画像/2月7日初五、午前0時からの花火。この日と春節初日は花火と爆竹で戦場のような騒音です。私の部屋の窓の目と鼻の先、5メートルほどしか離れていないところで何回も何回も炸裂。見渡す限り、そこらじゅうで打ち上げまくるので圧巻。外に出たら怖いぜよ…。この日は恒例のお金の神様が来る日ということで、春節初日よりも激しい花火と爆竹が轟いていた。通称「迎財神」の日。
■ 会社の成長段階は、エンジンオン→助走期→離陸期→上昇期→安定期に分けられると思う。私のビジネスは、今の段階では離陸期を無事やり過ごして上昇期に入っている。今年に入ってからさらに受注が増えた。1月は普段の2倍、2月もすでにいつもの2倍以上の勢いだ。これは嬉しいことなのだが、オフィスはもう少ししたらと考えていたので、あんまりのんびりもしていられなくなってきた。オフィス入居も早くしないとだが、今後の課題としてはこんな感じか。
・法人化
・在庫管理方法の改善
・従業員の雇用
・受注・発注管理システムの改善
これから法人化ってことは、現在は個人事業みたいなものだが、これでは中国の領収書が発行できない。私の顧客のほとんどは日本の個人や大学関係、その他企業なので、中国の領収書を出す必要というか、求められる機会はゼロに等しい。そりゃそうだ。中国の領収書なんて貰っても困るだろうに。
しかし、たまに中国の領収書を発行する機会もあるし、日本向け領収書にしても会社名が中国企業でなければ不自然だ。どうしているかと言えば、知人の会社名を借り、領収書も発行してもらっている。こんな方法なら日本でもやれなくないだろうが、まあその他イロイロ、中国でビジネスをやる場合は様々なシーンで融通を利かせ、対応することが前進への重要な要素だと思っている。まあ、稼ぎによって順々に環境を整えていくのがリスクが少ないと思う。最初から法人を作ったってダメなものはダメだろう。
中国で法人を設立する場合、董事长と呼ばれる、日本での代表取締役の上に位置するような存在を置かなくてはならない。この董事长というのは、内資企業においては中国人しかなることができなく、日本人が内資企業を設立をしようとしても総経理(社長)にしかなれない。日本人は、営業許可書に氏名が記載される法定代表人になることはできるのだが、それと董事长になるということは違う。
董事长は会社を動かす権利があるので、下手に人選を間違うと会社乗っ取りなどのトラブルに発展しやすい。このことから、「中国人に騙された」として失敗する人も少なくないようだ。中国内資企業設立は日本人の私一人では実現不可能なので、董事长を誰にやってもらうかで悩んでいた。信頼に値する友人がいるのだが悩む。
なにをそんなに悩むのかと言えば、それはやはり日本人と中国人の思考回路の違いに対してだろう。上海に来てからの3年間、信用を失墜させる行為をたくさん見てきた。基本的に、中国人ホワイトカラー層には優秀な人が多く、すごいなぁと思わせられることも多々あるのだが、一方で信じられないくらいの言動をすることもわりとある。しかし、その「信じられない」のうち、おそらく3割くらいは、お互いの思考回路がかみ合わないだけのことで、倫理的には問題ない場合もわりとあると思う。
事実、「信じられない」という出来事は、この3年でずいぶん減ったというか、そういうものとして学習した結果、だいぶ異文化への適応力が上がったと思う。たしかに日本人は素晴らしいものを持っている。サービスや心遣いにおいては世界一を自負していい。この点は、日本人に勝てる国はないだろう。しかし、だからといって中国人のやり方が間違っているとは必ずしも言えない場合もある。間違っているとすれば、日本人の目線でしか見ることができないその見方ということも十分あり得るのだ。
日本人から見た中国人というのは、うるさくて落ち着きが無く、思慮浅く狡猾なイメージがあるかもしれない。色んな人がいるのは確かだが、まあ事実はそんなに間違っていない。だが、彼らにそういう傾向があるのは、その一つひとつに理由がないわけでもない。
うるさいのは、人口が多く比較的大きな声で喋らないと不便だ。また、口論において大きな声のほうが有利な場合も多い。落ち着きがないのは、穏やかな日本と違い、戦いと裏切り、自国の政府すらも信用できない歴史を繰り返してきた中国人の記憶がそうさせている可能性がある。思慮が浅いのは後先考えないということでもあるが、その反面、実行や行動のスピードが速いという利点があり、考えすぎない性格であるとも言える。狡猾というのは、智謀策略に長けているというか、自分を守り、戦わずして勝つための思考である、ということも言える。
こうして中国人を掘り下げてみると、よいところも色々と見つかる。しかし私は、それらの要素よりも、中国人の持つおおらかさというか、朗らかさが好きだ。これは、ビジネスとは直接関係ないことかもしれないが、中国人の最大の魅力ではないかと思っている。おおらかさついでに大風呂敷を広げることもままあるのだが…、それはそれで愛嬌だろう。
