南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

22.11.16 NHK News WEB:アルテミス計画ロケット打上げ成功

2022年11月16日 | 地球/宇宙
22.11.16 NHK News WEBの以下のURLの記事のようにアルテミス計画ロケットの打上げに成功とのことですので,記事を記録しておきます.
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221116/k10013892651000.html

アポロ計画以来の月探査「アルテミス計画」 ロケット打ち上げ
2022年11月16日 15時57分


宇宙飛行士の月への着陸を目指す国際プロジェクト「アルテミス計画」で、月までの試験飛行を行う無人の宇宙船「オリオン」を搭載した大型ロケット「SLS」=「スペース・ローンチ・システム」が日本時間の16日午後3時47分ごろ、アメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げられました。

このあと順調に進めば、オリオンはSLSから切り離され、月を周回して地球に戻るおよそ25日間の試験飛行を行う予定です。

◎ケネディ宇宙センター周辺には多くの観光客
半世紀ぶりの宇宙飛行士による月探査の第一歩となるロケットの打ち上げを一目見ようと、ケネディ宇宙センターがあるフロリダ州ケープカナベラルや、その周辺には多くの人が集まっています。

ケネディ宇宙センターが見える公園には、打ち上げ時刻の8時間以上前からキャンピングカーなどで大勢の人がやってきて、双眼鏡やカメラで発射台の方向を見たり、写真を撮ったりして打ち上げを待っていました。

このうち、イギリスから打ち上げを見にきたという男性は「月探査への第一歩が見られるのは一生に一度の機会です。将来、超重量級のロケットや宇宙船が誕生する可能性があり、とても興奮しています」と話していました。

また、中西部オハイオ州から車で20時間かけてやってきたという夫婦は「ここに到着したら、どんどん気分が盛り上がってきました。たびたびカウントダウンの途中で延期されましたが、3度目の正直で成功すると思います」と興奮した様子で話していました。

地元の観光当局によりますと、今回の打ち上げに合わせておよそ10万人の観光客がこの地域を訪れると見込んでいるということです。

◎今回打ち上げ予定の「SLS」とは
今回打ち上げられるNASAのロケット「SLS」は小型衛星を10機搭載する予定でそのうち2機が日本の探査機です。

2機のサイズは1辺がそれぞれおよそ11センチ、24センチ、37センチといういわゆる“超小型”で、いずれも地球の近くで分離されたあと自力で月へ向かいます。

JAXAによりますと、打ち上げが延期になったあと、先月13日に2機ともにバッテリーの充電を行うなど、必要な作業を終えているということです。

◎月面着陸を目指す探査機は「OMOTENASHI(オモテナシ)」
このうち「OMOTENASHI」は今回の打ち上げで唯一、月面着陸を目指す探査機です。

日本はこれまで、月面に着陸した実績がなく、成功すれば、旧ソビエト(1966年)、アメリカ(1966年)、中国(2013年)に続く4番目となります。

「OMOTENASHI」は、ロケットから分離されたあと探査機が持つガスジェットを噴射して、月に向けて軌道を修正。そして、月に降り立つ直前に、着陸態勢に入るため、向きを変えるとともに、探査機そのものを回転させながら姿勢を安定させます。

大気のある地球と異なり、パラシュートを開いて減速することができないので速度を落とすための固体ロケットを進行方向に噴射。時速をおよそ180キロまで落として月に衝突させます。

探査機にはあらかじめ、衝撃を吸収する緩衝材を入れるなど、複数の対策が施されていて、まさに月に「体当たり」で着陸する計画。成功したかどうかは、地球に送られる電波で確認することにしています。

「OMOTENASHI」はミッションとして、月面着陸のほか、月に向かう軌道に入った後、被ばく線量を1分ごとに計測する予定で、有人での月探査活動に備えて、放射線環境に関するデータを集めることにしています。

月面に降り立つことができれば、世界最小の月面着陸機になるということで、注目されます。

◎月の裏側に回り込む探査機は「EQUULEUS(エクレウス)」
もう1つの探査機「EQUULEUS」は、JAXAや東京大学などが共同で開発。地球からは見えない月の裏側に回り込む計画です。

そのエリアには、月と地球の引力に加えて、探査機の遠心力が釣り合う「ラグランジュ点」と呼ばれる場所が5か所あり、この周辺にある軌道に入ると、最小限の燃料でとどまり続けることが可能です。

この特性を生かすことで、将来、月へのアクセスや、火星探査の重要拠点となる「宇宙港」の建設場所になりうることから「ラグランジュ点」は宇宙開発上の重要な場所だと位置づけられています。

「EQUULEUS」は、この場所に効率よく到達することが目的で、ロケットからの分離後は、推進剤に水を使い、1年半ほどかけて月の重力を使うなどして軌道を変えながら月の裏側にある「ラグランジュ点」に向かう計画です。

そして、有人での月や周辺探査に重要な地球周辺の放射線環境や、月にぶつかる隕石の撮影などに挑戦することになっています。

超小型の探査機は開発のコストやハードルが低く、今後も活用の機会が増えると期待されることから、JAXAは月面着陸や航行に必要な技術を実証し、将来の科学探査の可能性を広げるねらいです。
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22.8.3 ロシア世論調査「太陽が地球のまわりを回っている」35%が信じる

2022年08月03日 | 地球/宇宙
22.8.3 以下のURLの朝日新聞デジタル記事によりますと,ロシア国民の世論調査で「太陽が地球のまわりを回っている」と35%が天動説を信じているとのことです.
https://www.asahi.com/articles/ASQ826R69Q82UHBI03G.html?iref=comtop_7_07

有料記事のため同記事で読める部分のみの画面コピーを貼っておきます.


