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中ごく、ウイグル族を遠方で働かせ「同化」進める 大がかりな施策が判明
2021年3月13日
ジョン・サドワース、BBCニュース、ペキン
[画像説明]
中ごく国営テレビが2017年に放送した、ウイグル族の就労にともなう遠距離移動の報道では、当時19歳のブザイナップさん(左)を取り上げた。
中ごく政府は西部・新疆で暮らすウイグル族など数十万人の少数民族を、自宅から遠く離れた場所で新たな仕事に就かせており、それが少数民族の分散につながっている――。そんな状況が、BBCが確認した、中ごく政府上層部に報告された研究で浮かび上がった。
中ごく政府は、新疆の人口構成を変えようとはしていないとしている。また、別の土地での仕事をあっせんしていることについては、人々の収入を増やし、地方の慢性的な失業と貧困を改善するためだと説明している。
だが今回確認した証拠からは、中ごくのそうした施策は強制の色合いが濃く、生活様式と思考を変えることで少数民族を同化させようとの狙いがうかがえる。これは近年、新疆で建設された、再教育のための収容施設でもみられることだ。
この研究は、政府高官が見ることを前提としたものだったが、誤ってインターネットに載せられた。その結果、政府のプロパガンダや関係者へのインタビュー、中ごく各地の工場への訪問などを基にした、今回のBBCの調査報道の一部となった。
BBCの報道は、移住させられたウイグル族の労働者と、欧米の2つの有名ブランドの関係性についても質問を投げかけた。そうした関係性はすでに世界的なサプライチェーンに組み込まれており、その広がりに対し、多くの国が懸念を強めている。
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自発的な申し込みはゼロ
新疆南部の村の平原で、干し草が集められている。ウイグル族の家族が昔から囲んできた低い台が置いてあり、その上に果物や平らなパンが並べられている。
のどかな光景だが、タクラマカン砂漠を吹き抜ける生暖かい風は、不安と変化も一緒に運んでくる。
中ごく共産党系のニュース放送局は、この村の中心部で赤い旗の下に座る、当局者の一団を紹介している。旗は、4000キロ離れた安徽省での仕事をPRするものだ。
記者のナレーションは、2日たっても1人の村民も就職の申し込みに現れず、そのため当局者らが家々を1軒ずつ訪ね始めていると伝えている。
続いて、非常に強烈な映像が現れる。ウイグル族やカザフ族、その他の新疆の少数民族を、往々にして自宅から遠く離れた土地の工場労働や手作業に就かせようという、政府の大がかりなキャンペーンの一場面だ。
「他の人も行くなら」
映像が放送されたのは、この施策が本格化し始めた2017年だ。だがこれまで、外国の報道機関に取り上げられたことはなかった。
映像では、当局者たちが父親に話しかけている。父親は、娘ブザイナップさん(当時19)を遠く離れた土地に送り出すのを明らかに嫌がっている。
「行きたいという人が他にいるはずだ」と父親は訴える。「私たちはここでやっていける。このまま生活させてほしい」。
当局者らはブザイナップさんに直接語りかける。このままここにいれば、そのうち結婚し、ここから出られなくなるぞと伝える。
「よく考えろ。行くか?」。当局者らは尋ねる。
当局者と国営テレビ記者たちに凝視されるなか、彼女は首を横に振り、答える。「行きません」。
しかし圧力が弱まることはなく、ついに彼女は涙を流しながら折れる。
「他の人も行くなら、行きます」
[画像説明]
ブザイナップさんのニュース映像が外国メディアで取り上げられたことはなかった。
映像は、母親たちと娘たちの涙あふれる別れの場面で終わる。ブザイナップさんや、同じように「集められた」新規労働者たちが、家族と故郷の文化を後にする瞬間だ。
英シェフィールド・ハラム大学で人権と現代の奴隷について研究するローラ・マーフィー教授は、2004年から翌年にかけて新疆で暮らし、それ以降も訪問し続けている。
