『ブラッド・ダイヤモンド』ネタバレありです

ディカプリオが最高の演技をしているということなので、どうしても観たくて出かけました。
映画自体は残酷なシーンが多くて、私は一度観ればもういいかな。もちろん観ないよりは一度は観ておいたほうがはるかに良いんですけどね。
ただ、私の好きな作品ではなかったです。だって恐いんだもん。
噂のディカプリオの演技は評判どおり、素晴らしかったと思います。体も張ってます。
内容はアフリカのシエラレオネの内戦とそこで採掘されるダイヤの不正取引、それに関わる人々。テロリスト、武器の密売人、ジャーナリスト、ただの漁師とその家族。
最初は平和で穏やかな村の日常がほのぼのと描かれてるんですが、いきなりテロリストに村が襲われ虐殺されるシーンが始まって、それの描き方がものすごく恐い。
実際にああいうことがあったから描く必要があったんでしょうね。もしかするといまこのときも世界のどこかで同じようなことがあるのかもしれないですし、目を背けてばかりはいられないのでしょうが…
ただ命を奪われることだけが恐ろしいことではなくて、テロリストに誘拐されて洗脳され、自身もテロリストにされてしまう子供たち。
こういうことが同じ民族の間で実際に起こったことなんだそうです。
ディカプリオは元傭兵の武器商人で、タフでズルくて金のためなら危険なこともやっちゃうような人。
体格はむっちりと逞しくて、顔つきも悪くなってて、なんか体臭が臭ってくるような男くささがあります。可愛かった昔のレオ様ではありません。
そのディカプリオと襲われた村の善良な漁師が巨大なピンクダイヤの原石をめぐってテロリストだの軍隊だのと戦ったり、奪われた息子を取り戻そうとしたり…まあとにかく何かあるたびに人が死ぬんですよ。それがいちいち恐いの。
そんな中でもディカプリオは少しづつ人間的な優しい心が芽生えてきたりするのだけど、長年の悪のしがらみからはなかなか抜けられなくて…苦悩するディカプリオが素敵です。
欲望に正直だったり、無力な自分を憎んだり、家族愛に目覚めたり、人を好きになったり。いろんな表情をディカプリオが見せてくれます。
オスカーは惜しくも逃しましたが、近年の彼が顔の可愛らしさだけじゃなくて演技力で評価されるようになったことが嬉しいです。
でも私はいまだに『ギルバート・グレイプ』が最高だと思ってるんですけどね。