「ガガーリンの有人宇宙飛行」などを世界で初めて実現した科学先進国のはずのロシアのような国で,非科学的な天動説が広がっているのはショックです.ロシア正教の影響でしょうか.

わが国でも,こうした科学の基本的知識に関する世論調査を実施して確認することが望ましいでしょう.記事にした朝日新聞には至急の国内世論調査の実施を望みたい.特にどす黒い宗教団体が政界などを数十年にわたり蝕んできた日本の科学知識力の実態を知るためにも.

わが子の「サタンって土星のことだね」でマインドコントロール解けた母親

2022年07月16日 | 地球/宇宙
2022.7.16 わが子の「サタンって土星のことだね」といわれて,悪徳教団によるマインドコントロールが一気に解けた母親がいました.

土星は,ラテン語: Saturnus、英語: Saturnなんですよね.なぜかカタカナのサタンといわれると恐怖で固まってしまう日本人が多いようです.難しい説得技術よりも,幼稚園児の無邪気で科学的な一言が,一発でマインドコントロールを溶かす威力があるようです.

今の幼稚園では英語で太陽系・惑星のことを教えているようで,大人気で児童は覚えてしまうようです.
「サタンって土星のこと,土星の輪はきれいなんだよ.ジュピターが木星だよ」くらいの科学的知識はポピュラーです.

無邪気な幼児たちこそが,悪徳教団を日本列島のサタン恐怖症を一掃するのに役立つのでしょう.
日本列島から悪徳教団と悪徳政治家を一掃してしまいましょう.



この神々しいほどの圧倒的な土星とその環の写真の前では,下賤な悪徳教団は,恐れ多くて惨めに,しおれこむしかないであろう.

22.7.6 七夕を前にして補強,夏の星座・冬の星座は光学天文専売,電波天文・衛星測位では無関係

2022年07月06日 | 地球/宇宙
22.7.6 七夕を前にしての補強のブログ記事です.
さて「夏の星座」・「冬の星座」という用語は光学天文専売なんです.電波天文・衛星宇宙測位ではこうした用語は現れません.
以下のURL記事にて歳差PresessionのアニメGIFをご紹介しましたが,


この左の周期26000年の北極星歳差のすりこぎ運動が,なぜ数千年前に福島から南十字星が見えたという説明になるのかの理由が,理解できないとのご意見を聴きましたので,上の右図のように周期26000年の北極星歳差の様子を.追加補強しておきます.(国立天文台の暦Wikiから補強図面をお借りしました.)
現在の北極星位置(こぐま座α星付近)から見ますと,約5千年前(紀元前3千年前)には黄道の北極を中心として,図の左部の方のりゅう座α星に約90度の歳差していたことが分かります.このりゅう座α星の位置を北極星となるように地球を自転させると,福島から南十字星が,ある季節の夜間に正の仰角でしっかり見えたということになるわけです.

(2022/6/26)「なぜ縄文人は、南半球を代表する南十字星を見ることができたのか」
https://blog.goo.ne.jp/qzss/e/863c4d43977e0bf91d80c975064e024b

これは一般の方に「冬の星座」・「夏の星座」という用語・概念が幼年期から染み込んでいるからだと気づきましたので,説明をしておきます.これは古代からの光学天文の長い伝統知識によるものです.たとえば冬の星座といえば巨大なオリオン星雲が南天でよく知られています.

しかしこうした季節による星座の伝統的な知識は,肉眼ないし光学天文での観測常識なんですね.実は電波天文の世界では年中同じ星座の配置が地球の自転により見えています.同じ恒星時であれば年中同じ方位・仰角に「電波星座」や例えばオリオン星雲などが見えています.

ところが電波天文学では昼と夜の区別などはありません.電波天文観測者は24時間フル稼働で観測業務をしています.ところが古代からの肉眼や光学による天文測定は夜間しかできません.ここのギャップに秘密があったわけです.