それで、話が脱線したが、中国人の友人に董事长を頼むにあたり、信用したくても踏み切れない思いもあった。彼なら信用できるはずなのだが、万が一のことを考えてしまう。しかし、日本人だって裏切るときもあるのだ。それに、銀行アカウントを押さえ、事業全体を掌握されなければ、会社がなくなっても次を作ればいいだけのことだ。細かいことはさておき、どうあったとしても、まずは信用することが大事だろうな。
ということで、すでに友人の承諾は得た。少し時間がかかるだろうけど、あとは設立の申請を受理まで完了さればいい。オフィス内覧に、また新居への引越し。ちょい面倒だけど、こういうのはすごい楽しい。候補はすでに絞ってあるので、今月中に決まりそうだ。
今年もすでに2月の2週目だ。今、とりあえず順調続きだけど、こういうときこそ足元に気をつけて、浮かれずにしっかりと前進していくように心がけなければいけない。今年もバリバリやっていきますよ~。
中国経済は相変わらずすごいようですね。
文化や者の考え方の違い、とても興味深いです。
ご活躍、楽しみにしています。
そうですね。特に上海などの都市部はすごい繁栄ぶりです。繁栄しても、考え方はなかなか変わらないようですが、彼らもお金を持つようになると、見える風景も違ってくるはずです。
■yumiさん
こちらこそよろしくお願いします。
今年もyumiさんにとって良い一年になりますように。
↑この内容に横から少し補足させてください。
日本人も内資企業の設立は可能です。しくみはこう。
許可証申請時、書類に記載の法定代表人==内資の場合==中国人2名が必要とされる。そのうち1名を中国人。1名を日本人にする。その日本人名の肩書きに「法定代表人、兼董事長」の記載をすれば、この会社は内資扱いになるんです。ただし当然のことながら会社を動かす権利者(董事長)は、それなりのパーセンテージで出資しなくてはなりません。金を持たずして法人登記は不可ということです。私の友人らはこのしくみで、しっかり内資登記出来てます。ぽんぽこさんも中国での業務は長いわけで、当然ながら工商局に1人や2人ネットワークがあるでしょう。そういう方たちを利用すると、スムーズに行きますよ。私の友人ら数名もこのしくみを利用して内資登記できております。
(たまには店にもいらしてくださいね・・・ふふふ)
そうなんですか。肩書きのところに、というのがよくわかりませんけど、日本人でも董事长になれるんですね。コンサルの方に聞いた情報と少し違います。
私は上海3年ですので短いほうです。それに、中国マーケットを相手にしたビジネスはやっていませんので、今までは用がない工商局は縁遠いですね。
外資が1000万というのは一昔前の話じゃないでしょうか。今は資本金10万元でできると聞いていました。外資を作るつもりはないのでどっちでもいいですが。
法人を作る目的は、中国市場への挑戦ではありませんので、ビジネス界のネットワークがなくても問題ないんです。それに、将来中国市場を狙うとしても、私ならネットワークなんか必要としないことをやります。でも、身近なつながりくらいはあったほうがいいと思いますね。
お店ですか?う~ん。みなさん色々やってますからねぇ。どこのお店だろう。
じゃ一つ質問を。
ぽんぽこさんは今、中国にオフィスを構えて日本向けで仕事をしているわけですね。では税金はどちらの国にお支払なんですか?
いいえ。とても参考になる情報でした。ありがとうございます。
アメリカにある会社が日本から利益を得たときにアメリカに税金を収めるのと同様、私は中国にいますから中国に納めていますよ。
>個人事業みたいなものだが、これでは中国の領収書が発行できない。
それでいて先のコメントで
>私は中国にいますから中国に納めていますよ。
とのこと。どこかのコンサルタントに騙されていませんか?心配です。
中国では個人事業主には「个体工商营业执照」(日本語漢字→個体工商営業執照)を発行します。この場合、領収書の発行は可能。ですから個人営業の飲食店でも領収書が可能なのです。つまり領収書が発行できない会社は未登記扱いとみなされ、工商局からの税金請求も来てはいないはずですよ。
ぽんぽこさんも、お仕事がんばって。
本来の税金の支払い手順はおっしゃっていること、その通りですね。ですので、ブログにも書いてありますが、支払う場合は私が借りている友人の会社を通して支払っているということです。个体商の营业执照は知っていますが、たしかにそれは私の場合はないです。
香港ですか?上海でお店をやっていて香港出張があるような方…。う~ん、わかりませんねぇ。お店を教えてくださいね。色々教えていただいたのに、伺えないのは罪です。