「この映像は注目に値する」と教授はBBCに話した。
「中ごく政府は、人々が自主的にこれらのプログラムに関わっていると言い続けている。だが、この映像からは、抵抗が許されない強制的な制度であることがはっきりわかる」
「もうひとつ見て取れるのが、隠された動機だ」とマーフィー教授は説明した。「政府側のストーリーとしては人々を貧困から救うというものだが、生活を様変わりさせ、家族を引き離し、住民をばらばらにし、言葉を、文化を、家族構成を変えようとする力が働いている。それは貧困を減らすよりも、増やす結果を招きやすい」
「同化させるために重要」
新疆に対する中国政府のアプローチの変化は、歩行者と通勤者を襲った、2件の残虐な事件に端を発している。2013年に北京で起きた事件と、2014年に昆明で起きた事件だ。中ごく政府はウイグル族のイスラム教主義者と分離主義者が引き起こしたとしている。
施設への収容と遠方での就労という両方の施策の中心にあるのが、文化とイスラム信仰に対するウイグル族の「古い」忠誠心を、「現代的な」物質主義的アイデンティティーと、共産党への強制的な忠誠心に置き換えようという、中ごく政府の意欲だ。
[動画説明]
中ごくの「思想改革」収容所 「犯罪予備軍」を教化
ウイグル族を中ごくの多数派である漢族の文化に溶け込ませるという最大のゴールは、新疆における労働移動施策に関する、中ごくの綿密な研究で明らかにされている。この研究は中ごく政府の幹部らで共有され、BBCも中身を確認した。
2018年5月に新疆省和田地区で実施された現地調査に基づくこの研究報告書は、2019年12月に誤ってオンラインで公開され、数カ月間後に取り下げられた。
執筆したのは、天津市の南開大学の学者グループだ。大規模な労働者の移動については、「ウイグル少数民族に影響を与え、融合させ、同化させるために重要な方法」であり、ウイグル族に「考えの変質」をもたらす点でも大事だと結論づけている。
また、ウイグル族を居住地から引き離し、地域内の別の土地や、国内の別の省へ移住させることで、「ウイグル族の人口密度は低下する」としている。
[画像説明]
ブザイナップさんは安徽省にある繊維関連会社・華孚の従業員寮に入れられた。
この報告書は、中ごく国外で暮らすウイグル族がオンラインで発見。米首都ワシントンの共産主義犠牲者記念財団のシニアフェロー、エイドリアン・ゼンズ博士に連絡した。
南開大学が間違って公開したことに気づく前に、ゼンズ氏はウェブ上のアーカイブサイトに報告を保存。さらに、自らの分析を記し、英語の全文訳も載せた。
「これは、新疆への高度なアクセス権をもつ有力研究者と元政府関係者が書いた、前例のない、信頼できる情報だ」とゼンズ氏はBBCに話した。
「私が見るところ、この報告のもっとも衝撃的な告白は、対処が必要な余剰人口が存在し、ウイグル族の中心都市に労働者が集中するのを軽減する方法として、労働力を移動させているということだ」
ゼンズ氏の分析の中には、米ホロコースト記念博物館の元シニアアドバイザー、エリン・ファレル・ローゼンバーグ氏の法的見解が含まれている。ローゼンバーグ氏は今回の「南開報告」について、強制移動と迫害という人道に対する罪が犯されたことを示す「信頼できる根拠」を提供するものだとしている。
中ごく外務省は、文書による声明を発表。「報告書は筆者の個人的見解が反映されたものに過ぎず、中身の大部分は事実に沿ったものではない」とした。
「ジャーナリストには、新疆について報じる際、中ごく政府が発表した信頼すべき情報を基礎に置いてもらいたい。
中ごく政府の施策に「行き過ぎ」との警告も
南開大学の報告書の筆者らは、職場において「自発性の約束」が示され、工場が労働者の「自由な退職や復職」を認めることで、貧困との闘いが進められていると称賛している。
ただそうした見方は、施策が実際にどう機能しているかに関しての、筆者らの詳述と合致しない。
この施策には達成すべき「目標」が存在する。例えば和田地区だけでも、研究が実施された時点で、労働力人口の5分の1にあたる25万人を送り出している。
