📖『目に見えぬ侵略 中●のオーストラリア支配計画』
クライブ・ハミルトン 著
山岡鉄秀 [監修] 奥山真司 [訳]
Silent Silent invasion
CLIVE HAMILTON
飛鳥新社
推薦の言葉
「中●が他国をどのように影響下に置こうとしているのかを知りたければ、まず本書を読むべきである。本書はオーストラリアの未来にとって重要な意味を持っている。オーストラリアにおける中●の影響力行使ネットワークや、その世界的な影響工作のネットワークが解明され始めた」
ジョン・フィッツジェラルド教授(『大きな白いウソ:中国系オーストラリア人たち』Big White Lie:Chinese Australians in White Australia の著者)
日本語版へのまえがき
北京の世界戦略における第一の狙いは、アメリカの持つ同盟関係の解体である。
(👩そうなんだ❗👧知らんかった❗)
その意味において、🇯🇵日本と🇦🇺オーストラリアは、🇮🇳インド太平洋地域における最高のターゲットとなる。
(👶魚(獲物)じゃないやい❗)
北京は日本をアメリカから引き離すためにあらゆる手段を使っている。北京は日米同盟を決定的に弱体化させなければ日本を支配できないことをよく知っている。主に中●が使っている最大の武器は、貿易と投資だ。
(👩輸出入をやめて工場などの参入を引き上げよう❗
👨そんなこと、すぐには無理だよ。
👧そんな悠長なことを言っているから手遅れになるのよ❗)
北京は「エコノミック・ステイトクラフト」(経済的国政術)というよりもむしろ「エコノミック・ブラックメール」(経済的脅迫)の使い手であり、中●と他国との経済依存状態を使って、政治面での譲歩を迫っているのだ。
すでに日本には、北京の機嫌を損なわないようにすることが唯一の目的となった財界の強力な権益が存在する。
(👩そうなんだ❗)
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
中●共産党率いる中●との貿易と投資に関する協定が日本にとって「毒杯」となりうる理由は、まさにここにある。
北京は、増加する中●人観光客や海外の大学に入学している中●人学生たちを通じた人的な交流さえも「武器」として使っており、中●に依存した旅行会社や大学を、自分たちのために働くロビー団体にしている。
貿易や投資の他にも、中●は海外での政治的な影響力を獲得するために技術面での依存関係を利用している。だからこそ北京は、世界の国々でふぁーうぇいに5Gネットワークを構築させようとしているのだ。ふぁーうぇいがサイバー空間を通じたスパイ活動に使われていることを示唆するケースは世界中で報告されている。
しかし、西側諸国の担当者たちは、いざ紛争になった時に、北京がふぁーうぇい危機を使って通信ネットワーク-当然ながら交通、電気、そして銀行などのネットワークも含む-を遮断して相手に障害を与える可能性の方を心配している。
たしかにこれは単なる可能性の話ではなく、武力紛争が近くなれば、ほぼ確実に起こるものとみられている。習●平国家首席の「軍民融合」を推進する計画には、中●の民間企業を人民解放軍の軍事的シナリオ構想に組み入れることも確実に含まれている。
日本では、数千人にものぼる中●共産党のエージェントが活動している。彼らはスパイ活動や影響工作、そして統一戦線活動に従事しており、日本の政府機関の独立性を損ね、北京が地域を支配するために行っている工作に対抗する力を弱めようとしているのだ。
その一例として人民解放軍の外国語学校の卒業生が、長年にわたって日本で貿易会社を隠れ蓑として運営しているケースがある。彼は日本国内で、人民解放軍の士官学校出身者で構成される広範なネットワークに所属しており、中●共産党の海外工作機関と秘密裏に連絡をとりあっている。彼は徐々に、影響力を持つビジネスマンや保守的な政治家たちとのコネづくりを進めており、ビジネスマンや芸術家、ジャーナリスト、そして役人などを中●に訪問させて「中●の友」となるように育てるのだ。すると彼らは次第に「中●の視点」から世界を見るようになり、日本に帰国すると公私にわたって「両国は密接な関係をつくるべきであり、北京を怒らせるようなことは何であっても日本の利益にならない」と主張しはじめる。
この二国の長く困難な歴史的な関係において、北京は日本のリーダーたちと友好関係を求めつつも、憎悪に満ちた反日ナショナリズムの突発的な盛り上がりを認可するような矛盾に陥ることが多い。中●国民の間で反日憎悪を維持することは、中●共産党にとって政治的にも大きな価値がある。なぜなら、党の正当性は排他的な愛国主義の感情を扇動して利用できるかどうかに大きくかかっているからだ。国家的な屈辱の感情を維持できる限り、中●共産党は自分たちを「中●の人民の尊厳を守るためきの担い手」と見せかけることができる。ただし中●共産党は、当然ながら中●人民の尊厳と権利を毎日踏みにじっており、しかも最も残酷な形で行っていることも多い。新疆ウイグル自治区におけるウイグル人やその他のテュルク系を収容する広大な強制収容所は、その典型的な例だ。
(👨👩そうだ‼️「中●共産党は、当然ながら中●人民の尊厳と権利を踏みにじっている」のだ‼️「しかも最も残酷な形で行っていることが多」く、「新疆ウイグル自治区におけるウイグル人やその他のテュルク系を収容する広大な強制収容所は、その典型的な例だ。」‼️)
