夏休みの最後の土曜日にどうしても出かけたくなってしまった。
日帰り圏内で、何とか天気がもちそうなところ。
前線は南海上停滞中。
前日夜ぎりぎりに(それはいつもだが)、
かねてプランに挙がったことのある福島の「一切経山」に行こう、ということになった。
ぎりぎりファミリー。
東北道、北上してもなかなか黒雲は抜けない。一時強く降る。
やっと日が差したのは、もう福島に入った白河ICあたりで
前線振り切ったかに思われたが、
しかし磐梯吾妻スカイラインはガスガスで前も後ろも真っ白。
浄土平についたところで、真っ白。寒っ!
これはさっさと登って早めに下りてくるべし、ということで
ビジターセンター横に車を止め、用意して出発したのが9時少し前であった。
今日はゆるいコースで行程時間も長くない。標高差も400mはない。
山腹から噴煙があがっている。
ゆっくり高度を上げる。
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雨がパラパラから、少しちゃんとした降りに変わる。
雨具を着るとまた止んでしまう。
脱ぐとまた降る。
徐々に景色が変わってくる。
地形と漂うガスの具合もあいまって、かわいらしいカールに似たようなところもあって好みだ。
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まもなく非難小屋に着く。
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新しくきれいでしっかりした小屋だ。
ゆっくり休むのは下りてきてからにして、
小屋の横から山頂へ向かう。
ざらざらと礫の斜面が続く。
ちょうどグラグラ動くサイズの石が多くて歩きにくい。
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しかしまもなく斜度はゆるくなり、ほとんど平坦となる。
振り返ると鎌沼が見える。
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ほどなく真っ白なガスが流れてきて、
またもや前も後ろも見えなくなってしまった。
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こんなしっかりと真っ白なガスの中を歩くのは久しぶりだな。
風もなく静かで、これはこれで悪くないな。
などと思いながらざくざく進むと、
地味な木の棒がたっている。
それが一切経の山頂だった。
ステキだった。
なんて地味な山頂だ。
広々として、なにもない。誰もいない。
息子と先に到着し、娘と夫を待つ間、
ガスがすうーーーっと、すぅぅーーっと、薄くなり、
娘たちが到着した頃には、
空にはぽっかり青空の窓が開いた。
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嘘のようだったが、
その時間、北と西側がきれいに晴れた。
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北側には、碧くて美しい五色沼がすっきりと見下ろせた。
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嘘みたいだけど、
下山し始めるとまた雨が降り始めた。
雲も、今度は隙間なくしっかりと空を覆った。
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早く出たほうが良いような気がして小屋では湯も沸かさず、
持っていたおにぎりとパンで済ませた。
鎌沼を回りたかったが、木道もだいぶぬれて来たし寒かったので
今回はあきらめ往路を戻ることで意見が一致。
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それが良かった。
下山して5分もたたないうちに、
今度はたたきつけるような豪雨が30分以上も続いた。
嘘みたいだけど。
なぜがどうにもドンぴしゃりな日だった。
少し先に下りた息子と私だけ吾妻小富士を登ってきた。
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お鉢の中がどうなっているかどうしても見たいと言うので。
お鉢の中は、砂礫と戻り始めた植生だった。
「なんだ、土と草だけ。」そう呟いて
本降りになった冷たい雨の中を、先に立って降りていく息子であった。
日帰り圏内で、何とか天気がもちそうなところ。
前線は南海上停滞中。
前日夜ぎりぎりに(それはいつもだが)、
かねてプランに挙がったことのある福島の「一切経山」に行こう、ということになった。
ぎりぎりファミリー。
東北道、北上してもなかなか黒雲は抜けない。一時強く降る。
やっと日が差したのは、もう福島に入った白河ICあたりで
前線振り切ったかに思われたが、
しかし磐梯吾妻スカイラインはガスガスで前も後ろも真っ白。
浄土平についたところで、真っ白。寒っ!
これはさっさと登って早めに下りてくるべし、ということで
ビジターセンター横に車を止め、用意して出発したのが9時少し前であった。
今日はゆるいコースで行程時間も長くない。標高差も400mはない。
山腹から噴煙があがっている。
ゆっくり高度を上げる。
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雨がパラパラから、少しちゃんとした降りに変わる。
雨具を着るとまた止んでしまう。
脱ぐとまた降る。
徐々に景色が変わってくる。
地形と漂うガスの具合もあいまって、かわいらしいカールに似たようなところもあって好みだ。
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まもなく非難小屋に着く。
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新しくきれいでしっかりした小屋だ。
ゆっくり休むのは下りてきてからにして、
小屋の横から山頂へ向かう。
ざらざらと礫の斜面が続く。
ちょうどグラグラ動くサイズの石が多くて歩きにくい。
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しかしまもなく斜度はゆるくなり、ほとんど平坦となる。
振り返ると鎌沼が見える。
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ほどなく真っ白なガスが流れてきて、
またもや前も後ろも見えなくなってしまった。
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こんなしっかりと真っ白なガスの中を歩くのは久しぶりだな。
風もなく静かで、これはこれで悪くないな。
などと思いながらざくざく進むと、
地味な木の棒がたっている。
それが一切経の山頂だった。
ステキだった。
なんて地味な山頂だ。
広々として、なにもない。誰もいない。
息子と先に到着し、娘と夫を待つ間、
ガスがすうーーーっと、すぅぅーーっと、薄くなり、
娘たちが到着した頃には、
空にはぽっかり青空の窓が開いた。
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嘘のようだったが、
その時間、北と西側がきれいに晴れた。
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北側には、碧くて美しい五色沼がすっきりと見下ろせた。
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嘘みたいだけど、
下山し始めるとまた雨が降り始めた。
雲も、今度は隙間なくしっかりと空を覆った。
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早く出たほうが良いような気がして小屋では湯も沸かさず、
持っていたおにぎりとパンで済ませた。
鎌沼を回りたかったが、木道もだいぶぬれて来たし寒かったので
今回はあきらめ往路を戻ることで意見が一致。
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それが良かった。
下山して5分もたたないうちに、
今度はたたきつけるような豪雨が30分以上も続いた。
嘘みたいだけど。
なぜがどうにもドンぴしゃりな日だった。
少し先に下りた息子と私だけ吾妻小富士を登ってきた。
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お鉢の中がどうなっているかどうしても見たいと言うので。
お鉢の中は、砂礫と戻り始めた植生だった。
「なんだ、土と草だけ。」そう呟いて
本降りになった冷たい雨の中を、先に立って降りていく息子であった。