目標を達成するよう圧力もかかる。「すべての村に」募集事務所が設置され、当局者らには「集団動員」と「家庭訪問」が命じられた。19歳のブザイナップさんのケースはまさにそれだ。
また、すべての段階で、統制が行われていることを示す証拠が見られる。寄せ集められた人は全員、「政治思想教育」を受けてから、団体で工場へと移送される。多いときは1度に何百人も送り込まれ、「政治指導者が安全確保とマネージメントのために引率する」。
自分の土地や家畜を置き去りにしたくない農家は、留守の間に管理する政府のプログラムに、それらを差し出すよう奨励される。
新しい工場の仕事に就くと、今度は労働者らが、寝食を共にする当局者による「集中管理」の対象になる。
報告書はまた、こうした制度の中心に存在する深刻な差別が、効率的な働きを妨げているとしている。中ごく東部の警察は、大勢のウイグル族が列車でやって来ることに恐怖を覚え、押し返すこともあるという。
報告書はところどころで、中ごく政府の新疆における施策に対し、行き過ぎだったかもしれないと警告を発してさえいる。例えば、再教育施設に収容されている人々の数は、過激主義との関連が疑われる人々の数を「はるかに超えている」と指摘している。
「ウイグル族の全人口が暴徒だとは想定されるべきではない」と報告書は記す。
米企業「強制労働容認しない」
繊維関連会社の華孚は、中国東部・安徽省の淮北市にある、陰鬱(いんうつ)な工業団地の端に位置する。
国営テレビで取り上げられたブザイナップさんが送り込まれたのは、この工場だった。
BBCが訪ねた時、独立した5階建てのウイグル族の寮は、開け放たれた窓のそばに置かれた1組の靴を除いて、人が住んでいる気配はほとんどなかった。
門にいた警備員は、ウイグル族の労働者らは「家に戻った」と説明。国の新型コロナウイルス対策が原因だと話した。華孚はBBCの取材に、「当社は現在、新疆の労働者を雇っていない」と声明を出した。
BBCは、華孚製の糸で作られた枕ケースが、アマゾンUKで売られているのを確認した。ただそれが、訪問した工場や、同社の関連施設と関係がある物なのかを確かめることはできない。
アマゾンはBBCに、強制された労働者の使用は容認せず、同社のサプライチェーン基準を満たさない製品を見つけた場合、販売は取りやめていると述べた。
BBCは中ごくを拠点とする国際ジャーナリストらのグループと連携し、計6カ所の工場を訪れた。
画像提供,NATHAN VANDERKLIPPE/THE GLOBE AND MAIL
画像説明,
広東省にある靴メーカー・東莞緑洲鞋業の工場の入り口
広東省の靴メーカー・東莞緑洲鞋業の工場では、ウイグル族の従業員らは独立した寮と専用の食堂を使っていたと、労働者の1人が話した。別の地元民は、同社が米スケッチャーズの靴を製造していると話した。
この工場は以前、スケッチャーズと関係があるとされた。製造ラインでウイグル族の労働者がスケッチャーズの靴を作っている場面だとする真偽不明の動画が、ソーシャルメディアに投稿されたのだ。また、オンラインの中国の企業電話帳でも、関係性がうかがえた。
スケッチャーズは声明で、「強制労働は一切容認しない」と述べた。だが、東莞緑洲鞋業を供給業者として使ったのかという質問には答えなかった。
一方、東莞緑洲鞋業は、コメントの求めに応じなかった。
この工場でのインタビュー取材からは、ウイグル族の労働者らが余暇時間に自由に外出できた様子がうかがえる。しかし別の工場では、証言はもっと微妙だった。
少なくとも2件の取材で記者らは、いくらかの制限が存在していたと聞いた。武漢市の工場では、漢族の中ごく人従業員がBBCに、200人近いウイグル族の同僚らは外出を全面的に禁止されていたと話した。
画像提供,NATHAN VANDERKLIPPE/THE GLOBE AND MAIL
[画像説明,]
東莞緑洲鞋業の工場労働者の寮
ブザイナップさんが村を去り、政治教育訓練を受け始めた姿を紹介してから3カ月後、中ごくの国営テレビ局は、安徽省の繊維関連会社・華孚にいる彼女を再び取材した。
その様子を伝える報道の中心にあるのは、やはり、同化というテーマだ。
