マヨの本音

日本の古代史から現代まで、歴史を学びながら現代を読み解く。起こった出来事は偶然なのか、それとも仕組まれたものなのか?

マヨ博士の伝奇考「アーク編」の2

2010年04月22日 08時49分39秒 | 小説
浜名湖のサービスエリアは広くて設備も良いので車がいつもいっぱいである。春の日差しの中、湖を望む広場には大勢の人たちがくつろいでいた。
芝生に座り、湖を眺めながら友子嬢が買ってきたうなぎパイを食べ、マヨ博士は先ほどの続きをしゃべりだした。

「エジプトの歴史はとてもむずかしいでな、私も研究する気などなかったのだが、紀元前1350年ごろのアメンヘテプ四世の記事を見てから妙に気になってな・・・」
「何が気になったんですか?」、「つまりじゃ、この王のときに多神教だったエジプトが急に一神教に変わり、おまけに都を移し、新しい都市をアクエンアテンと名付けたんじゃ。それまでは多神教じゃったもんで神官たちがそれぞれ勝手なことを言いおってから王もやりにくかったとは思うがの。」
「それはどんな神様なの?」、「太陽崇拝だったようじゃな。」
「で、何が問題なの?」、「うん、その王が亡くなるとまた宗教は多神教にもどり、新しい都は完全に破壊されたようなのだ。ところがその後の王がツタンカーメンで、先ほど言った例のカーター君がその墓を発掘したおかげで隠されていた過去が表に出るようになってきたと言うわけだ。」
「隠されていた話って?」
「つまり、モーゼの出エジプト記とこのアメンヘテプ四世との関連なんじゃ。」
「何が関連するの?」、「いやあ、諸説あって一概に言えんのだが・・・、ある人に言わせればこの王がモーゼだと言う人もいるぐらいじゃ。はっきりとは言えんが、旧約聖書に載っているエジプト人の子供を全部殺すというのが、実は当時エジプトで猛威を振るった疫病と妙に似通ってるんだわな。」
「それって過ぎ越しの祭りの話だよね・・・。」「そうそう、そうじゃ」
「神さまが殺したんでしょ?」、「いやいや、神さまは人間を殺すような事はしないぞ。」、「いずれにしてもファラオはモーゼがエジプトを去る事を認めたのに、途中から気が変わって追いかけたんでしょ?」
「それがだ、ある本によれば、モーゼはエジプトの神殿から神聖な宝物を盗み、それに気づいたファラオが追いかけたというのが真相ではないかな?」
「で、そのファラオは誰なの?」、「いや、それがわからんのだが、おそらくツタンカーメンの墓で見つけたパピルスにその事情が書いてあったとみとるわけじゃ。」
「あっ、そうか・・・」、「つまり、一神教を信仰したアメンヘテプ4世がモーゼだとすると話は早いんだがな・・・。まあ、これはそう簡単にわからんじゃろ。」、「で、その後アークはどうなったの?」
「うーん、結果的に言うなら、その宝物がダビデやソロモンが宮殿に飾ったアークの聖櫃の中に収納されたと見るのが妥当じゃないか?」
「そうね、日本の祭りでかつぐ、あの神輿がそれと同じだよね。」
「いずれにしても、その後イスラエルの宮殿は破壊され、その聖櫃は消えてしまったんじゃな。」
「あっ、博士、それって四国の剣山に埋めてあるって話じゃないの?」
「当時、彼らイスラエル部族はヒッタイトやフェニキアの連中と協力し、世界中へ船を出し、交易や略奪をしとった可能性が強いんじゃ。当然、一番ありうるのは船に聖櫃をのせ東へ向かった。そして東の果て、最後に日本へ到着したというのはそれほど無茶な話ではないじゃろ。そして鉄鉱部族のヒッタイト人に鉄鉱石を採掘させる振りをしてアークの聖櫃をこっそり隠したと考えたのじゃ。」
「じゃあ、それがハットウサで、宇佐八幡なのかしら?」、「わしはそう思うがの・・・」、「それで、今の天皇家はその子孫なの?」
「いやいや、そうは思わんぞ。エジプトの王家も黙っちゃおらんて。先日スコットランドの話をしたじゃろ?ギリシャにいたスキタイの王子がエジプトの王女を嫁にしたんじゃが、彼は宝物を盗んだモーゼを追っていて、例の海が割れたときに遭難し、スペインまで流されたと言うあれじゃ。」
「えー、確かシバちゃんに書いてありましたね。」
「つまり、スキタイ族はエジプトの王女を嫁にして世界に分国を作る壮大な計画を持っていたのだよ。だから、世界中に王子を派遣し、そこへエジプトからの王女を招く。そして、男王は武力で、王女は祭祀をつかさどる二重統治をしたんじゃ。」
「それって、例の加治木さんの卑弥呼の話しみたいね・・・」
「そうとも、スキタイ本国の指令でアークの聖櫃を追いながら王子たちを世界中に派遣したんじゃよ。日本もスコットランドも同じなんだ。そこに登場するのが海幸、山幸彦だな」
「兄弟で争うあれですね。」
「そうじゃ、海と山とにわかれ旅立ったのじゃろう。だからスコットランドと日本は兄弟かもしれないね。ともに男はスキタイ、女がエジプトじゃよ。」
「じゃあ、なに?日本の天皇はアークの聖櫃を探しに日本へやってきたスキタイ王子の末裔なの?」
「そうじゃ、わしはそう思っているぞ。」
「ふーん、博士の頭の中ってどうなってるんやら・・・・」

続く・・・・

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2 コメント

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土佐のあわさんへ (mayo)
2010-04-23 10:05:15
私も本気で剣山を疑ったのですが、僕が知るぐらいですから違うのでしょう。まあ、これはロマンですから楽しみましょう。
今回は2,3回では終わりません。4回はやります。
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Unknown (とさのあわ)
2010-04-23 09:57:56
マヨさん。
ご無沙汰してます。と言ってもいつものように、普段コメントしてないだけで毎日拝読してますよ。
久しぶりの小説楽しみですが、今までも確か2-3回で終わった記憶があり様子見てました。
今回はずっと続くよう応援してます。
さて、私も以前どなたかに皇室関係の方(皇太子さんなど)が何かの調査の目的でよく山歩きや登山をされている理由を聞いたことがありました。
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