ズッパディペッシェの定番
なぜか白黒写真しか残っていませんでした。
海無しの県ですが、お肉を召し上がれない方のために、メニューにいれていました。
数あるイタリアンの魚料理から定番にアクアパッツァを選んだ理由は大きく二つです。
ひとつはイタリアンの魚料理としてあまりに有名なこと。
そして二つ目は、この料理、魚のほかに、もう一つ大事な素材、が「水」である、ということです。
「アクアパッツァ」という料理名、諸説入り乱れているようです。
水を使っただけでおいしくなるから「風変わりな水」という意味で、という説や、
煮込む時の沸騰した感じから「狂った水」という意味である、という説などが有名です。
文献をひもとくと、もともと漁師さんが獲れた魚を海水だけで煮込んだのが始まりとか。
お魚に関してとてもハンディのある場所ですが、車山は名水の地。
霧ヶ峰に降った雨が、自然のフィルターを通り、伏流水として一番最初に湧き出てくるのがここ、車山高原です。
昔から天狗の水、天狗水(てんごんすい)と呼ばれています。
水が良いと、同じように作っても格段に味が変わってきます。
それともう一つが地元産の完熟トマト。スープに何ともいえない自然の甘みが出てきます。
トマトによって多少の味の差がでるのでやはり夏の料理でしょうか。
召し上がっていただいて、おいしいっ、と思っていただけたら。
この料理に関しては素材のお手柄、といったところでしょうか。
私はコックさんというより、指揮者になったような気分になる、「風変わりで」おいしい料理なのです。
※現在、グランドメニューにアクアパッツァはありませんのでご了承ください。