ある場面では、ブザイナップさんはミスを叱られ、泣きそうになる。しかしその後、彼女には変容が起きていると説明が入る。
「何も言わず、じっと頭を下げていた気の弱い少女が、職場で自信をつけつつある」とナレーションは言う。
「ライフスタイルが変わり、考えも変わってきている」
プロデューサー:キャシー・ロング
(英語記事 Chinese study reveals Uighur 'assimilation' goa)
中ごく政府の施策に「行き過ぎ」との警告も
南開大学の報告書の筆者らは、職場において「自発性の約束」が示され、工場が労働者の「自由な退職や復職」を認めることで、貧困との闘いが進められていると称賛している。
ただそうした見方は、施策が実際にどう機能しているかに関しての、筆者らの詳述と合致しない。
この施策には達成すべき「目標」が存在する。例えば和田地区だけでも、研究が実施された時点で、労働力人口の5分の1にあたる25万人を送り出している。
目標を達成するよう圧力もかかる。「すべての村に」募集事務所が設置され、当局者らには「集団動員」と「家庭訪問」が命じられた。19歳のブザイナップさんのケースはまさにそれだ。
また、すべての段階で、統制が行われていることを示す証拠が見られる。寄せ集められた人は全員、「政治思想教育」を受けてから、団体で工場へと移送される。多いときは1度に何百人も送り込まれ、「政治指導者が安全確保とマネージメントのために引率する」。
自分の土地や家畜を置き去りにしたくない農家は、留守の間に管理する政府のプログラムに、それらを差し出すよう奨励される。
新しい工場の仕事に就くと、今度は労働者らが、寝食を共にする当局者による「集中管理」の対象になる。
報告書はまた、こうした制度の中心に存在する深刻な差別が、効率的な働きを妨げているとしている。中ごく東部の警察は、大勢のウイグル族が列車でやって来ることに恐怖を覚え、押し返すこともあるという。
報告書はところどころで、中ごく政府の新疆における施策に対し、行き過ぎだったかもしれないと警告を発してさえいる。例えば、再教育施設に収容されている人々の数は、過激主義との関連が疑われる人々の数を「はるかに超えている」と指摘している。
「ウイグル族の全人口が暴徒だとは想定されるべきではない」と報告書は記す。
米企業「強制労働容認しない」
繊維関連会社の華孚は、中国東部・安徽省の淮北市にある、陰鬱(いんうつ)な工業団地の端に位置する。
国営テレビで取り上げられたブザイナップさんが送り込まれたのは、この工場だった。
BBCが訪ねた時、独立した5階建てのウイグル族の寮は、開け放たれた窓のそばに置かれた1組の靴を除いて、人が住んでいる気配はほとんどなかった。
門にいた警備員は、ウイグル族の労働者らは「家に戻った」と説明。国の新型コロナウイルス対策が原因だと話した。華孚はBBCの取材に、「当社は現在、新疆の労働者を雇っていない」と声明を出した。
BBCは、華孚製の糸で作られた枕ケースが、アマゾンUKで売られているのを確認した。ただそれが、訪問した工場や、同社の関連施設と関係がある物なのかを確かめることはできない。
アマゾンはBBCに、強制された労働者の使用は容認せず、同社のサプライチェーン基準を満たさない製品を見つけた場合、販売は取りやめていると述べた。
BBCは中ごくを拠点とする国際ジャーナリストらのグループと連携し、計6カ所の工場を訪れた。
画像提供,NATHAN VANDERKLIPPE/THE GLOBE AND MAIL
画像説明,
広東省にある靴メーカー・東莞緑洲鞋業の工場の入り口
広東省の靴メーカー・東莞緑洲鞋業の工場では、ウイグル族の従業員らは独立した寮と専用の食堂を使っていたと、労働者の1人が話した。別の地元民は、同社が米スケッチャーズの靴を製造していると話した。
この工場は以前、スケッチャーズと関係があるとされた。製造ラインでウイグル族の労働者がスケッチャーズの靴を作っている場面だとする真偽不明の動画が、ソーシャルメディアに投稿されたのだ。また、オンラインの中国の企業電話帳でも、関係性がうかがえた。