それでも中●共産党は自らを省(かえり)みることなく、西洋の社会主義に対する真摯な意識を利用することで、中●人自身に対して行われた歴史的な蛮行を冷酷に利用してきた。これは「中●」への同情を獲得するため、そして日本の外交努力を阻害するために実行されたのだ。西側の多くの政治家や、善意を持った白人の活動家たちはみすみすこのワナにかかってしまい、自分たちは自国で中●系市民との連帯感を示すために活動していると信じ込んでしまっている。
北京は西側諸国の間を仲違い(なかたがい)させるように積極的に活動している。だからこそドナルド・トランプ大統領の孤立主義と同盟国との仲違いは、貿易戦争にも関わらず、中●共産党の野望にとって、またとないチャンスとなっているのだ。北京の共産党の戦略家たちは、2020年後半にトランプ大統領が再選されることを望んでいるはずであり、その選挙運動を隠れて支援しているものと思われる。アメリカ大統領も同じように中●側からの工作をはねのけようとしている。したがって北京にとって最大の脅威は、アメリカで思慮深い戦略的なアプローチを採用した人物となる。ただし本稿が書かれている時点では、習●平の頭を最も悩ませているのは、新型コロナウイルスだ。
ヨーロッパはアメリカという偉大な同盟国から突き放されたと感じており、その同盟相手を中●にシフトさせる危機に直面している。イギリスはすでにその方向で動いており、これは世界における民宿制度や人権にとっておける民主制度や人権にとって大きな危機となるだろう。われわれは非常に大きな力を持った、世界覇権国になろうと決意している専制国家に直面している。あなたにアメリカが世界で果たしている役割について何らかの批判があるとしても(そして3のうちの多くは実際に深刻なものだが)、習●平率いる中●は、自由を信奉する人々にとって、はるかに悪い選択肢となるはずだ。
2020年2月 クライブ・ハミルトン
(中略)
第13章 自由の価格
本書のメッセージは、中●史家で共産党研究を専門とする香港大学の著名学者、フランク・ディコッター教授から私が受け取ったEメールのことにに、簡潔にまとめられている。
①中●共産党は構造的にレーニン式の一党独裁国家のままである。
②他のレーニン式の一党独裁国家と同様に、国内外で自分たちに反対してくる全てのものに対処するための組織と哲学(プロパガンダ)の両方を持っている。それが中央統一戦線部だ。
③レーニン式の一党独裁国家は常に公約(別の言葉では「ウソ」だ)を掲げるのだが、それは具合が悪くなったら常に破棄(はき)される。これはつまり、彼らの主張することはほとんどを真剣にとる必要がないということだ。
④(中●共産党は、)容赦ない。国内外のあらゆるすべての反対勢力に対して、容赦なく弱体化させようとしてくる。実際のところ、中●共産党にとって、中●国民には「外国」というものは存在しない。これらのすべてはリベラルな民主主義国家にとってはあまりにも相容(あいい)れないものであり、中●人以外の人々には理解できないものだ。これはまるで一人のボーイスカウトの少年が(映画ゴッドファーザーに出てくる)ドン・コルレオーネと取引をするようなもねさのだ。
(中略)
より本質的なことを言えば、なぜわれわれは中●を苛立たせることに怯えているのだろうか❔なぜわれわれは、段々と好戦的になるこの国が、自分たちに影響力を及ぼすのを許してしまったのか❔本書でも論じたように、一つの要素がその他の要素を圧倒している。(👨中●を今のようにさせてしまった一番大きな理由とは、)
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
1980年代からわれわれは経済を最優先事項にしてしまい、
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
経済にすべての犠牲を捧げなければならないという者に力を持たせてしまったのだ。
💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀
この犠牲のなかには、自由な国としての国家の主権も含まれている。
本書を書き始めた時点では、私(👧クライブ・ハミルトン氏)は中●が🇦🇺オーストラリアで地位向上を図る試みを、下手で自滅的なものであると考えていた。
(👩自滅的ではなかった❗
👴中●、手強い。恐るべし。)
北京の報道官やメディアでの発言は、執拗でわめきちらすタイプの、冷戦時代を再現するようなものであるため、(👩中●の)評判を落とすことになると思っていた。ところが私が次第に気づいたのは、北京の、オーストラリア側の認識を変化させようとする作戦が、極めて効果的に実行されているということだった。
批判者のほとんど沈黙させたり、海外に逃げた移民たちを懐柔(かいじゅう)したりすることにくわえ、北京は影響力の強い親中派の声をオーストラリアのエリートやオピニオンリーダーの間に獲得することに成功したのだ。
メディア、そしてビジネス界や政治家たちの間でも、最も声が大きいのは親中派か、ゆう和を要求する人々となった。
オーストラリアの大学の学者たちの間では、自己検閲が頻繁に行われている。オーストラリアのコミュニティ全般で、中●への好意的な視点の獲得を推進する北京の計画により、中●人の友好や資金に釣られた個人や組織が次々と陥落している。
💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