周平のプロフィール紹介の次に、どうしても書きたいことがあって。
猫の飼い主さんに、ぜひ知っておいてほしいことです。
■膀胱に結石
周平、去年、かかりつけの猫病院で膀胱に結石が見つかりました。
猫の膀胱結石には、大きく分けて、フードで溶けやすいストルバイト結石と溶けないシュウ酸カルシウム結石の2種類があります。
当初はフードで溶けないかと病院から療法食を処方され食べさせたのですが、しばらく経っても結石が無くならず、シュウ酸カルシウムの可能性が濃厚になりました。
となると、あとは手術しかないと。。
■手術への迷い
手術の段取りを聞くと、お腹を切開してスプーンで石を掻き出し、4~5日入院とのこと。
迷っている私に、そこの病院の先生は「石が詰まったら取り返しがつかない」「自分の猫だったら、即日、手術している」と言い、私の返答待ち。。。
もちろん、病院側は手術の強要はせず、最終判断は飼い主である私がするのですが、無言の圧に押されて、いったんは手術日程を決めたものの、手術内容(開腹)、手術後は入院(夜間は無人)、退院してもエリザベスカラーのストレス等々、周平の気持ちを考えると私のメンタルが参ってしまって。。
猫は大人になったら、1年で人間換算で4歳分、年を取ると言われますが、とすると、猫の1日は人間換算4日分、4~5日の入院は16~20日にも相当します。毎日お見舞いに行ったとしても、そんなに長い間ひとりにされたら、そのストレスたるや想像を絶するものがあり。。
悩みに悩んで、そこの病院での手術をキャンセルしました。
■光明
とは言っても、そのままにもしておけないので、何か方法はないかと調べに調べたところ、(遠方ですが)猫に腹腔鏡手術をしている病院があることが分かり、さらに調べると、何とか行ける距離に、腹腔鏡で犬の避妊手術をした実績がある病院を見つけました。
問い合わせて周平を連れて行ってみると、猫の膀胱結石も腹腔鏡手術の得意とするところとのこと。
開腹手術よりも手術痕が小さく猫への負担が少ない上に、スプーンで掻き出す術式は石を取り残す可能性があるけど、腹腔鏡ではカメラで見ながら吸引するので小さい石まできれいに除去できると。
ただ、手術はあくまでも最終手段として、別の療法食フードで様子を見ても良いのではないかと。様子を見ているその間に石が詰まることはないと。
もう、大げさではなく、”地獄に仏”の心境でした。
周平も病院の印象が良かったのか、帰宅後の機嫌も良かったです。
結局、別のフードでも石は溶けず、数週間後に腹腔鏡で手術をお願いしたのですが、傷も小さく、翌日には退院でき、退院時もエリザベスカラーではなくエリザベスウェア着用で、様子も落ち着いていました。(8年前、かかりつけ病院で去勢手術したときはエリザベスカラーを付けられ、普段おとなしい周平が、退院後、烈火のごとく暴れていました。)
※後日、結石の分析結果が分かり、やはり手術で除去するしかないシュウ酸カルシウムでした。
■思うこと
かかりつけだった病院は、猫関連の著作もある猫専門の有名なところで、交通の便が良いこともあって通っていたのですが、有名だからと言って過信は禁物だということを痛感しました。
もちろん、症例も状況も個々に異なるので、その病院で良くなっている猫ちゃんもたくさんいると思いますし、そこに通っている人を否定する意図は全くありません。
ただ、今回の周平の事例に限って言えば、昔ながらの開腹手術をしていたら、上記ストレスに加え、たぶん縫合したところの皮膚がツレたようになって、しばらくは手術後の違和感も残っていたと思います。一方、腹腔鏡手術での退院後は、ほとんど何事も無かったかのように普通に生活できていました。
料金は少し上乗せされますが、腹腔鏡で手術していただいて本当に良かったです。
周平の落ち着いた様子を見ていると、全然、高額と思わないし、むしろ感謝しかないくらいで。。。
著作やメディアで有名な先生よりも、本当に動物の気持ちやQOLのケアに熱心で臨床に意欲的な先生に引き続き診ていただこうと、改めて思いました。
腹腔鏡手術についても、より動物の負担を軽くするためにカメラの細さにミリ単位でこだわる、そんな姿勢に感動すら覚えます。
思うのは、愛猫が病気になったとき、何よりも猫ファーストでありたいということ。
徹底的に調べて納得した上で、言葉を話せない愛猫の気持ちやQOLを考えながら、後悔のない選択をしていきたいものです。