それは、いずれ行く道なのだと、彼らは知っているのだろうなぁ。

コロナ前の話だが。
街中の道路を歩いていると、後ろから追いかけられて。

　　ばぁっ！！

と、満面の笑顔で、立ちはだかられて。

あたしの仏頂面を確認した途端、

　　あっ！！間違えました！！

ときびすを返しながら、ぶつぶつ言うのが聞こえてしまう。
　　ばばあじゃないか、んもう。。。


なんだとっ！！・・・とは思うものの、嘘でもないし。苦笑しか、ない。
。。。。。あのね。
あたしだって、大昔は、タイトなミニに９センチヒールで、闊歩してたのよ。

と、つぶやいてみても、もう、誰も居ない。
ま、そんなもんだ。
何も無かった、ときより、もっと寂しくなるのだよね。
いっそ、笑ってしまえば、良いのだよねぇ。
一緒に笑って欲しいよ、そういう時は。

コロナに入って、世間様とすっかり遠くなり、三年ほど過ぎた。
その間にガンで闘病生活してて、もう、隠遁の極みに達した感あり、の日々が続き。

先日、ようよう、ガンはほぼほぼ消えてます、と、うれしいお言葉をいただけて。
思うように動かなかった身体も、どうにかこうにか、少しずつ動けるようになってきて。
ま、たまにギクシャクなるのは、ご愛敬、ということにして。

でも、気がついた。
少しよたよた（よちよち？）、っぽく歩くと、みなさま、とても優しいのです。
親切なのです。こころから、湧き出てくるように、そうなのよ。
どなたも、弱いものに対する、いっぱいの愛情や優しさ、もっておいでなのだな、と。

だけど、
と、つぶやく。
ピンピンしてるおじいさんやおばあさんだって、やさしく接して欲しい、のよ。
別に、トクベツに甘やかしてくれ、って言ってるんでないの。

じじいのくせに、とか、ばばぁじゃないか、とか、そういうの、言わないで欲しい、のよね。
聞こえると、やっぱり、悲しいもの。
自分で、どうにもできないことなのに。

年寄りがえらい、とか、いうことでなくて、ね。
あたしらも、ちょっと（だいぶ？）前には、若いもん、だったのよ、ってこと。
若い時には考えもしないけど、どんどん、失われていく若さという魔物に、怯えたりした日々も、あったのよ。
物忘れするわ、跳んだりはねたり、できなくなってくるわ、新しい言葉が理解できなくなってるわ、もう、ね。
寂しい。
なにがどうということでなく、単純に、ぽっかりと、寂しい。
なにかしらの失態があると、「老人が云々」と、言う。
若い人だってやるのに、なんで老人だけ目の敵？？

いま、馬鹿にしたりけなしたり、やってる連中よ。
もうすぐ、キミたちの番なのだよ。
すぐだよ、ほら、もう、そこまで来てるんだから。

と、脅かすつもりでないけど、つぶやいてみる。
ま、運が良ければ、の話ではあるけど、ね。
年寄りになれない、ってのも、けっこう多いのだから。（ヲイ）

こういうの、悪態つく、って、言うのかな？
悪態では無いのだが、なぁ。
ただの、つぶやき、だよ。

朝からずっと、冷たい雨。
冬季鬱、の、始まりなのかも？？

やれやれ。
気を取り直して、紅茶でも、飲もう。