Project Vegaさんより http://www.project-vega.org/2014/03/5_30.html
(1章序文より抜粋) この文章は様々な専門家が、インターネット、テレビ、本などで断片的に論じている出来事を集め、年代別に並べたSFである。可能な限り確実性の高い物的証拠やデータを優先的に集めているが、偽情報やノイズの判断が難しいこともある。特にチャネラーのチャネリングに頼った文章に関しては、本当かどうかは判断が難しい部分なので、この内容を鵜呑みにするのではなく、最終的には自分の頭で考え、確認して、正しいかどうか判断する必要がある。
5章 シュメールとアヌンナキ : 地球人のルーツ
(つづき)
エンキとマルドゥクの月へ旅行--------------------------------------------------------------------------
「金属の町バドディビラの近くに、戦車の場所を建設しましょう。そこから戦車で金をニビルへ直接運びましょう!」
そうバドディビラの司令官であるニヌルタは、彼らに言った。エンリルは、彼の息子ニヌルタの言葉に注意を払った。彼は自分の息子の智恵を誇りに思った。
アヌ王へエンリルはその計画を早速伝えた、彼は次のように言った。
「天の戦車の場所をエディンに建設しましょう、金の原石を精錬・精製する場所の近くにそれを造りましょう。純金を戦車で地球からニビルへ直接運びましょう、ニビルから地球へ英雄たちや供給物資が直接来るようにしましょう!」
「弟の計画はとても素晴らしい!」
エンキは彼らの父アヌに言った。
「その中核に1つ大きな欠点があります。地球の網の引力はラーム(火星)のそれよりはるかに大きいので、それを乗り越えるだけで我々の力は消耗してしまうでしょう!急いで決める前に、代替案を検討してみましょう。地球は近くに伴侶を持っています。月がそれです!網の引力は小さく、そこからの上昇・下降には努力をほとんど要しません。それを中継基地にすることを考えてみましょう。私とマルドゥクにそこへ旅させて下さい!」
アヌ王は2つの計画を御前会議のメンバーたちと賢者たちに提出し考慮させた。
「まず月を調査しましょう!」
彼らは王に助言した。
「まず月を調査しよう!」アヌはエンキとエンリルにその決定を発信した。エンキは大いに喜んだ。というのは彼はいつも月に魅了されていた。どこかに水が隠されているのではないか、どういう大気を持っているのだろう、彼はいつも考えていた。眠られぬ夜、その銀色の冷たい円盤を彼は惚れ惚れしながら観察した。その満ち欠け、太陽と一緒に行っている遊戯、それを彼は不思議な現象の一つとして考えていた。「始まり」からどんな秘密が隠されているのか彼は発見したいと思った。
ロケット船に乗ってエンキとマルドゥクは月へ旅した。彼らは地球の伴侶の周りを3度回り、龍が引き起こした深い傷跡を観察した。多くのくぼみが、粉砕の悪魔の手細工として、月の表面に印されていた。なだらかな丘のある場所に彼らはロケット船を降ろした。その中央に彼らは着陸した。その場所から彼らは地球と、天の広がりを観察した。鷲のヘルメットを彼らは身に付けなければならなかった。呼吸するには大気が不十分だった。楽々と彼らは歩き回った。いろいろな方向に彼らは行った。悪い龍の手細工は乾燥と荒廃だった。
「ラーム(火星)と違います、中継基地としては適していません!」
マルドゥクは彼の父に言った。
「この場を見捨てて、地球へ帰りましょう!」
「息子よ、慌てるでない!」
そうエンキはマルドゥクに言った。
「あなたは地球と月と太陽の天の踊りに魅了されてはいないのか?ここには視界を邪魔するものはない。太陽の居所(いどこ)もすぐ近くに見える。地球は何もない空虚の中にぶら下がっている球のようだ。我々の装置で遠くの天を走査できる。「あらゆるものの創造者」の作品をこの孤独の中で我々は賞賛できる。留まろう、周回を観察しよう、月が地球の周りを回る様子を、地球が太陽の周りをどのように回っているかを!」
