ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

愛媛県議会の環境保健福祉委員会にて性的マイノリティ

2008-10-03 02:41:23 | Weblog
8月に同性愛者への献血拒否のことを愛媛県議会の環境保健福祉委員会にて
質問していただいた佐々木県議

過去何度も議会で性的マイノリティを取り上げて応援してくれてますが
また10月に質問を出していただけたのです

今回は愛媛県人権対策課長との質疑となりました。
その議事録をほぼそのまま載せさせていただきますね!

■愛媛県議会環境保健福祉委員会の質疑より■(2008年10月1日)

(佐々木泉議員) 
愛媛県人権施策推進基本方針について、09年に見直すことになっていますが、どのような手順と日程で見直すのか。また、見直しの方向について現段階で明らかにできることがあればご紹介ください。

(人権対策課長) 
基本方針については、今後、関係課の課長で構成する県人権施策推進本部幹事会や関係係長で構成するワーキンググループで見直しの事務作業を進め、本年度中に県人権施策推進協議会に原案を示したいと考えております。
 その後、協議会の意見や来年秋に予定していますパブリックコメントで寄せられる県民のご意見を踏まえ、来年中に見直しの作業を行うこととしています。
 見直しの内容については、人権問題の多様化に対応して、昨今、重要な人権問題であります「北朝鮮当局による人権侵害問題、すなわち拉致問題」や「ホームレスの問題」の追加や、現在、その他の人権課題として取り扱っています「犯罪被害者」、「性的マイノリティ」、「インターネットによる人権侵害」など重要性を増している課題についての拡充などを、昨年度協議会に提案しており、今後、協議会の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。 

(佐々木泉議員)
この人権施策推進基本方針にも掲げられている性的マイノリティの人びとの問題です。
 今週月曜日から、NHK教育テレビの番組「ハートをつなごう」が4回連続で、この問題を取り上げています。一昨日、昨日は同性愛についてでした。春に続いてNHKとしては、2回目の特別番組です。番組の中からひとつだけ紹介すると、若い女性の同性愛者のカップルがこの秋、結婚式を挙げる。思い切って勤め先の社長さんに言ったら、「おめでたいことだから出席しよう」と言ってくれてほっとしたとのことで、日本とカナダで式を行うそうです。日本では同性同士の結婚が認められていませんが、カナダでは国籍にかかわらず結婚証明書を発行するといってました。二人が知り合うまでは、「ほかの人と違うし、一人で生きて、一人で死んでいくんだ」と思っていた。二人が知り合えたのは奇跡だ。これで、好きな人と一緒にいる幸せが自分たちにもあるんだ。と話し、老後まで女性二人でいっしょに暮らすとうれしそうに話していました。
 県の人権企画でも、先日、男性同性愛者の方が講師になって登場し、私も話をうかがいました。それから、やはり県の企画で当事者のパネルにたくさんのメッセージが書かれていました。当事者の方の訴えを、これも一つだけ紹介します。
 「今も子どもたちは学校で家庭で、セクシュアリティに悩み、自分を否定しながら、誰も味方がいない青春を送っています。もし、親が、教師が、学び、苦悩を取り除く手助けができたなら、子どもたちは今まで話せなかった思いを語ることができるでしょう。カミングアウトがないのは、悩んでいる子供がいないからではなく、カミングアウトしても安全だと子供たちが感じられていないせいです。学校に変革が起こることを願っています」
 ところが、今年4月23日の新聞の投書では、南宇和郡の学校で、先生が「同性愛者はこの世の人間じゃないんだ」と話し、生徒から「これは偏見だ。みなさんはどう思うか」と新聞紙上で討論が起こり、ほとんどの投書が同性愛もかまわない、差別するほうがおかしいという意見だったのです。そこで、伺いますが、当事者は依然として、つらい立場に置かれていると思います。この間の県の、性的マイノリティの人権擁護の取組みはどうだったか、ご紹介ください。

