痛風といえば
プリン体。
 

プリン体といえば、
何故か「ビール」というイメージが先行しています。
 


でも
何故ビールなのでしょう??


904432527 .scoopwhoop.com 


念のために行っておくと 
プリン体とは 

プリンのことではなく、 


top_purin グリコ 




プリン環を基本骨格とする生体物質の総称です。


Blausen_0323_DNA_Purines Wikipedia 


プリン体は 
穀類、野菜、豆類、肉類、魚貝類など、 
日常食べているほとんどの食品に含まれています。 



厚生省の指導者用資料データによると 
肉類・魚介類の50gと 
アルコール飲料50ml 
に含まれるプリン体の量は表のとおりです。

ちりめんじゃこ 373mg
鶏レバー 160mg
いわし干物 153mg
大正エビ 137mg 
あじ干物 123mg 
かつお 106mg 
いわし 105mg 
サラミ 60mg
牛もも 55mg 
はまぐり 52mg 
枝豆  47.9mg
 
ビール(A社)3.43mg 
ビール(B社)2.61mg 
ビール(C社)1.48mg  
地ビール(D社)8.82mg 
日本酒 0.6mg  
ウイスキー 0.06mg 
焼酎 0.015mg 
ワイン 0.18mg  

食べ物と比べると 
アルコール飲料は圧倒的にプリン体が少ないことがわかります。 

仮に 
ちりめんじゃこ50g分と同量のプリン体を 
C社のビールで摂取しようとすると 
12,600mlになります。 
ビールの大瓶にして約20本分を飲まなければなりません。 



この図の左側はプリン体が少なく 
右へ行くほどプリン体の含有量が多くなります。 

prin 厚生省 


ビールが悪者にされているのは、 
痛風が悪化する要因となるアルコール飲料だからでしょう。 

なので、 
痛風が心配で
プリン体ゼロのビールを飲んでも 
ほんの少しの
枝豆を食べたら 
何の意味もないことになります。 




では
食事のプリン体は
本当に
身体に良くないのでしょうか?





米国の公的機関である医療品質研究調査機構(AHRQ:Agency for Healthcare Research and Quality)が、
痛風の治療について 
6,269件の学術論文を分析した結果を発表しています。 

その結果を見てみると、 

痛風の人が、食事のプリン体やタンパク質、アルコールを減らしたり、体重を減らしたりすることで痛風の症状が改善するいう十分な証拠は無かった。
 
痛風の人が、食事内容、節酒、減量の指導を受けることで尿酸値が下がったという十分な証拠は無かった。



この分析結果からすると、 
痛風で厳密な食事療法をした場合でも、 
痛風の症状の改善や予防にはならないという結果が出ました。 





一生懸命にプリン体カットしたビールを飲んでいる人も多いのではないかと思いますが、 
効果がないようです。 




ヨーロッパリウマチ連盟(EULAR:European League Against Rheumatism)
でのガイドラインにも 

生活習慣と食事の改善しても、 
尿酸値にはほとんど影響を及ぼさない。 

 impact of lifestyle and dietary modification has little effect on urate concentrations 
との記述がみられます。 

ただし 
肉の食べすぎや過度の飲酒、甘いものの食べ過ぎは、 
痛風のリスクを高めることも書かれています。 


要は
ビールのプリン体は心配する必要はなく、 
飲み過ぎに注意という
当たり前の結果に落ち着きますね。 



でも
ほんの少しのプリン体が含まれるビールが悪者の代表のように公表されて
ビールばかり叩かれると、

本当にプリン体だらけの食品たちは
まったく世間に認知されなくなります。

なんだか
世の中にも同じようなことがたくさんありますね。

本当に悪いことをした人たちは
世間に知られることもなく
謝罪会見など開きません。


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