スケッチャーズは声明で、「強制労働は一切容認しない」と述べた。だが、東莞緑洲鞋業を供給業者として使ったのかという質問には答えなかった。
一方、東莞緑洲鞋業は、コメントの求めに応じなかった。
この工場でのインタビュー取材からは、ウイグル族の労働者らが余暇時間に自由に外出できた様子がうかがえる。しかし別の工場では、証言はもっと微妙だった。
少なくとも2件の取材で記者らは、いくらかの制限が存在していたと聞いた。武漢市の工場では、漢族の中ごく人従業員がBBCに、200人近いウイグル族の同僚らは外出を全面的に禁止されていたと話した。
画像提供,NATHAN VANDERKLIPPE/THE GLOBE AND MAIL
[画像説明,]
東莞緑洲鞋業の工場労働者の寮
ブザイナップさんが村を去り、政治教育訓練を受け始めた姿を紹介してから3カ月後、中ごくの国営テレビ局は、安徽省の繊維関連会社・華孚にいる彼女を再び取材した。
その様子を伝える報道の中心にあるのは、やはり、同化というテーマだ。
ある場面では、ブザイナップさんはミスを叱られ、泣きそうになる。しかしその後、彼女には変容が起きていると説明が入る。
「何も言わず、じっと頭を下げていた気の弱い少女が、
職場で自信をつけつつある」とナレーションは言う。
「ライフスタイルが変わり、考えも変わってきている」
プロデューサー:キャシー・ロング
(英語記事 Chinese study reveals Uighur 'assimilation' goa)
(👨中ごくにより、
「手に職を就(つ)けられたことで、
ウイグル人に自信が付き、
ライフスタイルや考えかたが変わってきている」とあるが、
そのことだけを見れば
良いことなのかもしれない。
しかし現実は、
中ごくはウイグル人にジェノサイドを行っていることは絶対に許されない。
中ごくは、ウイグル、チベット、南モンゴルを
民族浄化などせずに
人権を重んじながら
職業訓練だけをするべきだ。
ウイグル人の皆さんも
中ごくのプロパガンダ的な
卑怯なやり方に騙されずに
自分の民族がジェノサイドされていることを
忘れてはいけない。
問題は、
「他の人も行くなら
私もそうする」
という、となり、周囲の人の考えに
よく考えもせず、
すぐに同調してしまう精神だ。
「こちらを選択したら、こうなる。
しかし、
そう選択しなければこうなる」かもしれない
という、
いくつかのパターンを想像できる者に
ならなければいけない。
となりや周囲にすぐ同調してしまう考え方は
戦争というおそろしい事態にも直結する。
👩なんか日本の、ほんのちょっと前の時代の、
親が娘に
「早くお嫁に行きなさい❗」
と責め続けて、
娘が実家に居にくい話を思い出す。
「お前がお嫁に行ってくれないと
おとうさんとおかあさんは
ご近所さんに対して恥ずかしい。
『あんたんとこの娘はまだ結婚してない嫁(い)き遅れだ❗
アハハ❗』と噂され笑われるのが
非常に恥ずかしい❗
お前がまだ嫁(い)かないから、
妹もまだ嫁に行けないじゃないか❗」
「そうよ❗お姉さん、早くお嫁に行ってよ❗」
みたいな。
娘が嫁に行く行かないと、
親が世間に恥ずかしいのと
何も関係ないじゃない❗
👧たとえば、山本有三の代表作である小説、
🎥📖『路傍の石』(ろぼうのいし)では、
主人公の吾一ちゃんが、丁稚奉公が嫌で
実家に帰って来ると、
母親が「おっかさんのために
奉公先に戻っておくれ❗
そうでないと、おっかさんが長屋で
村八分になってしまうから❗」
という理不尽な説き伏せかたをする。
吾一っちゃんの幸せと、
おっかさんの考える幸せは別なものなのに、
くっついてしまっているところが問題。
そして、長男・長女みたいな
優しく責任ある人たちが
家族や親戚のために
言うことに従う。
ウイグル人は中ごく人ではないけれども
人間は、特に中ごく国民と日本人は、
仲間はずれにされることをひどくおそれる民族であると、
中ごくの文筆家の魯迅さんと、
日本の文筆家の内田 樹さんと、
加藤周一さんが述べている。
中ごくは人間の弱みをよく勉強していて、
それを使って政策を行使しているのだろう。
中ごくは賢いのだから