そうエンキは、眺めに興奮しながら息子のマルドゥクに語った。父親の言葉にマルドゥクは説得され、ロケット船の中に彼らは住まいを造った。地球の1周の間、月の上で3周の間彼らはそこに残り、地球の周りの動きを測定し、1ヵ月の期間を計算した。地球の6周の間、太陽の周りを12周の間、彼らは地球の年を測定した。2つがどのように絡み合い、輝きを失う原因を作っているのか、彼らは記録した。
それから太陽の方に注意を向けた、ムンム(水星)とラハム(金星)の道を彼らは研究した。
「地球と月と共に、ラーム(火星)は太陽の第2の場所を構成している、6つは「下の水」の天体である。」
そうエンキはマルドゥクに説明した。6つは「上の水」の天体である。かんぬきである「砕かれた腕輪」の向こうに、それはある。「アンシャー(土星)とキシャー(木星)、アヌ(天王星)とヌディンムド、ガガ(冥王星)とニビル」、これがその他の6つである。全部で12である。太陽とその家族は12から成る。
最近の大波乱について、マルドゥクは彼の父に尋ねた。
「どうして7つの天体が一列に並んだのですか?」
そう彼は父親に尋ねた。太陽の周りの回転についてエンキは考えた。彼らの先祖である太陽の周りに大結束している、それをエンキは注意深く観察した。太陽の子孫ではないニビルの動きに従って、大結束の幅の外郭を彼は描いた。アヌ王に因んで「アヌの道」と、エンキはそれを名付けることに決定した。
奥深い天空に広がる数多くの星を父と子は観察し、その互いの距離の近さと星の集団にエンキは魅了された。天の周回に従って、地平線から地平線まで、彼は12星座の像を描いた。大結束「アヌの道」の中の太陽の家族12の各々と彼はペアを作った。それぞれ彼は位置を指定した、それぞれ名前で呼ばれるように。
地球からの初の月面着陸は、エンキとマルドゥクである。米国がアポロで着陸したが、米国の象徴は"鷲(わし)"もしくは“双頭の鷲”で、エンキとマルドゥクがつけた鷲のヘルメットである。米国は、このようなシュメールの史実を知っているのである。だからこそ、シュメールのあったイラクに駐留し、関連資料を根こそぎ略奪している。現在約205ヵ国の国章のうち、鷲一匹が約29ヵ国、二匹の鷲か双頭の鷲は5ヵ国である。また現代だけに限らず、ローマ帝国の時代からも使用され続けてきている。
またエンキは月の満ち欠けに魅せられたので、三日月が象徴である。東洋のお月見は、エンキに端を発するのである。エンキの思想は、東洋で脈々と受け継がれてきた。黄道12星座などもエンキが決めたのであり、歳差運動などもエンキが観測した。
それからニビルが太陽に接近する「アヌの道」の下の天に、帯状の道を彼は作図した。それを彼は「エンキの道」と指定した。その形に基づいて再び12の星座を彼はそれに割り当てた。「アヌの道」の上の天「上の層」を彼は「エンリルの道」と呼んだ、そこでも彼は星を12の星座に集めた。星座は36で、それは3つの道に振り分けられた。
「今後、ニビルが接近し離れるとき、地球から星の位置によりそのコースを知ることができる。太陽の周りを回る地球の位置もそうなるだろう!」
周期の開始、天の時の測定について、エンキはマルドゥクに教示した。
「地球に到着したとき、終わりに近づいている位置を私は「魚の位置」と命名した。私の称号「海の人(彼)」に因んで、私はそう呼んだ!」
そうエンキは満足感と誇りを持って息子マルドゥクに言った。
「あなたの智恵を天は抱擁(ほうよう)します。あなたの教えは私の理解を広めてくれます。しかし地球とニビルでは、知識と支配権は分かれています!」
そうマルドゥクは父親に語った。
「息子よ!何をあなたは知らないと言うのか、何を知りたいのか?」
エンキは彼に言った。
「天の秘密、地球の秘密を私はあなたと分かち合った!」
「ああ、父上!」
マルドゥクは言った。悲痛な声だった。
「アヌンナキがアブズでの苛酷な労働を終え、あなたが原始労働者を造られたとき、援助のために呼ばれたのは、私の母ではなくニヌルタの母ニンマでした。私ではなく私より若いニンギシュジッダが、あなたの援助のために招かれ、あなたは私とではなく、彼らと、生命に関する知識を分かち合われた!」
「息子よ!」
エンキはマルドゥクに応えた。
「あなたにはイギギとラーム(火星)の最高権威者になる命令が与えられた!」
