UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 487P

2024-07-08 19:46:48 | 日記
 悪魔の力が野々野足軽の足へとへばりついてくる。そしてそのまま落ちた。何をいってると思うだろう。だって野々野足軽は駅構内に立ってたんじゃないのか? とね。けど野々野足軽が駅構内に入った時には既に真っ暗な『闇』だった。
 でもその闇に自然と立てたんだ。普通に歩けたし……まあけど野々野足軽は駅構内に侵入して歩いたのは三歩くらいだ。なにせ闇だったし、これ以上むやみに歩くのは危ないと思ってた。それに野々野足軽には力がある。だから下手に歩くよりも力を使う方がいいと判断してた。
 
「この――」
 
 床に立ってたと思ってたら、実はそこは何もない場所だったというのは結構びっくりする。そのせいか、ちょっと力が不安定になった? 一気に心に悲しさ? というのか……絶望とでも形容すべき感情が襲ってくる。
 そのせいか、目の前がぼやけた。頭ではこれはまずいってわかってる。そもそもが何が悲しくて涙が出てるのか……それが頭ではわからない。感情だけが先行してるみたいな……頭では心を落ち着かせようとしてるのに、心はそれをきいてくれない。
 野々野足軽の力がバチバチと周囲に漏れ出してる。感情の制御が出来なくなったから、不安定な心が力を暴走させようとしてる。なんとか野々野足軽は防壁を貼ろうと思うが……感情が制御できないからうまくできない。
 
 このままじゃ、もしかしたらこの駅自体が消し飛ぶかもしれない。それだけ野々野足軽の力は大きい。それこそ草陰草案や、アンゴラ氏……さらに言うと悪魔ともその総量はきっと隔絶してる。それだけの力が何の制約もなく放たれようとしてる。
 
「ぐうううううううううううう!!!」
 
 野々野足軽は自身の力を抑えるかのようにその手を肩に回して、抱きしめる。でも当然、それで力の放出がとまるわけじゃない。ただの気持ちの問題だった。
 
『まったく、しょうがないですね』
 
 そんな声が聞こえたと同時に、野々野足軽の心がスッと穏やかになった。それをなしたのはいつの間にかいたアース。彼女が野々野足軽の心に干渉してた悪魔の力を追い出してくれたらしい。
 
「くっ……はあはあ……」
 
 野々野足軽の心は自身の制御下に入ったはずだ。けど野々野足軽は苦しそうだった。なぜなら、野々野足軽の力の放出は止まったが、既に出ていった力が周囲を満たしてるからだ。さっきまで絶望に染まってたから気づかなかったが、野々野足軽の力が大量に出たことで、周囲が明るくなってた闇が光になってる。
 そしてさらにまずいことは……
 
「まざりあってて、このままじゃ……」
 
 ただ単に野々野足軽が力を回収する……と言う段階は既に超えてしまってた。放ったままの力なら回収できたかもしれないが、周囲の闇を吹き飛ばすほどに干渉した力はもう簡単に野々野足軽だって回収できない代物になってた。でもこのまま放つとなると……それこそ駅自体が消え去るかもしれない。駅だけならまだいい。
 問題はそこにいるであろう人々まで消え去る可能性があることだ。それを引き起こした張本人? それに野々野足軽はなる気はなかった。そんな罪を背負う覚悟は今の野々野足軽には流石にない。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 19

2024-07-08 19:41:31 | 日記
「どうだったんでしょうね。ふむふむ」
 
 なんかミレナパウスさんの深刻な言葉には生返事なアイ。彼女はそんな日記にはそこまで興味なんてなかったみたいだ。ただ事実としてそれを受け止める。それ以上でも以下でもないって感じ。
 ただこの船がそういう道筋を辿ってきた……という事実にしか興味はないんだろう。それをつづった人なんてのはどうでもいい。
 
「こんな空の向こうに行けるような船を作るなんて……いったいどんな世界だったのか……」
「きっと私がいた世界とは何もかも違うんでしょうね」
「世界なんてそういうものだよ。自分の世界を卑下するものじゃない。僕もまだそんなに渡ったとは言えないが、世界はそれぞれで全く違う」
 
 ミレナパウスさんが自分たちの世界のクソさに気づきそうになったから、勇者が慰めてる。優しい勇者らしい。アイは当然無視だ。実際勇者のいう通り、世界とはそれぞれで全く違う。だからくらべるなんてのはナンセンスではある。
 でも、隣の芝生は青く見えるっていうからね。かたやこんな巨大な船を作れるほどの文明まで発展した世界と、砂漠に包まれて車もなくて、生物に乗ってたような自分たちの世界……
 
「なんでこんなに違うの?」
 
 ――と思ってもしかたないよね。まあ全ては神が悪い。あそこの神がね。きっと今頃は思惑通りに行ってほくほくしてるんじゃない? てか一回上手く行ったから、もう一回同じような事をしそうでもある。
 でもあの世界は流石に厳しすぎた。私たちが来なかったら、教会の思い通りになってた可能性がかなり高い。そして教会が勝つか……砂獣に押しつぶされるかしたはずだ。
 私たちのような存在が再び来るなんて保障なんてない。だからもっとあそこの神は緩くした方が良いと思う。
 
「なるほど」
 
 私がミレナパウスさんの世界の今後を思ってると、そんな言葉が響いた。そして何かがモニターに流れてくる。これはアイが一方的に送ってきてる感じだね。
 
「どうですか?」
 
 多分それは私にいってるよね? どうですか? って言われても……いきなり大量になんか送られてきたけど……ナニコレ? そんな事を思ってると……
 
「拡張した脳みそは飾りですか?」
 
 とかディスられた。