天之御中主神
いまはもう、人に合わせるという時代ではありません。自分軸ではなく他人軸であるから、いつもブレるし、振り回されるのです。
「この人がああ言った、あの人がこう言った」「私はこう思うけど、あの人はこう言っている」——そういう生き方からシフトできれば、僕たちは次の段階に行くことができます。
自分軸というのはとても大切です。
自分に意識を戻し、自分の心の声を聴くこと。そうやって生き始めると、次のレベルにシフトすることができます。そこはとても調和のとれた世界です。自分自身の魂へどんどんつながっていくことができるからです。
魂の世界ではすべてがつながっていて、本当に和、調和(大和)の世界です。
人の気持ちを想像するようにというのは邇芸速日命(ニギハヤヒノミコト)の言葉ですが、想像しようとしなくても自然にできるようになるのです。一体となってしまうので、相手は自分、自分は相手になる。だから、想像することは必要なくなります。想像力が必要なのは、そこに至るまでのお話です。でも繋がってしまえばもう、努力なんて必要ありません。それが全く違う次元にシフトするということの意味なのです。
ですから皆さんも、今日から人に合わせるのはやめてください。皆さんは自分の中に叡智や智慧をもっています。だから大丈夫です。
天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)が言うには、「皆さんの思考というものは、すべて私の中にプールされる」のだそうです。皆さんが何かを願ったとき、その願いのエネルギーはすべて天之御中主神の中に貯蔵される、と――そういうのです。
よく感じてみてください。皆さんは自分の願望が叶ったときに、どう思うでしょうか。たとえば家やパートナーが欲しいと思ったとき、本当は何を得たいのでしょうか?
家やパートナーではない、と天之御中主神はいいます。
それを得ることによって、ある特定の波動を感じたいのだ、というのです。
家やパートナーを得ることで満足感を得たい、あるいは自分が愛され、守られているという安心感を得たい、そういう本質が隠されているのだそうです。
この本質こそ、みなさんが得たいものであって、パートナーだとか家だとかの形は、それに付随するものにすぎません。
そして体験したい、叶えたい、想像したいと思ったときのエネルギーは天之御中主神の中にプールされます。もしこれを引き出したいと思ったなら、あなたもいい気分になる必要があるのです。
考えるまでもなく、願いが叶えばいい気分になります。逆に言うと、いい気分になりたいから願いを叶えたいのです。要するに皆さんが願ったことは、天之御中主神の領域の中でずべて創造されていくのです。
この神様は宇宙の根源、源のエネルギーであり、それを具現化したものだそうです。
「われはその具現化なり」というのです。まさに創造のエネルギーそのものです。
すべての人々が想像したものが彼の中にプールされて、そして具現化(創造)されるのを待っているわけです。
宇宙拡大のエネルギー
僕たちは「波長の法則」とか「引き寄せの法則」と呼ばれる宇宙の法則の中で動いています。何かを体験するには、あなたも同等の波長にならなければなりません。
テレビのチャンネルを、あるいはラジオの周波数を合わせるように、自分の望んでいる世界にチャンネルを合わせるのです。願いが叶えられれば気分がよくなります。でも、願ったような形にはならなかったとしても、願った以上は気分よくすごさなければなりません。なぜなら気分を引き上げていけばいくほど、自分が望んでいる波動に同調させやすくなっていくからです。
その結果、天之御中主神の中にプールされているエネルギーを物質レベルへ具現化するプロセスは、どんどん加速していきます。
逆に悪い気分でいたり、気持ちが落ちていたり、不安になっていたりすれば、本来望んでいたはずの方向からは真逆になってしまうのです。
とはいえ、これはとても簡単なことです。
ただ願いを明確にし、その願いの本質を知り、本質としてとらえたものを――仮にいまはまだ形になっていなくても――感じられるように工夫をすればいいのです。
もしもパートナーを得たいという願いが、幸せになりたいという感情からきたものであるならば、たとえばパートナーがいなくても幸せな気持ちにならなければいけません。まずはそれが先なのです。テレビでいえば、リモコンのチャンネル・スイッチを押す作業です。
このチャンネルがあなたの希望で、1チャンネルを望むなら1を、2チャンネルを望むなら2を押す。すごくシンプルなことです。
みなさんが望んだことは全て、天之御中主神のフィールドの中にプールされているわけですから、後はそれを引き出すだけなのです。
これは平和についても同じです。
世界平和を望むなら、まずはあなたが平和にならなければいけません。
「あなた方が想像することは、すべて私の中で具現化する準備を行っている。具現化されるのを待っている」と、天之御中主神はいいます。
幼いころからずっと、天之御中主神の中にたくさんの望みをプールしてきているのだそうです。この望みは、みなさんがいい気分でいさえすれば、どんどん降りてくるだろう、と。
実はこの意識は、自分が創造主であるであるということを知るのと同義である、ということも天之御中主神はいっています。天之御中主神という創造主、この創造主のエネルギーはあなた方の中にも備わっているのだ、と。
ただ、天之御中主神がいる世界の在り方と、僕たち人間が住む物質世界では波動が違うので、細やかな思考のエネルギー、望みのエネルギーが形になって降りてくるまでには時間的なロスがあるのだそうです。そして、このタイムロスを楽しむために、僕たちはこの物理次元である地球という惑星にやってきている、というのです。
確かに向こうの世界にいたときには、意識した瞬間にすべてが具現化していました。だから、プロセスが楽しめないわけです。
そうなると、いつしかだれも何も望まなくなります。
望みがなくなると、何が起こるのか?
宇宙が拡大を止めてしまうのです。宇宙は皆さんが望むことによって拡大している、と天之御中主神はいいます。
ですから、よく「こんなに欲深くなってはいけない」「こんなにたくさん願望を持ってはいけない」といいますが、そんなことはないのです。
天之御中主神によれば、僕たち地球人は、宇宙における創造の意識の最先端にいるのだそうです。どんどん自分の望みを天之御中主神の中にプールし、それを具現化することで宇宙が拡大するのだから、と。
ですからできるだけ大きな夢を持ちなさい、大きな望みを持ちなさい、それを得たときの本質を感じ取りなさい――それが天之御中主神の意志なのです。
みんな誰もが神様だった 並木良和 2018 青林堂