「ああ、父上!」
マルドゥクは彼に言った。
「私達は宿命により最高位を剥奪されています!父上、あなたはアヌの長子(ちょうし)です。しかしあなたでなく、エンリルが法的継承者です。父上、あなたは最初に着水されエリドゥを設立されました。しかしエリドゥはエンリルの領土であり、あなたの領土は遠隔地のアブズです。私はあなたの長子です。あなたの正妻によりニビルで産まれました。しかし金はニヌルタの町で集められ、そこから送るか送らないかによりニビルの命運は彼の手の中にあります。私の手中にはありません。今私達は地球へ戻ろうとしていますが、どういう仕事が私を待っているでしょう。有名になり王位に就く運命にあるのでしょうか、それとも又面目を失墜するのでしょうか?」
エンキは黙って彼を抱きしめ、荒涼とした月の上で彼に約束した。
「私から剥奪されたものがあなたの未来になるであろう!あなたの天の時はやって来る。あなたの位置が私の位置に加えられるであろう!」
■紀元前16万2000年頃
アダマとティ・アマトの子孫たち------------------------------------------------------------------------
バド・ティビラ:金属都市。ニヌルタが司令官として管理している
ラーム:火星のこと。地球とニビル間にある中間ステーションで、主にイギギを住民とする星
打ち出し細工のブレスレット:ニビル星人が「小惑星帯」をそう呼ぶ
原始的労働者を産むというルル・アメル計画は、第一号のアダマと第二号のティ・アマトが誕生することによって、その第一歩がはじまった。しかし、彼らはエンリルによってエディンから追放され、アブズの金の発掘現場に送り込まれた。アブズでは二人とも従順に、アヌンナキに従って重労働を果たしながら多くの子供を産み、家族を増やした。全部で14人になった彼らの子供たちの中には、アブズの発掘現場で働く者もいれば、金属都市のバド・ティビラに送られる者もいた。
ルルにとって、アヌンナキは神そのものだった。その上、彼らはアヌンナキへの絶対的な服従を理解するだけの知能もあった。片やアヌンナキたちの方も、ルルのおかげで労働も楽になり、ニビルへの金の輸送作業も新ルート開発により、スムーズに事が運ぶようになった。
こうしてアヌンナキに平和な日々が訪れると、あちこちでアヌンナキの結婚式や出産ラッシュが始まった。エンキ一族(エンキテ)と、エンリル一族(エンリルテ)の両家も、地上で多くの子孫を増やしていった。しかし純粋な血を守ろうと、異母兄妹同士の結婚、そして政略結婚があちこちで目立った。彼らにとっては、やはり、アヌ一族の純粋な血を引いた子孫をたくさん地上に増やすことが、自らの誇りであり、また喜びでもあった。
地球の総司令官であるエンリルは、このころになると、少しは「ルル・アメル計画」に対する理解も持つようになり、プロジェクトにかかわった研究者たち一同を表彰することにした。かつてニンティがニビル星から連れてきた看護婦の女神たちには、彼女たちの出産の功績を讃えて、勲章が送られることになった。その勲章には、「カドゥケウス(二本の絡み合うヘビ)」が描かれていた。
出産の女神たちは英雄の女神として崇められ、アヌンナキの若き英雄たちが彼女たちを娶(めと)りたいと申し出た。地上ではアヌンナキの縁談話があちらからもこちらからもほころんだ。次々と女神たちは嫁いでいった。こうして2代目のアヌンナキが誕生し、ニビルからの初代を含めると全部でアヌンナキの3世代目が誕生した。
その頃になると地球は再び温度が上昇し、河川の水が急激に増えだした。あちこちの海岸線は姿を消しはじめた。白い雪で覆われていた氷山の頂から雪が溶けだした。溶け水はやがて勢いよく流れ出し、洪水をもたらした。それにつれて地面は揺れ動いた。そのうち、地面の下の方から、ゴロゴロと雷のような音が鳴り始めた。地球が不安定になるのは、またしてもやってくるニビル星の太陽系接近のせいだった。けれどもすでに数十シャルを地球で過ごしてきたアヌンナキは、この現象についてよくわかっていた。
