満月だった 少し書き足しあり

病院から帰ってから、タブレットの件でパソコン屋さんに寄ったり、末妹娘とお昼食べたり。
新しいお店を教えてもらって、スイカを買ってほくほく。
戻ってからは、外猫さんのお世話したり、なんやらかんやらで。
自宅の猫さんのお世話に出向くとき、ふと見たら、満月。

路肩に車を停めて、カメラを持ったら、いきなり黒雲に邪魔されて。
うんむ～～～～、って、少ししょんぼりして。

庭先に停車して、懐中電灯持って庭を歩く。
家族が多かった時は、庭は明るかった。
どの部屋にも灯りが点いていた。
廊下も勝手口も、外灯だって何カ所もあった。

鍵をあけようとして、ふ、と手を止めた。

うすい茶色の、ちいさな。。。カエルさん？！
たまちゃんだ！！！
　　去年、オタマジャクシから育てた、たくさんの子たち。
　　足が生えてからは、あちこちの大きな池や水路に放してやって。
　　池につれて行こうとしたら、あたしの手をすり抜けて、庭に飛んでってしまってた子。
　　７月はじめに、庭先で、偶然だと思うが、あたしの声に呼応して、姿を見せてくれた子。
　　　
　　思わず写真に残したが、そのまんま、また庭の草むらに消えてったんだっけ。
　　手から放れた時は黒かったのに、少し育って、金色に光り輝いてたっけよ。

この写真を撮った時の四倍くらいに、大きくなってた。
生きてたんだね、全滅したかと思ってた。
　　反射的に、たまちゃん、と、思わず呼びかけた。
　　あたしを見上げて、ちょっと首をかしげて、でも、逃げなかった。
ずっと、庭の人工池（というか、ポリの入れ物、睡蓮とかを植える鉢）には、水を入れてたし。
新しく足したりは、欠かさなかったんだよね。
石も、水草も、活き活きしてた。
なんとなく、だったんだけど、さっさと片付けない、というのとも、なんとなく違ってて。
育てた、子。そういう思い。

残った子たちの姿が見えなくなってからも、いつも、そこらに話しかけてた。
庭はそれなり草ボウボウだし、虫だって、居るし。
厳しい冬を越えても、あたしは再発で病院通いしなくちゃならないから、世話もできなくて。
あたらしく、おたまじゃくしを、という気にもならずに過ぎたのに。
子猫たちの走り回る庭先で、つかまりもせず、頑張って。
あんなに暑かった夏を、乗り越えてくれたんだね。

とても嬉しかったのに、スマホを机に置き忘れて、持ってなかった。
置き忘れ自体は、いつものこと、だったのだが。
今回だけは、まっことに、無念。

生き延びて、増えてほしいな。
去年、だれかが勝手に庭に入ってきてて、踏み潰された子を発見した時の悲しみが、消えなかった。
他人さまからは、ただのカエルかもしれないが、あたしには、毎日餌をあげて、水を替えて、
手を水に入れて、そっとすくいあげると、おとなしくあたしを見上げてくれて。
たまちゃん、と呼びかけると、近寄ってきて。ま、餌目当てなんだろうけど、それでも。
いとおしい我が子だったのだ。

勝手に入らないでください、って、いくら言っても、きいてくれない人たち。
偏屈だと噂してる人たち。
いいですよ、言うくらいは。だけど、他人の庭に侵入すると、罪になるって、知ってるよね？
おたまじゃくしから飼ってるのよ、もう、ペットなんだから、ね。

と、言いたい。
声に出して、言いたい。

・・・・まーーーた、「あの変わり者が」って、・・・・言うよね、ま、そんなもんだ。あは。

幸せだから、いいのだ。