清涼感のある辛口ピッツァ
ピッカンテは辛口。イタリアンでは、舌がピリピリするようなイメージです。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテのチーズを召し上がったことのある方には想像がつきやすいと思います。唐辛子が入っているわけでもないのに、舌がピリピリするチーズです。
さて、オステリア白樺の辛口ピッツァ。ピッカンテとは言いますが、舌がピリピリするような激辛料理ではありません。
口に入れて「ん?辛くないぞ」と思うくらい。
のみこんだ後に、のどのあたりが、すっとするような清涼感。
そして、いつの間にか、体が熱くなってくる。
そんな、すっきりと清涼感のある辛口ピッツァです。
ピッカンテは普通のピッツァと見た目がまったく同じ。
忙しくなってくると、窯の中で回したり場所を移動しているうちに、
「あれ?どっちがピッカンテだっけ?」分からなくなることがよくありました。
ピッツァは味見ができないのがつらいところ。実は間違えてお出ししてしまったこともあります。すいません。
最近は、そういうとき、目印に唐辛子を一本のせて焼いてます。あくまで目印です。
ピッカンテと言えば思い出すことがあります。
イタリア人とのハーフの小さなお孫さんと、日本人のおばあちゃん。
男の子が辛いところにあたってしまったのか
「ぴっかんて、だよ~」と泣き出してしまいました。
「ほらほら、これはピッカンテじゃないよ」おばあちゃんが違うお料理を食べさせます。
「すっこでぃめっら、のむ~」
厨房まで聞こえてきた、分かりやすいイタリア語と、日本語が混ざった男の子とおばあちゃんの会話がなんともほんわかとかわいらしくて。
ある夏の最盛期、ふっと空白のような時間にあった、ほほえましい一こまです。