その賢さを悪事などに転用せず、ぜひとも
地球の未来に使っていただきたいと願う。
👧国会でそう言ってくれたらかっこいいなあ❤️
👨「行け、行け❗行ってくれないと
私たちが困るんだ❗」
という考えかたの周囲、
親や家族、
町内会みたいな近隣の
コミュニティーの人たちの
集団的な考えかたが
まずいけない。
本当は、
ウイグルでも、
反対する人たちでまず一つの集合体を作り、
ガンジーのように
非暴力・非服従の精神で
断固として反対していかねばならない。
👩それは、
中ごくは強権だから難しいかも知れないけれど、
最初の、始まりのところでもっと
踏ん張っていれば、
ウイグルは今のような惨状には
ならなかったかもしれない。
今言っても遅いが。
そのことは、
ウイグル・ジェノサイドについて告発する
本のなかでも、
ウイグルのかたが反省されている。
騙されたと。
👨しかし日本は民主主義なのだから、
となりの人の意見に
すうっーと、何も考えず
(=思考回路を経由せず)
軽率に同調することは
あまりにも無知すぎる。
無知だと、騙し騙されるため、
非常に危険である。
👴そうしてその
思考回路を構築するためには、
やはりさまざまな本を読んだり、
社会情勢に耳を傾け続けることが重要である。
ウイグルの明日は我が身(日本)だから。
👩以下、添付します。
映画監督 考 No.4
山田洋次監督 より
こうして見てくると、山田洋次という作家が、いかに落語や大衆演劇といった芸能にこだわり、そこから映画の材料となるものを取り上げているかという事がよくわかる。
しかし、これはなにも山田洋次の独創性のなさなどではなく、こうした大衆によく知られたものの形を借りることで、より幅広い層の共感を呼ぼうとする彼独特の手法なのである。
いまだに企業内監督の立場を守り、映画を作り続けている彼にとって、売れる作品を作ることは何よりも必要な条件であり、使命なのである。
そして、それを可能にしているのは、こうした手法を身につけた彼ならではの姿勢にある。
「映画館で、ぼくの作品を観ている観客が、どっと笑いころげたり、感動したりしているときに感じる作り手である自分と、受け取り手である観客が一体化しているなという幸福感がぼくを成長させてくれます。」と彼は言う。
また「ぼくらの仕事というのは、ぼくらの内部にあるものを観客に提示する、なんていうんじゃなくて、大衆の中にあるイメージをぼくらが探り当てて、形にしてみせる、ということだと思います。」とも言っている。
彼のエッセイ集「映画館(こや)がはねて」の中に、彼の子供時代の印象的なエピソードが出てくる。
彼の父親は、満鉄に勤めるエンジニアで、その仕事の関係で、彼が二才の時に満州に移り住み、終戦を迎えるまで、奉天、ハルピン、新京、大連などを転々とした。
❇️家族と奉天に暮らした小学二、三年生の頃、山田洋次の家に、❇️ふみさんという若いお手伝いさんがいた。
ある時、山田は、ふみさんに連れられて映画を観に行った。その時観たのが田坂具隆監督の❇️「路傍の石」であった。
❇️この映画は山田少年に強い印象を与えたが、しかしそれ以上に、この映画を観ながら、ふみさんが、その白い頬を涙でベショベショに濡らして声をあげんばかりに泣いていた姿が、強い印象を残した。
「幼くして両親を失い、見知らぬ他人の家を転々としてめぐり歩く吾一少年の悲しい運命はふみさんにとっては、けっして他人事ではなかったに違いない。
映画というものは、そのように、まるで声をあげんばかりに観客を泣かせるほど、強い訴える力を持つものだということを、少年の私は痛切に思い知らされたのだった。」
この出来事は、山田洋次監督の精神形成に大きな影響を与えたにちがいない。
また、彼の創作の原点のひとつといってもいいものだろう。
彼の映画は、一部の好事家に向かって発信される類の映画ではなく、まさに、このふみさんのような人々に向かってなされる映画だと云える。
独善的なもの、ひとりよがりの強いもの、主張の強すぎるものは、彼の資質ではなく、多くの人に知られた通俗的なものの形を借りることで、自然な形で、彼の作家性を発揮しようとする。
👩Same Old Blues.
