画像/ハトなり。首をかしげる動作にはどういった意味があるのか。春ですねぇ。
■ 事務所がようやくそれらしくなってきた。というのも、カーペットなどの内装を軽くやってからデスクなどを購入したまではいいが、応接セットがなかったので、プチ応接セットを買った。私の事務所は50平米ほどだが、小さな倉庫も入れて実質は40平米あるかどうかというところなので、対面できるモダンなソファセットを置こうと計画していたのだが、けっこう狭くなりそうなのでやめておいた。
入居して1ヶ月ほど経ったが、細かいところに気がつくようになると色々見えてくる。
このビルは比較的新しく、よく古北地区の日系企業が多く入っているような古めのビルよりはだいぶいいビルなのだが、どうも物業(管理室)の管理が行き届いていない。というか、日本人目線でチェックしていくと、まだまだできることがたくさんあり、テキトーに管理していると判断されても仕方ないところが目立つ。
私が入居しているフロアの廊下のカーペットに、なぜか黒い線がビーッと描かれていたというか、何かを無理やり引っ張ってついてしまったような黒い線が目立っていた。その線は10Mくらいあったので、私はどうしてもそれが気になって、管理室に修繕するように言ったら、「無理です」とか「消せません」だとか、泣く子も唖然の必殺技「没办法(仕方ないです)」などなど、試しもしないうちにどんどん言い訳が出てくる。
しかし、中国語でも相手の道理の無さを指摘して論破できるまでになった私は、そう簡単には負けない。10分ほど言い合った末、できるだけやってみるとの反応を得た。毎度疲れさせてくれてありがとう。その1週間後、ようやくカーペットがきれいになっていた。黒い線のあった箇所だけ剥がし、同じデザインのものを新しく敷設したようだ。同じものとはいえ、そこだけ新品なので周囲と少し差が目立つが、前の状態よりずいぶんいい。
ちなみに、事務所入り口の鍵にはカード認証式キーを導入した。これは、いちいち鍵で開閉しなくてもいいという利便性を考えてのことだ。事務所だと、配達物やトイレだとか少し出るとかでドア開閉が意外と多い。この機種を選んだポイントがもうひとつあり、それは、この認証システムはアメリカ開発のもので、高精度の指紋認証を備えていることだ。
別に指紋認証を導入する必要があるわけではないけれど、カードを忘れたりしたとき、手ぶらでも文字通り手だけはあり、当然その手には指がいつもついているので、事務所に入れないということをほぼ100%防止できることになる。機械が壊れたら開けられないだろうと言う人がいるかもしれないが、それはどんな機種でも同じことなので、考えても仕方のないことだろう。ちなみに、セキュリティ対策としての指紋認証は特別高度なものでもなく、突破できる方法もある。カードを完全に管理できるのであれば、カードのみのほうがまだ安全かもしれない。
今回、事務所のPCディスプレイを2台買ったわけだが、PHILIPSのものにした。色々見てみたが、PHILIPSのディスプレイはデザイン性に優れており、しかも価格もだいぶ競争力があるので魅力的だ。買ったのはフルHDの23インチLEDディスプレイだ。薄いということはわかっていたけれど、物が来てみて実際を見たら驚くほど薄い。幅がなんと1.29cmしかないので、従来のものと比べるとペラペラだ。枠も少しだけRのあるスクウェアタイプでかっこいい。しかし、なぜ薄いとクールな感じになるのか、そこのへんの理屈はよくわからないが。
なぜPHILIPSの製品はよいデザインのものが多いのか。他メーカーより頭1個くらいは出てる感じだ。気になって調べてみると、やはり社内にデザイナーを多くかかえていて、この工業デザイン分野でパイオニア的存在のようだ。また、そのデザイン性も高い評価を得ていることがわかった。上海に来てからなんとなく気づいていたが、日本でのPHILIPSと海外でのPHILIPSが扱う製品はわりと違い、半導体製品や医療機器、そしてもちろん家電分野でかなりの勢力を持っていることがわかる。日本だと髭剃りのシェーバーやコーヒーメーカーを連想する人が多いのではないだろうか。
今日、中国では清明節という墓参りの時期で休日だ。しかし私は仕事があるので出勤している。ビルのすぐ近くにWAGASなど3軒ほどコーヒーが飲める店があるが、うちのビルにはスターバックスがあるので、いつもスタバのブレッドコーヒーを頼んでいる。
今日もスタバに行ってブレッドコーヒーを注文した。出来上がりを待ちつつ厨房を見ていると、何やら研修をしているではないか。フラペチーノのような飲み物を作り、周囲のスタッフに「これ、味見して!」と言っているが、1つしかないので遠慮しているのか誰も手をつけようとしない。私は冗談半分で「私が味見してあげるよ」と言うと、「どうぞ!試してください!」と意表を突く返答が。ありがたくいただいたそのドリンクは、キャラメルフラプチーノだった。5月から再登場させるので、作り込んでるところだと言っていた。
しかし、これが日本のスタバなら「申し訳ありません。お客様にご提供できるものではありませんので…」などと、他の客のことも考えて丁重に断られていたに違いない。とにかく真面目で固い対応になりがちだ。それはそれでもちろん正しい対応なのだろうが、先の上海のスタバ店員のようなスマートな対応もまた気持ちのよいものだと思った。これは中国だからということではなく、アメリカなどでもあり得ることかもしれないが、中国人のよさはこういうところでも垣間見ることができるのが嬉しい。
私は日本も大好きだが、中国の、そして中国人のもっともよいところというのは、朗らかさにあるような気がしてならない。おそらく、どこに国に住んでも経済的にはどうにでもなるだろう。ある国に住んだとき、そこでいくら稼いで何をしているかはそれほど問題でないばかりか表面上のことであり、本当の問題は、自分の心が温かくなっていくのかどうかということではないだろうか。
いただいたフラペチーノは私にとって少々甘すぎるのだが、冷たいドリンクにも関わらず、心が温かくなったのは、そのような対応をしてくれる一人ひとりの中国人のおかげと言うほかはないだろう。