南向きのバルコニー

訪れる鳥たち、空に浮かぶいろいろな形の雲、木々の表情・・・
徒然なるままに日々のことを綴っていきたいと思います。

河鍋暁斎を観に行く

2015年08月04日 | 芸術


幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
狂っていたのは、俺か時代か 画鬼 暁斎展

浮世絵師、画家の河鍋暁斎の展覧会を
三菱一号館美術館に観に行ってきました。

東京丸の内のオフィス街にある美術館は、とても素敵な作りで、
緑のアプローチを歩いて進んで行きます。







暁斎(きょうさい)は、幕末から明治にかけて活躍した
異才の画家です。

今回の展示は、親交のあった建築家コンドルとのコラボ。
コンドルは、旧帝国ホテルの設計で有名ですが、
この建物、三菱一号館も手掛けています。

英国人建築家と、当時の人気絵師との間に、
いったいどんな関係があるのでしょうか。

自らを「画鬼」と称し、繊細かつ大胆、ユニークで型にはまらない絵を
次々と生み出していった驚きの絵師、暁斎。

その画風、姿勢に惚れ込んで
弟子になった英国人建築家コンドル。

暁斎の死まで続いた親密な交流。

コンドルの絵も何点か展示されていましたが、
外国人が描いたとは思えない純然たる日本画で、
腕前も相当なもの。
特に、コンドルが師、暁斎を書いた絵は、暁斎の人格がにじみ出ていて、
秀逸でした。

暁斎に関しては、いろんなエピソードがあるのですが、
その中でも面白いのは、
御殿女中の着物の帯の柄を細密に書きたくて、
その後を追いかけて行って、ひんしゅくをかった
というもの。

当時、御殿に仕えている女の人の着物は、
庶民の着るのと違い、生地も柄も上質で、素敵なものだったのでしょうね。
どうしても細密に写生したかった暁斎。
でも、筆と紙を手にした男に後をつけられ続けた女性は
きゃ~!ってなものですよね。

当時の政権を諷刺するような絵を描いて、
牢屋にも入っています。


暁斎の絵は100点以上展示されていましたが
私の一押しはこれです。

  美人観蛙戯図


華やかな着物を着てすましている美人画ではなく、
蛙たちが戯れている様子を愛おしそうに眺めている女性のさりげない美しさを描いたもの。

古今東西、こんな絵を描く画家がいるでしょうか。

蛙の相撲を眺めている美人画なんて。

暁斎は蛙が好きだったようで、たくさんの蛙を登場させています。
子供の時、初めて写生したのも蛙だったそうです。

そんなことからも、親近感がわいて、
ますます暁斎のことが好きになりました。


 東京丸の内 三菱一号館美術館
   9月6日まで





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