『なにしてるんですか?』
私は何やらこの船の端末を操作してるアイにそういったよ。ミレナパウスさんなんかはとても興味深そうに周囲を見回してる。まああの世界からみたらいっきに文明レベルがね。
跳ね上がった感じがあるだろうし、見るものが全て新鮮に見えてもおかしい事じゃない。まあそれを言うなら勇者だってそうだとは思う。勇者の世界はほぼ私的には印象なんてないんだけど……なにせ目覚めたら勇者と魔王が戦ってたしね。
そしてそれに巻き込まれて私も飛んだ訳で……実際あの時吸収した勇者と魔王の記憶というデータしか私は勇者の世界の事はしらない。まあそれによると流石にミレナパウスさんの世界よりは色々と進んではいた。
実際ミレナパウスさんがいた世界がハードモードすぎたんだけどね。だからこそ、残骸……廃艦とはいってもこんな船なんて彼女は見たことなんてないだろう。
そもそもが金属の巨大な塊があること自体ミレナパウスさんには珍しいだろう。あの世界にも船はあったけど、材質的には金属というか岩とかだったしね。それを魔法無理矢理……って感じだった。
「どうやらこの船の情報を取り出せそうだったので、試してるんですよ」
そんな事を言ってのけるアイ。へーそうなんだーといってもいいけど、ただ流すには結構衝撃的な事してるからね。なにせここに集ってる朽ちた船たちはどう考えても技術水準が一緒くたってわけじゃない。
どうしてここに船が集って塔のようになってるのかとか全く持ってわかんないけど、スキャンしたら材質とかまでわかるわけで、そしてその材質の成分までG-01なら分析できる。それによると、ここにある船は一つの世界のものじゃない。まあ全く時代とか先進差とか違うからなんとなくはわかってた。
でもこうやってデータでみると確実性がある。違いがはっきりとしてると言える。だって全く成分とか構造とか……違う。全く持ってここの船の残骸は、一隻たりとも同じ世界の物はない。
それが高性能なG-01が出した結論。実際、あれだけの船があって、一隻も同じ世界の船がないなんてそっちの方がおかしいが……まあG-01でも流石に全部をスキャンできた訳じゃない。そもそもがこの船の残骸の塔の上はみえない。それだけ詰みあがってる。それを言うなら下の方も見えないんだが……上と下、どっちに行くかを選んだ時、私たちは迷わず上を目指した。
なぜかは……はっきりとした理由はなかった。けど私たちは自然と上を目指したのだ。
『全く違う世界の船でしょうに、わかるのですか?』「
「むしろ、だからこそ手伝ってほしいくらいですよ」
なんかその言葉は暗に「お前だってやれるはずだろ?」とか言われてるように聞こえた。