二十日の明け方。
玄関先に「くろっぴ」にそっくりの猫がやってきて、あたしに呼びかけた。
牛乳をあげたら、喜んで飲んでいる。
そっと「くろっぴ?」と呼びかけたが、知らんフリで飲み続けていた。
そうだよね~、似てる子なんか、いくらでも居るもんね~、と、中に引っ込んだ。
あたしの古いホームページをご存知ない方のために補足すると、くろっぴというのは
当時小学校に勤めていたあたしの教え子が拾ってきた二匹の子猫の、小さかった方。
拾ってきた児童たちは、けんかばかりで落ち着きが無く、対処に苦慮していた連中。
猫を一緒に拾ったということから仲良くなり、その後、猫を媒介に、団結力結束力の
非常に高いことで有名なクラスになった。
(連中は、今でも兄弟姉妹のように仲良しだそうだ。)
子猫は、もう死にかけで、何日も血便が続き、あたしは肺炎が治りかけの体を押して
子猫たちの看病に精を出し、やっと育ってくれた子猫の大きい方は里子に出し、
弱かった方を引き取って、当時は元気だった私の母親に叱られながらも仲良く暮らした。
その、「死にかけだった子猫」が、くろっぴ。黒っぽい縞模様の猫だ。
茶色のと、黒っぽいのとの見分けのために「茶~」と「くろ」という安易なネーミング。
その末の、まぁいっか~、の名前なのです(なんちゅうテキトウな)
ある寒い雪の日。
当日は、小学校の終了式。
今から冬休みに入るというので、クラスでクリスマス会を催し、楽しい時を過ごして、
大騒ぎの果てにるんるん気分で帰宅したら、可愛いくろっぴがどこかに失踪してて、
そのまま帰って来なかった。
あたしは、連日仕事の前、仕事のあと、文字通り寝る間もなく吹雪の中を探し回った。
おかげで、たくさんの方々に出会い、たくさんのコトを学び、町の様子にも詳しくなった。
当時、同じく教え子が拾ってきた猫が交通事故に遭い、それを保護していて
その猫とのいきさつも、いろいろあった。
事故にあった猫を拾ってきた子の親は、ガンで秋に亡くなったばかりだった。
まだ一年生だった彼女は、精神的にまいってしまっていて
そんなこんな、も、全て含めて始めた「猫保護」だった。
で。
居なくなったのが、2002年の12月20日。
昨日。
二階の保護猫の世話を終えて、庭に出たのが午前三時半。
あたしの車の下から、大きな声で猫が鳴く。呼び鳴き、というやつ。
あたりはしんしんと冷えて、数日続きの雪。
外灯にすかして見たら、どうやら20日の明け方に見た子のよう。
また缶詰をあげて、食べているところをそっとなでてみた。
普通、野良さんは、なでられるといきなり臨戦態勢に入り、耳を後に引いて牙を剥き
思い切り威嚇してくるものだ。
でも、あまりにも「くろっぴ」に似ていたものだから、つい、さわってしまった。
そうしたら。
なんと、その子は食べるのを止め、あたしの顔を見上げた。
うっ、威嚇される?と、ちょっと身構えたら、違った。
その子は、いそいそとあたしの膝に乗り、あたしのあごに自分の頭を「ごっつん」して
甘えてきたのだ。
くろっぴ!くろっぴかい?
まるで、いつもの「お返事」みたいに『うンにゃ~ォ』と鳴いて、すりすり。
しまいには、あたしの上着に頭を突っ込んで、膝の上で丸くなった。
おそるおそる、よくやっていた「しっぽ・するん」(指でしっぽをなぞる)したら
いつものように、あたしの指にしっぽをからませてくる。
どこにも曲がりの無い、細くて長いしっぽ。
念のため、おしりも点検したら、♂です、間違いない。
(以前、そっくりの子を保護したら、メスだったということがあった)
よしんば飼い猫であったとしても、今まで触ったこともない人間が尻尾やお腹を触ると
絶対に逃げる。
・・・あぁ、この子はくろっぴだ。
抱きしめたら、埃とカビの臭いがした。
お腹にたくさんの草の実がひっついていたが、それも黙って取らせてくれて
あまつさえ「ごろごろごろ」の大音響が止まらない。
くろっぴ、くろっぴや。
とうとう、帰ってきたんだね。
どんなにか探しただろう。どんなにか悲しんだだろう。
毎日、玄関先にご飯を置いて、夜中に何度も確認に外を眺めた。
オマエは、どんな大冒険をしてきたのかい?
廊下に大型のケージを急ごしらえで組み立てて、トイレ用の暖房を置いた。
少しは寒さしのぎになるだろう。
外から帰ってきたのだから、獣医さんに健康診断をしてもらわないと、室内には
入れないんだよ、少し、我慢しておくれよね。
呼びかけに、まるで「解った」とでもいうように、さっさと眠りにつく、可愛いくろっぴ。
オマエが居ない間に、いつもの愛車は交換されたし、家族もずいぶん減ったよ。
仕事も辞めて、いろんなことが変わったんだ。
ほとんど「車猫」だったオマエには、なじみの車が居ないことで、あたしは留守と
思いこんで、帰って来られなかったのかい?
