深海魚

深い深い海の中でもきっとあなたの声だけは聞き分けることができる。
例え結ばれなくても愛した人だから。
あなたがいるから陸で生きることを選んだマーメイドのように。
これだけ確かな人もいないよ。

クリスマスイブ

必ず今夜なら言えそうな気がした

告白がないことに戸惑ったけど、整理がついていないのかもしれない。
緊張して言えなかっただけかもしれない。
恥ずかしくて私と普段ペア組めないくらいのやつだから。
あーもう考えるのやめよう。

答えなど

答えなどどこにもないんだ、きっと。
ないものを当てにしても仕方ない、待つのをやめよう。
先になくても私は振り回されたけど、やっぱり先輩が好きという気持ちが確かなものだ。

私は後輩の告白がなかったことになるなら私の心もなかったことになる。
愛されていないのならば私も愛することをやめる。
ずっとそうだった。愛されないのならばいらない。

だけど先輩だけは違った。
どんなにただの後輩だって恋人が入れ替わった時期だってただそばにいられれば十分だった。叶うとか叶わないとか感じたことも駆け引きさえなかった。
ただ相手を想うこの気持ちが確かなものだ。

愛している。それをやっと確かなものに気づけた出来事。

かけがえのないあなた

それぞれのクリスマスイブ。
シチュエーションは完璧なのにあなたの気持ちがわからない。
これは地獄、甘い甘い地獄なのだ。私を捕らえてなにもしない毒なのだ。

突然の告白に振り回されて結局あの人はなにも言ってくれなかった。
気位の高さは絶対譲れない。

そのなかでさえ地獄からでも想うのはあなた。
きっとどんなにいても結ばれることはないと悟っているから。
恋に落ちることができなくても、あなたといると誰よりも楽しくてぴったり呼吸が合っていつも一緒にいられるんだ。あなたを思う気持ち。

さぁ地獄からの抜け道を探そう。