Lupinus-ルピナス-

絵本のルピナスさんのように自分なりの「世の中を美しくすること」を見つけたいと思っています。

羊毛のボール

2007年02月26日 | シュタイナー
先日、幼稚園で講師を招いて、母親の学びの会がありました。
その先生はドイツでシュタイナー教育を学んだ方で、色々なお話をしてくださいました。

羊毛のボールを作るということで、球というかたちは、地球のかたちであり、そして受精卵のかたちでもあるというお話から始まり、受精卵は受精すると、金色に光り、そして地球のような青い色にもなるということもお話してくださいました。なんとなく無色透明だと思い込んでいたので、とても不思議な気持ちになりました。

こう考えると球と言うのは生命に関わる形なのかもしれません。

そして、羊毛のボールを使った遊びのお話もありました。
ものを貸せない子どもがいて、その子と一緒にボールをなげっこしたり、転がしあったりして遊ぶと、ボールが自分の手の中にある、相手に返す、戻ってくる、という動作の繰り返しをしているうちに自然に「もの」というものは自分から離れていてもまた戻ってくるのだ、ということを悟るのだそうです。そしてものが貸せるようになるのだそうです。

何気なく遊ぶ動作からも物事の本質を知ることができることを改めて感じました。それは意識的というよりは無意識的なのかもしれません。こどもにとって「遊ぶ」ことは世界を知る手立てであるのですね。

羊毛のボールを作りながら、「球」のかたちの体験をすることになりました。
ボールは始めは白い羊毛を少しちぎって結び目を作ってからくるむように丸め、その後はちぎった羊毛を色んな方向から重ねて丸めていきます。ある程度大きくなったら、色つきの羊毛を重ねていって、ニードル針で刺して固めていきます。

その日は作り終わらなかったので、家で続きをすることにしました。

家で一人で羊毛のボールを作っていると、最初は夢中で作っていたけれど、だんだんボールができあがってボールを手でさすりながら「球」を手のひらに感じていると、自分が何か世界の中心になっているような気分になりました。
普段はこういうことをじっくり考える機会はないので、その存在の意味を考えることや自分の感覚に向き合えることができてよかったです。

できあがって、こどもに渡すと、ボールをほおずりして「きもちいい」とうっとりしています。きれいな色のあたたかみのある手触りのボールは子どもの気持ちを和ませてくれるようです。


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