いつまでも自分の環境と不運を
嘆くはがりではいけない。
いつまでも吾一の奉公先の社長さんや
女将さんや、番頭さんや、丁稚たちのままではいけない。
時は日本の明治時代。
『路傍の石』からの発見は、
まず、奉公先のお嬢さんがプライベートルームを持ち、
当然のように英語教育を受けているところ。
ここでもう、お嬢さんと吾一の格差は一目瞭然、
見るも無惨だ。しかし、
吾一っちゃん自身が勉強が大好きで、
学びたい気迫があることに希望がある。
それと、吾一っちゃんに
「貧しくとも何とかして学び続けろ」
と教える優れたメンターがいること。
何か成し遂げたいことがあるなら、
同じ考えのグループを作って
勉強会をしながら発信するか、
勉強して、それなりの地位について発言する。
マララさんの言う『教育と✒️ペン』とは
そういうことだ。
マララさんはパキスタンの大統領になるという
目標を持っている。メンターは英国やアメリカだろう。
字が書けないことは
字が読めないことで、
理不尽な内容が
わざと難しい言葉で小さな字で
びっしりと書かれている契約書類に
それが契約書類だと分からないまま
判子(はんこ)を押すことになる。
👨また、教育というものは国それぞれで、
答えが1つである数学や科(化)学は
みな等しく学んでいるはずなのに、
出来上がってくる人間はというと、
アメリカ人と、
日本人と、
中ごく人のように
それぞれ違う。
なぜ同じ教育を受けているのに、
中ごく共産党や習氏のような
人物が出来上がってしまうのか❔
それは、世界共通の、
「どんな人間にも基本的人権がある」
ということと、
人として、
首相として、
企業として、
国として、
世界の一員として暮らすための
倫理・道徳を学んでいないからではないか⁉️
さあ、今日の夕刻までにでも解決したい
逼迫した問題が山積みだ。
まず、『ウイグル・ジェノサイド』の万里の長城を突破したい。
地上から遠路はるばる行かなくとも
ドローンのような空からの撮影作戦もある。
👧空からか❗
👩気象兵器で災害を起こし、そのすぐあとにケムトレイルで催涙ガスを撒き、人々を眠らせているうちに無人飛行機による空輸で何千万台とい小型スマホを都心部に撒き、回収が追いつかないうちに、大衆に見たり読んだりしてもらい、自分たちはマトリックスの内側に居て、外側に本当の世界があるんだということを知ってもらう。
👨それじゃあ、災害で人が死んでしまうよ❗
ママ、死人は出さないでよ❗
👧国民は、たとえばマララさんの国のようなの❔
👨とても頭脳明晰だよ。都心部には大学生もたくさんいるよ。
ただ、愛国心が強すぎて、弁も立ち、
なかなか自国の真実を見ようとしないんだ。
👧ふうん、それは困った。
何か洋画であったね❔
👨ジム・キャリー主演の
🎥『トゥルーマン・ショー』。
👩キアヌ・リーブス主演の🎥『マトリックス』。
👨中ごくの国民もうすうすは感じてるんだ。
でも、経済だけは民主主義(儲けてよい)だから
政府の言うことに従って思考停止していれば生きられるし、
政治自体が強権だから反発は出来ない。
香港みたいになっちゃう。次は台湾。次は……。
👧しかし、思考停止は苦しいよね。)
祖国の未来のために
中●の民主化と憲政の確立を目指す壮大な過程のなかで、私は一個の取るに足らぬ存在だ。本書の物語もまた、中●の変革を推し進めんと努力する幾千幾万の人々の物語に過ぎない。
だが、微力非才の私ではあれど、本書で描いた旅路において自分が注ぎ込んだ良心と勇気については、やはり多くの人々に伝えておきたいと考えている。