エンリルは、運命の石板を使ってニビル星の接近速度とルートを細かく計算した。対策として彼は、ニビル星の観測がしやすくなるようにと、アブズの南端に天文台を設置することにした。その天文台とその周辺一帯は、エンキの息子のネルガルと、その妻でありエンリルの孫娘にあたるエレシュキガルが管理していた。そこから、地底のゴロゴロという音ははじまった。
中間ステーションであるラーム(火星)からも異常が通告された。その星を全面的に任せられているエンキの長男マルドゥクが、me(メ)のスピーカーを通して、エンキに緊急メッセージを送ってきた。
「ラームが強い砂塵嵐(さじんあらし)に見舞われています。打ち出し細工のブレスレット(小惑星帯)あたりの様子がおかしいです。太陽系で大変なことが起きているに違いありません。至急、緊急体制をとってください!」
この知らせが伝わったころには、地球のあちこちで火山が噴火しはじめた。天からは熱い石が大量に降ってきて地面を叩いた。ニビル接近の影響は地球だけではなく、月やラーム(火星)を含む太陽系のほとんどの星にも影響を及ぼした。深刻な事態を察したエンリルは地球の揺れを、「運命の石板」で予測して、防衛対策に乗り出した。ニヌルタは、エディンにシェムで飛んでいくと、上空から被害状況を都で待っているみんなに、me(メ)のスピーカーで報告した。
「よかった!着陸場はまだ無事です。しかし、山々はまだゴーゴーと火を噴いています!」
マルドゥクもラーム(火星)でも砂嵐がひどくなっていく一方だった。ついに忍耐強かった彼も弱音を吐いてエンキに連絡した。
「もうこれ以上ラーム(火星)での任務は続けられません!どうか父上、地球に戻らせてください!」
マルドゥクは、自分が不利な立場にいることを不服に常に感じていたが、ひたすらエンキの長男としての義務を果たしてきた。彼はいつかエンキに自分の気持ちを伝えたいと思っていたが、ついにその時がようやくやってきた。マルドゥクの怒りは、堰(せき)を切ったダムのようにあふれ出てきた。父エンキにいった。
「弟のニンギシュジッダは私より若いのに、父上はなぜ彼を生命の家の責任者にしたのですか?私のほうが遺伝子工学に関する知識も彼には劣ってはいないはず。なぜ、私ではなかったのですか?あなたは彼に、生と死の秘密の知恵をすべてを譲られました。すなわち、エンキテの宝物のすべてをです。それが私は残念でならないのです!」
エンキは、まだ何かいいたげなマルドゥクを遮って応えた。
「息子よ、そう僻(ひが)むではない!お前にはラームの総司令官という立派な地位を与えたではないか。アヌンナキよりもイギギの数は多い。すべてお前のものではないか!」
「ラームにいることが、私の宿命だとでもおっしゃりたいのですか!」
ますます怒りに燃えたぎったマルドゥクの表情は、殺気が勝っているようになった。するとまたme(メ)のスピーカーの向こう側からエンキがなだめるような声でいった。
「我が最愛の長男マルドゥクよ。私が地球に降りてから、早80シャル(28万8000年)が過ぎようとしている。実に長い時間が過ぎた。たしかにエンリルが言うように、そろそろラームの中間ステーションを廃止せねばならない時が近づいている。お前がそこまでいうならば、私はお前を喜んで地球に迎え入れるよ!戻ってくるがいい。」
エンキはあっさりとマルドゥク地球帰還を許した。マルドゥクは当然だといわんばかりに、
「では父上、後ほど。失敬します!」
と、うわべだけの挨拶をしてme(メ)のスピーカーを切った。ニビル星接近によって、地球と火星を含む太陽系の揺らぎはしばらく続いたものの、ニビルが大きな楕円を描いてまた太陽系から遠ざかり、危機も同時に去っていった。
バド・ティビラ(金属都市)の司令官であるニヌルタはそのころ、バド・ティビラ近郊に大規模な着陸場を建設したいとエンリルに提案してきた。設計図を預かったエンリルはアヌに相談するために一時的に地球を離れ、ニビル星のアカデのアンツの宮殿を訪ねた。驚いたことにエンキも偶然にそこに居合わせていた。実は、エンキは彼より一足先にニビルに到着していて、彼もまた同じようにある提案をアヌにもちかけていた。
「たしかに、金を直接ニビルに運ぶためには、新しい港が必要となってくる。では、その港の名前を、「天への門」と決めよう。必要なものは地球に送るので、早速建設に取り掛かるのだ。」