長い長い時間を、じんわりとかみしめる。
おやすみなさい、可愛いくろっぴ。
と、眠りにつこうとして、真っ暗な部屋の中で えらく不安になった。
「これが、夢だったら、どうしよう?」
朝に目覚めたら、廊下のケージはもぬけの殻、なんて事態になったら???
大丈夫でした(*´∇`*)
神様、ステキなクリスマスプレゼントを、どうもありがとう(^人^)
玄関先に「くろっぴ」にそっくりの猫がやってきて、あたしに呼びかけた。
牛乳をあげたら、喜んで飲んでいる。
そっと「くろっぴ?」と呼びかけたが、知らんフリで飲み続けていた。
そうだよね~、似てる子なんか、いくらでも居るもんね~、と、中に引っ込んだ。
あたしの古いホームページをご存知ない方のために補足すると、くろっぴというのは
当時小学校に勤めていたあたしの教え子が拾ってきた二匹の子猫の、小さかった方。
拾ってきた児童たちは、けんかばかりで落ち着きが無く、対処に苦慮していた連中。
猫を一緒に拾ったということから仲良くなり、その後、猫を媒介に、団結力結束力の
非常に高いことで有名なクラスになった。
(連中は、今でも兄弟姉妹のように仲良しだそうだ。)
子猫は、もう死にかけで、何日も血便が続き、あたしは肺炎が治りかけの体を押して
子猫たちの看病に精を出し、やっと育ってくれた子猫の大きい方は里子に出し、
弱かった方を引き取って、当時は元気だった私の母親に叱られながらも仲良く暮らした。
その、「死にかけだった子猫」が、くろっぴ。黒っぽい縞模様の猫だ。
茶色のと、黒っぽいのとの見分けのために「茶~」と「くろ」という安易なネーミング。
その末の、まぁいっか~、の名前なのです(なんちゅうテキトウな)
ある寒い雪の日。
当日は、小学校の終了式。
今から冬休みに入るというので、クラスでクリスマス会を催し、楽しい時を過ごして、
大騒ぎの果てにるんるん気分で帰宅したら、可愛いくろっぴがどこかに失踪してて、
そのまま帰って来なかった。
あたしは、連日仕事の前、仕事のあと、文字通り寝る間もなく吹雪の中を探し回った。
おかげで、たくさんの方々に出会い、たくさんのコトを学び、町の様子にも詳しくなった。
当時、同じく教え子が拾ってきた猫が交通事故に遭い、それを保護していて
その猫とのいきさつも、いろいろあった。
事故にあった猫を拾ってきた子の親は、ガンで秋に亡くなったばかりだった。
まだ一年生だった彼女は、精神的にまいってしまっていて
そんなこんな、も、全て含めて始めた「猫保護」だった。
で。
居なくなったのが、2002年の12月20日。
昨日。
二階の保護猫の世話を終えて、庭に出たのが午前三時半。
あたしの車の下から、大きな声で猫が鳴く。呼び鳴き、というやつ。
あたりはしんしんと冷えて、数日続きの雪。
外灯にすかして見たら、どうやら20日の明け方に見た子のよう。
また缶詰をあげて、食べているところをそっとなでてみた。
普通、野良さんは、なでられるといきなり臨戦態勢に入り、耳を後に引いて牙を剥き
思い切り威嚇してくるものだ。
でも、あまりにも「くろっぴ」に似ていたものだから、つい、さわってしまった。
そうしたら。
なんと、その子は食べるのを止め、あたしの顔を見上げた。
うっ、威嚇される?と、ちょっと身構えたら、違った。
その子は、いそいそとあたしの膝に乗り、あたしのあごに自分の頭を「ごっつん」して
甘えてきたのだ。
くろっぴ!くろっぴかい?
まるで、いつもの「お返事」みたいに『うンにゃ~ォ』と鳴いて、すりすり。
しまいには、あたしの上着に頭を突っ込んで、膝の上で丸くなった。
おそるおそる、よくやっていた「しっぽ・するん」(指でしっぽをなぞる)したら
いつものように、あたしの指にしっぽをからませてくる。
どこにも曲がりの無い、細くて長いしっぽ。
念のため、おしりも点検したら、♂です、間違いない。
(以前、そっくりの子を保護したら、メスだったということがあった)
よしんば飼い猫であったとしても、今まで触ったこともない人間が尻尾やお腹を触ると
絶対に逃げる。
・・・あぁ、この子はくろっぴだ。
抱きしめたら、埃とカビの臭いがした。
お腹にたくさんの草の実がひっついていたが、それも黙って取らせてくれて
あまつさえ「ごろごろごろ」の大音響が止まらない。
くろっぴ、くろっぴや。
とうとう、帰ってきたんだね。
どんなにか探しただろう。どんなにか悲しんだだろう。
毎日、玄関先にご飯を置いて、夜中に何度も確認に外を眺めた。
オマエは、どんな大冒険をしてきたのかい?