私の身はいまだに危険のなかにある。わが身が中●の社会矛盾を解決することに、一定限の歴史的な限界性があることも承知している。だが、それでも自分のおこないには多くの積極的な意義が存在することを信じている。
現代政治の基礎は政党政治だ。中●には共産党と全面的に対抗する政党勢力が欠けている-。これは私の長年にわたる考えだった。
わが中●における野党的勢力の欠如は、もちろん前述した現代史上の経緯も問題である。だが、民主化運動に参加する我々自身の側にも多くの問題が存在する。これは中●国内の民主化支持者のみならず、国外に逃亡した多くの活動家たちも含めた問題だ。
中●の民主化を目指す政党の主張はしばしば具体性に欠け、ゆえに内外の大衆への呼びけの力が弱い。また、中●共産党に永年の政権保持を可能ならしめた一因である「統一戦線工作」-党外組織へのオルグや宣伝などの工作活動も、民主化党派の間では率直に言ってゼロに近い(共産党によるこの統一戦線工作がかなりの部分において成功を収めていることは、中●と「友好」関係を築いている外国各国の政府や組織の多さを見れば明らかだろう)。
中●の民主的な体制改革への道はまだまだ遠い。ゆえに多くの人々によるこの偉大な事業への参画が必要だ。もちろん、これには私たちのようなプロパーの活動家のみならず、中●共産党体制内の政策決定者や現場の政策実行者たちの参加も歓迎する。全中●の民衆が心を合わせて力をひとつにしてこそ、自由で民主的な憲政中●の建設が可能となるのだ。
願わくは異国の読者諸氏も、今後の私たちの姿にいくばくかのまなざしを注いでいただければ幸いである。
わが祖国の民主化のために奮闘する、国内外の友人たちに本書を捧ぐ。
20○○年○月○日
○○○○国内の某所にて
○○○
📖「暗黒・中●」からの脱出
逃亡・逮捕・拷問・脱獄
○ ○○著 安田峰俊[編訳] 文春新書1083
腐敗しきった習●平独裁体制に声を上げた若きエリートは、たちまち弾圧の対象となる。度重なる逮捕と拷問に耐え、彼は自由と民主化のために仲間たちと逃亡を続ける。凄まじい人権侵害と闘い続ける若者群像を描いた現代の『水滸伝』❗
👨ノンフィクション❗
ノーベル平和賞を受賞した、パキスタンのマララさん。
頭を狙撃されたマララさん。
彼女のしたこと(いままで誰にもできなかったこと)は、
『永遠』という言葉の意味がわからない自分の生まれた国の国民と首相に、
『永遠』という言葉の意味が示すことがわからない発展途上国の国民と首相に、
『永遠』という言葉が警鐘することがわからない先進国の国民と首相に、
『永遠』とは『どんなに時が経っても変わらない重要で大切なもの』であり、
それは自分にとって大切なものを守ること。
守るということは
奪われたら『知恵』により取り返すこと。
取り返すためには、取り返すまでは自分の目的を
絶対にあきらめないこと。
あきらめないためには『大きな強い愛情』が必要で、
マララさんは、
たとえば自分の頭を射ぬかれながら、
アンデルセン作の『雪の女王』の主人公の
ゲルダのように、
カイ自体がゲルダにとって『永遠』そのもののカイを
探し求めてとうとう自分の胸の中に奪い返したゲルダとマララさんは同じなのです。
『永遠』とはきっと、
人間の基本的人権のことだと思います。
基本的人権がないロシア(ソ連)の芸術家たちが作ったアニメーション『雪の女王』はすばらしいです。(アナ雪どころではありません。)
そして、自分の力で、
自分の命までもを賭けて
カイ(『永遠または基本的人権』)を探そうとするマララさんやゲルダに、
人間という人々は
思わず応援したくなるのです。