金魚が死んだ

十五年飼った金魚が、死んだ。
昨日、フィルターを取り替えたばかりだった。
それが悪かったのか、餌の関係か、それとも単に寿命だったものか判らないが
ともかく、二匹とも死んでしまった。
昼前は元気だったのに。いや、そういえば静かだった。
なんだか、混乱して水を取り替えてみたりとかもしたが、ダメだった。

庭に穴を掘って埋めていたら、野良猫の「うさぎ」ちゃんが横に箱座りして見物していた。
しっぽがウサギみたいだから、そう呼んでいる。
本人、呼ばれると走って来るから、気に入った名前なのかもしれない。
毛づやが良いのは、うちで毎日三食食べてるからか？

「金魚、食べたらいけないよ。」
と声をかけながら、土をかぶせた上に大きな石を置いた。

ここは、あたしのペット霊園。
大昔から、金魚やら小鳥やら、小さなものが「たくさん」埋まっている。
そのうちに栄養になって花を美しくしてくれたり木々を茂らせたりしているのだろう。

一ヶ月ほど前、魚のコーナーで仲良しの店員さんから
『金魚は、通常八年前後の寿命みたいですよ、１５年も飼っているなんて、長生きですよね。』
とほめられたばかりなのに。

さっき窓辺を通り過ぎたとき、なんだか暗いな、と思ってて、はっとした。
そっか、２４時間、水槽の灯りがともっていたんだものな。

寂しさ、って、こんな気持ちなのだろうか。