廊下に大型のケージを急ごしらえで組み立てて、トイレ用の暖房を置いた。
少しは寒さしのぎになるだろう。
外から帰ってきたのだから、獣医さんに健康診断をしてもらわないと、室内には
入れないんだよ、少し、我慢しておくれよね。
呼びかけに、まるで「解った」とでもいうように、さっさと眠りにつく、可愛いくろっぴ。
オマエが居ない間に、いつもの愛車は交換されたし、家族もずいぶん減ったよ。
仕事も辞めて、いろんなことが変わったんだ。
ほとんど「車猫」だったオマエには、なじみの車が居ないことで、あたしは留守と
思いこんで、帰って来られなかったのかい?
長い長い時間を、じんわりとかみしめる。
おやすみなさい、可愛いくろっぴ。
と、眠りにつこうとして、真っ暗な部屋の中で えらく不安になった。
「これが、夢だったら、どうしよう?」
朝に目覚めたら、廊下のケージはもぬけの殻、なんて事態になったら???
大丈夫でした(*´∇`*)
神様、ステキなクリスマスプレゼントを、どうもありがとう(^人^)
まぢ?
あの、くろっぴちゃん?
ほんもの?
すげえ。
奇跡は起きるんだ・・・。
たぶん、おそらく、本物だと思われます。
だって、あまりにも類似点が多すぎる。
というか、もう、どっちでもいいや、の気分。
毛の質も同じだし、癖も同じ。
なにより、今まで来たことが無い子なのに、この懐きよう。
偽物だったら、ここまでは無いでしょう。
何年経ったのか、もう、顔も忘れかけてて
親バカ写真館で確認しましたよ(;´▽`lllA``)
くろっぴですね~(*^。^*)
うれしい。
言葉も無い。ただただ、嬉しい。
びっくらコメントしか残していなかった。
すまん(^^;
大事なことを言い忘れてたよ。
オメデト(*^ー^*)∠※Pan!!。・:*:・
くろっぴ、抱っこで眠りながら、肉球の真っ黒いとこを確認したり
いつものようになでてあげると、「うきゅるぅ~~ん」と
小鳥の鳴くような、表記しがたい「あの鳴き声」を聞かせてもらえたり
本当に、懐かしく、あぁ、そうだよ、こんなだったよ、と
思い出させてくれるのですよ。
とてもとても、言葉にならない。
間違いなく、本物のくろっぴでした。
思わず笑ってしまいましたがおめでとうございます。
奇跡のドラマですね。本当に、どこでどう生きていたのでしょうか。
カビ臭かったことから考えると、どこかの軒下にでも陣取ってたのかな?
でも、ほとんど外傷がなかったことから考えると
結構な「ヘタレ」だったのでは?(;´▽`lllA``)
怖いボス猫から逃げ回り、ひたすら「おこぼれご飯」を頂戴し、
生き延びてきたのでは?と思われます。
もしくは、どなたかから飼っていただいてたのかも。
我が家のご飯を食べていた可能性も、かなり高い。
なにしろ、毎日くろっぴ用に、牛乳とカリカリ、猫缶詰は欠かしませんでしたから。
ずっと、車の中で飼ってましたからね、車を取り替えたことで
ここはどこ?的な考え方に陥ったのかも。
なにしろ、くろっぴにとっては「我が家が無くなった」ような感覚でしょうから(ー_ー;)
いろいろあったでしょう、甘え方にも、それが見えます。
今は、とりあえず、ほこほこ暮らしてます。(*^。^*)
ありがとうありがとう。本当にありがとう。
よかったねぇ。うれしいよぉ。
ほんとに、ようこそ、おいでませ~<(_ _*)>
一緒に喜んでいただけて、嬉しいです、ありがとうございます~(〃∇〃)
七年ぶりですよ、よく生きて戻ってくれた、と、感激です。
もう半ば諦めてましたから。
どうやら、近所で優しい方に飼っていただいていたみたいで。
毛並みの傷もなく、きれいでした。
ありがたいことです。(-人-)
今の飼い主の方に、なんとかお礼を言いたいと思っているのですが、解らないので。。。
今は、両方の家を行ったり来たりの生活をしているのですよ。
くろっぴは。
いきなり、あたしんちに戻りきりになってしまったら
今まで七年も飼っておいでだった方が、今度は悲しむことになるので
そこは、なんとかくろっぴからとりもってもらおう、と。(^▽^;)>゛
とてもとても幸せな、一年の締めくくりになってくれました。
たくさんの方々に、感謝です。
ありがとうございます。