ぽんぽこノート

いつだって今がスタートライン。
行動しなくては何も始まらない。壁にぶつかったところから新しい道がひらける。

日本円を海外送金後に人民元へ

2010-08-02 | 仕事関係
多くの在中国日本人が直面するこの問題、海外送金。
一番いいのは日本円をそのまま中国に送金することだが、日本の銀行の諸事情によりできない場合が多い。私も色々と調べたが、結局、TSBロイズ銀行経由で送金するのがよいだろうという結論に至った。

日本の銀行は窓口から海外送金はできても、ネットを使っての送金はできないから、これが最大のネックとなっている。私は日本円での稼ぎがほとんどだから、どうしても中国に送金する必要があるのだけど、今の状況だとこれを一人では完結できないでいる。だから申し訳ない話だけど、親の口座に一旦お金を振り込んで、それを中国へ海外送金してもらっている。

周知のとおり、今は日本円がかなり高くなっている。これは日本の国力が強いからというわけではないようだが、日本円で稼いでいる私にとってはとても有利な状況なのだ。私は毎月50万円ほどを中国に送金するようにしているが、2年半前と比べると今は5,000元ほどの為替差益が発生している。

2年半前は1元が15円くらいで、本日時点では1元12.75円だから2割近くの差益を得られることになる。つまり、より少ない日本円で多くの人民元が買えるというわけで、かなり単純に計算すれば100万円が120万円ほどに化けることになる。この20万円近くの金額というのは中国ではかなり使い応えがある量なので、感覚的にはもっと増えていると言っても過言ではないかもしれない。

また、日本から中国への海外送金をした後にも気をつけたいのが中国での人民元への換金レートだ。これは中国の銀行により違うので、誰でもできれば一番いいレートで換えたいと思うだろう。以前は、レートは統一されているものだと思い込んでいて、銀行によってレートが違うとは知らなかったので、中国工商銀行で換えていた。そうしたらある日顔見知りの銀行のおばちゃんが「レートは銀行によって違うんだよ。中国銀行が一番レートいいよ。」と、教えてくれた。

確かめたら本当に差があるもんで、工商銀行とはおさらばして中国銀行をメインバンクとするようになった。例えば工商銀行が1元13円のときに中国銀行が1元12.95円などの差ではあるが、少しまとまった金額なら数千円は違う。だから、日本側で郵便局を使うなどして手数料を少し浮かせた気でいても、こうして中国側で損をしていたら何の意味もないということがわかってきた。また、郵便局の海外送金は100ドル以上送金のときに、送金手数料とは別に1,000円ほどの仲介手数料を抜き取られるので、銀行と比較しても差ほど安いとは言えない。

私は以前、EMSを利用して現金を中に入れてもらっていたりしたこともあったが、これは大幅に損をする方法だということがわかった。日本から中国への海外送金の場合の多くは、日本円をドルに換えてから中国の銀行にやって来て、そのドルをさらに人民元に換えるという面倒くさいやり方だが、これだとドルに替えるときの手数料もかかるし、なんだがドルに換えてまた人民元に換えることで為替差損が出ているような気もするだろう。

それに比べるとEMSなどで現金を送ってもらい、それをダイレクトで人民元に換えたら中間で余計な損が出ないしお得な感じがする。しかしこれが間違いで、EMSなどで中国へ送るということはもちろん現金だから、現金の外貨を銀行へ持ち込んで人民元に両替することになる。ここで大きな分岐点があるのだが、他国からの海外送金を経て銀行口座に入った外貨を口座内で両替するのと、現金外貨を銀行に持ち込んで両替するのとではレートに大きな差が生じる。

それなら中国に来た現金外貨を一旦自分の口座に入れてから口座内で両替すればいいじゃないかと思うかもしれないが、それは現金外貨を持ち込んで両替することとまったく同じで、現金持込両替レートが適用される。私の友達は日本から300万円をEMSで現金送金してしまい、7,000元ほどの損が出て、そのときのレートでは10万円以上の損だった。そもそも、没収の危険を冒してまでEMSの中によくもそんな大金を入れるなぁといった感じだが。

それと、銀行の前などによくいる闇ルートなどと言われている換金屋だが、私がよく行く中国銀行の支店では、彼は銀行の中にいる。私は何回も銀行に行くので、彼と話してみた。親切なおっさんで、どうやら年金生活の足しにこの仕事をやっているらしい。片手にバッグを持ち、中を見せてもらったら様々な国の紙幣が束でドカドカ入っていた。銀行通帳をいくつか持ち、その中のひとつの貯金額は10万元程度だった。裏に組織でもあって、そこからの金なのだろうかと思っていたのだが、どうやらすべて自分の金で、完全なるマイビジネスをしているただのおっさんだそうだ。

彼はレート状況などがよくわからない客に、自分のレートと銀銀行情報を分け隔てなく説明してあげたりしていて、なんだが銀行の接客アルバイトの役割もしている感じがする。銀行員や警備員たちとも気さくに話していて、部外者が完全に溶け込んでるのがすごい。中国ならではの光景だろう。ちなみに、彼らのレートというのは、現金で外貨を持ち込む人向けのもので、現金外貨持ち込みを銀行窓口で両替するよりは有利なレートだ。

彼のようになぜ換金屋が銀行内を自由にウロウロできているのかというと、中国人の友達の話では、おそらく警備員などにも利益分けているのかもしれないと言っていた。それが本当かはわからないが、銀行の人たちと仲良くなるだけでもウロウロできそうだと思ってしまえるところが中国の雰囲気であり、こういうテキトーなことは時に批判の対象となるわけだが、人間の温かさやふれあいといった観点から見れば、これも中国人のよさの一つではないかと思うし、私は彼らと話していて心の弾力が富むような気がする。

両替ひとつ、銀行ひとつでこんなにも多くのことを学べ、人とのふれあいもできる。日本でも学ぶことはあるし、ふれあいもできるだろうが、それとは少し違うものが中国にはある。見てみないとわからない、来てみないとわからない中国が確かにある。3泊程度なら航空券入れても3万か4万円。ニュースだけではわかるはずもない中国を、腰を上げて見に来てみたらいかがだろうか。
コメント (4)
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