カリッともっちり、縁までおいしいピザ生地
ピザにはいろいろな生地があります。パンタイプ、クリスピータイプ、ナポリピッツァ、ミラノ風、ローマ生地・・・・。それぞれにおいしく食べられるのもピザのいいところだと思います。
いろいろなタイプが食べられるようになったのは、ピザが本当に日本に普及したということで良いことだと思います。
ただ、生地の呼び方(?)がかなり混乱しているようです。
たとえて言えば、「うちは讃岐うどんですから」という店で「きしめん」が出てくるような混乱が、ピザではよくあります。
「本場ナポリのピッツァ」として売られているピザが、パンタイプだったり。
(間違いとは言い切れません。ナポリの街角で切り売りされてたりもするし。でも我々が想像するナポリピッツァではない)
ですから、お客さんも混乱してしまいます。
うちのはナポリ風ピッツァ、と説明しても
「あぁ、クリスピータイプね」
「いえいえ、縁がふっくり膨らんでいて・・・」
「あぁ、分厚いやつね」
「・・・・・えーと・・・」
何度こんな会話をしたでしょう?決してお客さんが悪いわけではありません。私たちイタリア料理に携わる業界の人が混乱させているのです。
当店のピザ生地はどんなものなのか、を一言で説明するのが難しい。
案外、なにも知らない人のほうが「うちのは本場イタリア生地」と言い切ってたりします。
ですから、何々タイプ、という説明では伝えにくい。こんな生地、というのを家内がブログに書いていましたので、以下に転載します。(晩ご飯当番の交代を条件に承諾済み)
以下「信州のイタリア料理店から 2009.10.25より転載です」
今日はピッツァのおいしさのヒミツを大公開!?
当店のピッツァ生地はベストの状態にするには
冷蔵庫で24時間寝かせてから。
なので「なくなったから作ろうかな」
では間に合わない。
ある程度予想をたてて、あらかじめ仕込みをしておきます。
しかも、生地は生きている。
発酵が進みすぎるともう使えなくなってしまうので、
主人がかなり上手に予想をたてて
日々生地を管理してくれているのですが、
今日は「夜食に使って~!!」と主張する生地がふたつあったので
ひとつもらって久しぶりに私もピッツァを作ってみました。
ところがところが・・・・・
まぁ何気なく作ったという言い訳はあるものの、
同じく主人が何気なく作ったピッツァとのこの違いはなに!?
っていうくらい大違い。
主人作。フチもこんがりふっくらおいしそう♪
ワタクシ作。粉っぽいうえにふっくらしてないし
(写真までピンボケ)
もっと違いがわかるのが断面なのですが
ワタクシ作。ふっくらじゃなくて空洞になってます。
(ショックのあまり?またもピンボケ)
主人作。きめが揃って美しい
絵にするとこんな感じ。
上が主人のピッツァ→きめがしっかり揃ってその中に 下がわたしのピッツァ→生地がだれてしまって 弾力だのきめだの書いていると気になるお肌のことみたいで 違いといえば生地の延ばし方。主人はひょいひょいっと 主人のピッツァはいつも通り、
均等に気泡が包み込まれている感じ。上にふくらむ力が
ちゃんと働いているので底がちょっと立ち上がる。
見た目こそフチにふくらみを寄せたけれど
中はすかすか。底も立ち上がる気力なし。
気が滅入りますけども(笑)
同じ生地で同じオーブンで同時に焼いているんですから、
「ぐう」
の音もございません
生地を投げて遠心力で延ばしますが、出来ないわたしは
ちまちまと手で。これでこんなに差が出るのです。
食感もわたしのは表面カリッとして・・・
かといってクリスピーでももっちりでもない中途半端な感じ。
あぁそうだ、こういうピッツァ、けっこうよそのお店で食べたことある。
粉っぽい感じもそう。
おいしくなくはないんだけど・・・「ふーん」って言っちゃいそう
自分でも作っちゃったけど
表面パリっとして中はもっちりふんわり。
やっぱりお客様にお出しするのはこれですよ、これ。
オステリア白樺のピッツァは、「真のナポリピッツァ協会」が定めている、
「ナポリピッツァ」と、作り方、目指している焼き上がりが、やや違います。
ですから、あえて聞かれると「ナポリ風ピザ」とお答えしていますが、
もっというと、他にはどこにもない「オステリア白樺のピッツァ」なのです。