を育てる機能があるというが、まさにその通りである。長い付き合いなのでよく知っているが、持っていた魅力が開花していく様子がよく分かった。
大学で私が学んだのは、人の欠点ではなく、その人の持つ良いところに目を向け、そこを伸ばしていことが、やはり大事なのであって、実際、良いところを後押ししていけば、人はどんどん伸びていくことである。こうした作法は、私の性にも合っているのだろう。
飲み屋で「うちの会社のここがダメ、社長はここがダメ」などとクダを巻いている人がいると、思わず「そうじゃなくて、こうしたらよくなると提案するのが役割でしょう」が、口をはさみ、けんかになりそうになるが、そんな余計なことを言うのは、後ろ向きの議論は、時間とエネルギーの浪費でもったいないと思うからである。そんなことをやっている余裕はないのではないかと思うからである。実際、良いところを見て、そこを伸ばせば、どんどん良くなるという事例をたくさん、目の当たりに見ているからだと思う。
大勢のゼミ生を前に、1時間、笑顔とウィットで、堂々と話しているIさんを見ていると、私もうれしくなってくる。