アヌはエンキにそういった。
「ありがとうございます、父上。そしてこの責任者には、ぜひ私の息子のマルドゥクに任せさせてください。彼は飛行のエキスパートなので、きっと「天への門」をすばらしい着陸所にするでしょう。彼はちょうど先ごろ、イギギたちの指揮官としての役目を終えたところです。何卒ご配慮を!」
エンキはアヌにさらなる要求を加えた。しばらくのあいだアヌは、何もいわずに考え込んだ。
(今、一族の間で、エンリルテとエンキテの対抗心に火がつけば、せっかくニビルが安定期を迎えたというのに台無しになってしまう・・・)
アヌにとっていちばん大切なのは一族の平穏である。ようやくアヌはエンキにこういった。
「息子よ。私は、これをアヌンナキの3世代目のウツに任せたいのだ。その着陸場に隣接した場所には都を築き、金の輸送都市と決めることにしよう。その都を、「シッパル(鳥の都)」と名づけることにしよう。そして、その都もまた、ウツに任せることにする。」
さすがのエンキも想定外の回答が戻ってきたので驚いた。この会話を黙ったまま影で聞いていたエンリルは、自分の孫のウツにアヌが大役を授けたことを喜び、こっそりと地球に還ってきた。
ウツとニビルのシンボル-----------------------------------------------------------------------------------
シッパールの指揮権が与えられたウツのために鷲(わし)のヘルメットが作られ、彼は鷲の翼で飾られた。
シッパールが完成すると、アヌは直接見に来た。祝宴が催され、イルニンニが歌と踊りを披露した。アヌは愛情をこめて彼女にキスし、“アヌの最愛の子(アンニツム)”と呼んだ。アヌが帰還すると、マルドゥクは自分の“空の船”で、地球を良く知るために、国中を放浪した。ラームのイギギの管理も、ウツに任された。
シッパールには、ウツの神殿エバブバラ(光り輝く住宅)があった。そこは文明がシュメールで花開いた時、公正な法律の場所であり、ウツ自身が人々を裁いている姿も残されている。シッパールはシュメールの最高裁判所でもある。ハンムラビはウツの律法を石碑に記したが、それがハンムラビ法典であり、石碑の一番上にはウツが描かれている。
ウツは正義を保証して圧迫を防いだので、“旅行者の保護者”と見なされた。ハンムラビはウツのことをアッカド語で“シャマシュ”と呼んだ。セム語では“太陽”という意味で、ウツは“メソポタミアの太陽”に相応しい神だった。ウツの別名が“バブバル=光り輝く者”であり、光を注ぎ、“天と地球を照らす者”だった。
この名こそが、天照大神の元なのである。そして、ウツが転じてウヅ、ウジとなる。太陽神ウツである。
“ウツ”とは正確には“輝き進む者”の意味で、アッカド語ではシェム・エシュと言う。シェムは“ムーであるもの”=空飛ぶ機械、エシュは“火”なので、シェム・エシュは“火を噴くジェット機、ロケットの男”という意味である。ウツが管理していたシッパールは“鳥”を意味し、宇宙空港だった。
また、シャマシュは“シェムと鷲たちの離発着の場所を管理する神”という意味でもあり、ウツら神々は鷲の紋章を付けた制服を着用していた飛行士でもある。頭の鷲のくちばしのように見えるのはゴーグルである。
その図をA、Bに、併せて着陸地点の印をCに、そして神々の星ニビルの象徴をD~Iに示す。Aは太陽神ウツ。両手首に巻かれたものはBのような図形で、菱形の部分が中高世界、並ぶ3つの菱形が3本の柱を表す「生命の樹」。上部の至高世界には、12人の神々を表す十二紋菊が描かれている。着陸地点の印は大きく見て“丸の中に十字”で、十字の周りは六芒星=ダビデの星をデフォルメした図形である。
そして、アヌはあん=阿吽で、阿(あ)は開いた形で丸、吽(ん)は閉じた形で十字がシンボルなので、“丸の中に十字”は大神アヌとニビルの象徴である。アルファでありオメガ、も同じことである。そして、日の丸も同じである。また米国軍や宇宙飛行士の鷲のマークは、これら粘土板の絵が元だった。
そして、芸能の女神であり、日本最古の踊り子アメノウズメノミコトが天岩戸の前で歌い踊ったことの原型は、イルニンニが大神の前で歌い踊ったことだったのである。
