古今和歌集には仮名序と真名序があるが、仮名序は紀貫之が真名序を参考に
書いたと言われている。真名序は紀淑望(きのよしもち)の署名があるので、
多分その通りだろう。しかし、仮名序に取り上げられなかった部分もそれなりに
興味深い。角川ソフィア文庫本「古今和歌集」高田祐彦訳注からその部分を
引用する。
「高い身分として大臣と大将を兼ね、豊かさではあり余る金銭を持っているとい
っても、死んでしまえば、その埋葬された骨がまだ土の中で腐ってしまわないう
ちに、そうした名声はこの世から消え去ってしまう。偶然にも後世に名を知られ
るのは、ただ和歌を詠んだ人だけである。」
貴族というのは優雅な生活をしていたと考えられがちだが、宮廷内の権力争いや
足の引っ張り合いに、常に晒されていただろう。更に現在と較べて格段に低い医療
技術などを思えば、人生の悲哀が頭にないはずはない。上の文章はその表白だと
思うのだが、天皇勅命の歌集にはふさわしくないため、削除されたのだろう。
花のクローズアップは主役もさることながら、バックの扱いで良し悪しが大きく
左右される。ボケぐあい、配置などに気を使うとよい。
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