お友達のお母様が亡くなられた

突然、ものすごく久しぶりにメールが届いた。

みまかられた、ということと、生前はお世話になりました、という、ごくごく短いお知らせをいただいた。

文章の短さが、彼女の深い悲しみを表している。

あたしは、彼女のお母様を、知らない。
ただ、季節になればりんごを送ったりして、それをとても喜んでくれた、というメールはいただいたことがあるので
たぶん「お世話」って、そういうことなんだろうなぁ、とは思う。



母親って、さ。
女の子にとっては、時としてうるさかったり、やっかいだったり。
でも、一番身近で、最高に解ってくれる存在だ、と思う。

友達は、別。
母親は、わが子のことを「わかろう」としてくれる。
母親個人にもよるだろうけど。

あたしの母は、一生懸命「わかろう」と努力してくれたんだ。
それは痛いほど感じる。

片づけがなかなか捗らないあたしに、亡母は生前、ぽつりと言ったことがある。

『一生懸命片付けようとしてるんだよね。掃除道具を買ってくるとかコンテナを準備するってのは
自分でなんとかしたいと思っているから、だよ。
元が綺麗好きだもの。
成果が出ないのは、自分が一番歯がゆいんだろう。かわいそうだと思ってる。』

微妙に「ぎょっ！！」としたっけ。
普通に「さっさと片付けなさいっ！」としかられてるほうが、なんぼか気持ちは楽だったろうに。
その優しさは、時として心に刺さる。
でも、あたしの「お母さん」だもの。
いつも、いつでも、自分ではそれと気づかないままに、どんなにか支えにし、頼ってきたことか。
病床にあっても、いつもあたしの味方だった。

居なくなっても、しばらくは実感が無かった。
おじいちゃんの世話もあったし、いろんな手続きとか、震災とか、二度の洪水とか、あれとかこれとか。
もしかすると、あえて「考えまい」としていたのかもしれなかった。

悲しみは、とんでもないときに、不意に「落ちてくる」。
今に彼女も、それを知るだろう。

彼女に、こっそり、言いたい。

忙しくしておいで。
なんでもいいから、さ。
葬儀とかなんとか、やたら「めんどう」が多いけど。
人がいっぱい集まって、あれだ、これだ、って追い掛け回されているうちは、大丈夫だよ。
大丈夫なうちに、何か『やりたいこと』をみつけておくんだよ。
みつからなかったら、無理にでも、作っておくんだよ。
なんでもいいから。

そうでないと。
どどどっ、と「来た」ときに、巻き込まれて沈んでしまうよ。

がんばれ、と、ささやく。
遠い青森の片隅から、遠い遠い彼女の元へ。
フレー。フレー。
いつでも、心から応援するよ。
届け、エール。

ご母堂様のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。（－人－）