兄のウツ------------------------------------------------------------------------------------------------------
ニンリル:(月の女神)ニンマーがニビル星から連れてきた看護婦。エンリルと結ばれる前は、スドという名
ナンナール:イナンナの父で月の神。エンリルの第一子で王位継承者
ニンガル:ナンナールの妃でイナンナの母。純粋なアヌの血を引くニビル星人
イナンナは語る。
「古代シュメールやバビロニアの文献には、私の兄であるウツは、「法の神」と記録されています。確かに彼は、法の神様として崇められてきました。ただ、私はアヌンナキのヒエラルキーには賛成できません。しかし、私はいつも兄に恋心を抱いていたことは確かです。」
イナンナには双子の兄、ウツがいた。エンリルと正式な妻ニンリル、風の神と風の女神との間に生まれたのが、月の神ナンナールである。ナンナールが月の女神ニンガルと結ばれて生まれたのが彼らである。
ウツはイナンナよりも先に母親の外に出た、ということで兄なのである。ただそれだけが理由で、アヌンナキ社会においては、ウツにはイナンナよりも、ずっと多くの特権が与えられていた。彼が地球総司令官であり、アヌの王位を受け継ぐエンリルテ(エンリル一族)の皇子なのである。
ウツはルルたちに法を教えた。大きな使命を担ったウツの方が、イナンナより条件の良い領土を与えられていたのも当然ではある。けれども、ウツはイナンナのような野心は持ち合わせていなかったので、イナンナは特に兄を相手に戦うこともなく、兄妹仲は良好だった。
そういうことからイナンナは、ウツへの特別な配慮も含めて、いたって封建的で、能力主義ではないアヌンナキの制度に不満を抱いていた。特に領土分配はナンセンスなヒエラルキー(階層)によって歪められていると常々感じていた。そのような理屈に合わない風習自体が気に入らなかった。
(アヌンナキの非合理な習わしにはわたしは従えない!誕生の前後によって左右されるなんて、まっぴらごめんだわ……)
と、イナンナはウツに対して思うこともあったが、しかしウツ自身は、イナンナ同然、月の神と女神の子だけあって美しく、輝くブルーの光に包まれていた。ウツはイナンナよりもおおらかな性格をしていた。
よってイナンナは、ウツに対して敵対心を抱くことはなく、それどころか、恋心を常に抱いていたくらいである。ウツに比べてイナンナのほうは、戦士として男神にひけをとらないほど優秀だった。このようなことからイナンナは、常に能力主義を訴え続けた。
しかしながら、イナンナにとっては どうにもならならないアヌンナキのヒエラルキーがあるおかげで、宇宙の秩序も保たれている、ということも確かであった。
「愛の女神」と呼ばれるイナンナは、とにかく自分の実力を試したかった。どれほどの可能性があるのかを追究することに彼女は夢中になった。野心に燃えるイナンナにことごとくストップをかけるのが、アヌンナキのヒエラルキーであり、それはイナンナの不満を募らせる原因となった。「野心」こそが、イナンナをイキイキさせてくれる源である。けれどもそれによってイナンナは、不幸な結果を生み出すことになる。その血縁関係が悲劇を生み、その終わりなき戦いはルルたちにも受け継がれていった。
イナンナは語る。
「アヌ一族の悲劇が、今のような地球の状況にしたといっても決して過言ではないのです。けれども、この物語を通してシンボルを拾い集め、コードとして読み取ってください。重大なメッセージが託されているでしょう。そうです、いちばんはじめのはじめを知ることによって、さまざまな気づきに導かれます。いろんな謎が解けた暁には、きっと本格的なシフトが訪れることでしょう。そのとき、愛する者たちが住む惑星地球は戻ってきます。まるで電球がついたかのように、あたりはパッと明るくなるでしょう。さらにいえることとしてその光は、太陽系全体を明るくし、銀河系にも連鎖して照らし輝くでしょう。今まで暗かったこの世界がぱっと明るくなる・・・これをあなたは体験します。」
(つづく)