「トキメキ☆成均館スキャンダル」を観終わりました。
このドラマもすっかり気に入ってしまいました。
以前「イ・サン」を観たので、前回観た「ぺク・ドンス」や「風の絵師」も
当時の正祖が置かれた状況や人物関係が理解できるので、とても面白いと思いました。
今回観た「トキメキ☆成均館スキャンダル」はチョン・ヤギョンが成均館の
博士(パクサ)として登場しているので、正祖が治世したうちの後期である
ことが分かりました。
「イ・サン」ではチョン・ヤギョンはホン・グギョンと入れ替わるかのよう
に登場してきます。
こうした時代の流れが分かったうえで観るドラマは本当に面白いです。
「イ・サン」を観た時にこのチョン・ヤギョンが稀代の天才といわれるほど
の実力をもっていた朝鮮史上最高の実学者だと知りました。
そして、京畿道水原にある華城(ファソン)の設計と施行に携わり、
大きな功績を残し、漢江に舟を並べて橋を架け、築城の時に挙重器
(現代でいうクレーン)を開発したことが有名であると知りました。
(以下、Webより抜粋)
■丁若鏞(チョン・ヤギョン) 1762年~1836年
朝鮮史上、最高の実学者として名高く、正祖治政の文臣(政治家)
幼少の頃からその天才ぶりを発揮し、4歳で250句の古詩からなる漢詩読本
『千字文』を読みこなし、7歳で漢詩をつくるという神童ぶりをみせたという。
身分的には“両班”という当時の朝鮮では支配階級の出身だったが、
少年時代から身分制度の不合理や社会制度を良しとする儒教には疑問を持っていた。
ちょうど正祖の腹心の臣下だった洪國栄が失脚した後に頭角を現し、
正祖の政治改革を支える役を担う。
1783年に初試に合格し成均館に入学する。
その後1789年、科挙に首席で合格し、その優秀さは第22代正祖にも認められるほど
だったという。
1790年朝廷内で力のあった老論派によって流罪となるが正祖の計らいで11日後には
復職している。
ドラマの中で、このチョン・ヤギョンと花の四人衆のそれぞれのセリフが
とても印象に残るものばかりでした。
1話でキム・ユンシクとイ・ソンジュンが初試で出会うのですが、
この時に、ユンシクがソンジュンの衣に痛烈な批判を書きます
「有識ゆえ 気概もあるが 民の事情には疎い
学識で米を買うものが盗賊なら 権力を買う者は忠臣か
こんな未熟者に力を与えれば 人を害するだけ
偉大な盗賊となる者がいれば それは私だ」
それを見たチョン博士がソンジュンに
チョン博士:ところで、それは新手の挾書(ヒョプソ)か?人を害する未熟者とは君か?
挾書(ヒョプソ) ※試験場にこっそりと書物を持ち込むこと。今で言うカンニングペーパー
と言います。
イ・ソンジュンはこの時にキム・ユンシクの文才を見抜き、忘れられずに探し、
ユンシクに無理やり科挙を受けさせます。
この科挙の試験でユンシクが書いた下記の答案を正祖が気に入り、
成均館に入学するようにと王命を下します。
ユンシク:古文を覚えるほど知識はあるが、その知識をもって巨擘(コビョク)をするために来た
断念したので法に背いた罪人ではないが仁の心に欠けるゆえ 宮仕えする資格はない
巨擘(コビョク) ※代わりに科挙を受けること。今で言う替え玉受験
イ・ソンジュンの思惑どおりとなり、ここから成均館の生活が始まっていきました。
4話でチョン・ヤギョンは新任の博士(パクサ)として成均館で「論語」の講義をするのですが、この時に
「為政者」 君子不器(君子は器にならず)
型にはまった器ではない
真理を求めるなら 偏見にとらわれず 自由でなくてはならない
「学而」 学則不固(学べばすなわち固くならず)
狭い知識は思考の幅をせばめ 人を頑なにする
よく学び 柔軟な頭で真理を探求せよ
チョン博士:しっかり学んで 民に還元せよ
民のよりよい明日と新たな朝鮮を夢見るのが
君たちの義務だ
食べさせてもらっている分は しっかり働こうぞ
と言います。
そして、授業をただ一人批判したイ・ソンジュンに可(トン)を与え
チャン博士:知識は問いの中にある
師とは取るに足らぬ存在だ
自ら問う者は 自ら答えを得る
それがイ・ソンジュンの可の理由だ
論語とは堅物の老人と利口な弟子たちが
如何なる世を作るかを論じ合った
批判は自由だ 存分に論じ合おう
と言って、講義を終えます。
ユンシクも、初めて男と同じように学びの場について、学ぶことの面白さに
楽しさを感じていくのでした。
続く・・・
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