(人権対策課長)
 先日の本会議において、加戸知事は、世界人権宣言は「人間は、一人ひとりがあるがままに存在していていい」とのメッセージの発信であると紹介されましたが、ご質問の性的マイノリティに関する人権問題への本県の取り組みは、本年1月の人権ウィンター・セミナーや8月の人権サマー・セミナーでも取り上げ、先月7日の「ふれあいフェスティバル2008」で展示コーナーを開設しました。また、啓発冊子の各所への配布も行ってきたところです。
 この問題につきましては、県としても、今後とも根気強く啓発に努めてまいりたいと考えています。

(佐々木泉議員)
同性愛者の団体が、献血機関の注意書きに「男性の方でこの1年間、男性と性的接触のあった方」とあって男性同性愛者を献血者から排除しているのに抗議していますが、見解はどうですか。異性との性的接触には「不特定の異性」という限定が付けられてるのに、同性については、「特定」であれ「不特定」であれ排除するというのは、特定の相手と生活をともにしている同性カップルへの偏見を助長するのではないか。

(人権対策課長)
人権の観点からは、性別、性的指向に関わらず、平等に扱うことが望ましく、抗議するお気持ちは十分理解できます。
 同性カップルへの偏見を助長するという懸念はあると思いますが、HIV感染症については、相対的に男性同性愛者の感染率が高いとされていることから、このような表現になっていると思われます。
 しかし、男性同性愛者のなかには、特定のパートナーとHIVに感染しないように気をつけて生活されている方がいることは承知しており、お話の趣旨を献血の担当課である薬務衛生課へお伝えいたしたいと思います。

以上

とても感動的なやり取りだと思いませんか?
こうやって自分たちのことが県議会でちゃんと話されているんですよ。
なんか信じられない感じもしますよね(笑)

同性愛のことなど個人的な問題だと当事者の多くでも思っている方が多いと思い
ますが、このように社会も向き合い始めているのです。

愛媛なんて田舎で保守的で・・そんなことも無いのですよ


同性愛者への献血拒否の文言について、前回8月の委員会質問で薬務衛生課に
質問したときはちょっと納得できない回答でしたが、今回は人権対策課へ質問
してみてくれたんですね、すると

「人権の観点からは、性別、性的指向に関わらず、平等に扱うことが望ましく
抗議するお気持ちは十分理解できます」と
献血の問診票の表現は人権の観点から問題のある表現だ!との回答を得たのです。

これは手堅い一歩です!

日本語ってもっといろいろな表現ができるはずですからね。
偏見の意思が無くてもそう伝わるような表現ってものは見直していくべきだと
思うんですよね。
献血担当課である薬務衛生課に伝えていただけるそうです。

男性同性愛者の感染率が高いからと、ひとからげに献血拒否は
その社会への影響、偏見のお墨付きを与えるようなものです。

感染率が高い男性同性愛者への予防啓発を本格的に取り組まない中で
排除だけ行うというのは、本当に少数者の切り捨て(見捨て)だと思うのです。

そして、それ以外の質問でもレインボープライド愛媛がこのところ取り組んで
きたことを触れていただけました。このように委員会で話され、議事録にも残
ったということは本当に心強いことだなと思いました。

人権対策課長さんからの返答は、自分たちと一緒に取り組んできたことをよく
踏まえていただいていて、多くの当事者に勇気を与えるものになっていると思います。

「県としても、今後とも根気強く啓発に努めていく!」

とても元気が出てきますよね。
自分たちも社会の前進のために頑張っていきたいなと改めて思う。

とっても元気の出る議会のやりとり、本当にありがとうございました!!

過去記事
●ゲイの献血拒否を是正させよ!愛媛県議会
http://blogs.yahoo.co.jp/deep8822/archive/2008/08/25

●佐々木泉さん
http://sasaki-izumi.org/index.html

レインボープライド愛媛
http://rainbowpride-ehime.org/
コメント
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