現在でも、北緯25度付近の沖縄や小笠原(おがさわら)諸島では夜間南中時に南十字星全景が見られますが,5000年前なら、季節を選べば、自転軸の傾きと北極星歳差の角度のベクトル合成により、当時の夜間の南中時ならば南十字星全景が北緯37度の福島でも見えたという結論が得られるわけです。

興味深い点は、公転面に対する地球自転軸の傾き23.5度と、北極星歳差軸の傾き角は、ほぼ同じ角度であることです。

22.3.11 米国AFRL深宇宙ハイウェイパトロールシステム(Cisluner Highway Patrol System CHPS)

2022年03月11日 | 地球/宇宙
22.03.11 中国の月面探査計画の進展に対応するために,米国AFRL(米国空軍研究所)は,深宇宙ハイウエイパトロールシステム(Cisluner Highway Patrol System CHPS)の構築を進めていると,以下のURLの記事は述べています.
https://www.afrl.af.mil/News/Photos/igphoto/2002556344/mediaid/4752579/


20世紀までの米国の月面探査計画は,米空軍用語である「深宇宙Deep Space」という用語で守備範囲に含められてきました.しかし21世紀に入って,米国は空軍組織とは別に,米国宇宙軍という組織を創設したので,深宇宙Deep Space用語では当然宇宙軍の守備範囲の用語とみなされることなってします.そこで地球から月面までの守備範囲の用語としてCisluner(地球-月間)という用語を使い始めている.Deep SpaceではなくCislunerであれば,Space(宇宙)という単語は含まれていないので,空軍の守備範囲の調査研究計画に含めることができると考えたのであろう.

日本ではまだ,こうした宇宙自衛隊の具体的な守備範囲は不明確であるので,Deep Space(深宇宙)でもCisluner(地球-月間)でも構わないが,今後Cisluner(地球-月間)という用語が飛び交うことになりそうであるので,本記事ではCisluner(地球-月間)を使ってゆきたい.

上記URLの空軍研究所の記事では,米空軍は特に「静止軌道と月の間」のCisluner偵察衛星の守備範囲を,現在より距離は10倍、領域は1000倍広くとって,強力な望遠鏡を搭載して精密監視する計画を進めているとのことです.

静止軌道レベルの測位衛星であるIGSOやQZSが,この守備範囲の実時間測位の機能を果たすことが期待されていることとなります.
日本のQZSSは,月面探査計画での衛星測位面での貢献を期待されていますから,Cisluner深宇宙ハイウェイパトロールの進展に対応してゆく必要があるでしょう.


NASA 2015年7月16日15時50分から20時45分の月が太平洋上通過アニメ公開

2022年02月10日 | 地球/宇宙
NASA が毎日公開している深宇宙気候観測衛星DSCOVRが取得した印象的映像の1ショット:2015年7月16日15時50分から20時45分の月が太平洋上通過アニメが、改めてニューズウィーク日本語版にて公開されました。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/02/cg-2.php


太陽系空間の中の地球と月の裏側の写真です。太陽は多分手前側にいるのでしょう。日食時に近い映像なのではと推測されます。こういう空間イメージをもって、QZSSやIGSOを記録してゆかねはと改めて思いました。

太陽風の観測を主なミッションとして地球から100万マイル(約160万キロ)の軌道を周回するアメリカ海洋大気庁(NOAA)の人工衛星「DSCOVR」(ディスカバー:深淵宇宙気候観測衛星)には、アメリカ航空宇宙局(NASA)の地球多色撮像カメラ(EPIC)が搭載されている。この400万画素のCCDカメラと望遠鏡は常時、地球をとらえ、毎日13~22枚の画像を撮影している。

これまでにEPICは、その裏側を見せながら地球の手前を通り過ぎる月の姿も撮影した。NASAでは、2015年7月16日15時50分から20時45分にかけて月が北米大陸近くの太平洋上を通過した様子を映したアニメーションを公開している。

EPICは、赤・青・緑の単彩の画像を30秒ごとに撮影し、これらを結合して、地球の自然な色を生成する仕組みとなっている。これら3枚の画像を撮影する間に月が移動するため、3枚の画像を結合すると、月の右側に緑のオフセット、左側にわずかな赤と青のオフセットが発生してしまう。アニメーション上で地球を横切る月の形状がやや不自然なのは、このような原因によるものだ。

NASAは、EPICが撮影した画像を毎日、ウェブサイトで公開している。

21.12.18未明 (再掲)本州のくびれ:若狭湾・琵琶湖・関ヶ原・濃尾平野・伊勢湾

2021年12月18日 | 地球/宇宙
2021.12.18 午前3時JST頃(再々掲)本州のくびれ:若狭湾・琵琶湖・関ヶ原・濃尾平野・伊勢湾
再び、この週末は本州のくびれ:若狭湾→琵琶湖→関ヶ原→濃尾平野→伊勢湾を意識させられている。日本海側に大雪を降らせている降雪積乱雲が次々と本州のくびれを抜けて伊勢湾まで勢いを失っていない。
https://earth.nullschool.net/jp/#current/wind/surface/level/orthographic=-223.60,38.42,1840/loc=137.181,33.955
によれば、


tenki,jpによれば:2021.12.18 02:30JST現在:

tenki,jpによれば、これにレーダ写真を重ねると

とのことです。

いよいよ日本列島は真冬になりました。





21.11.5 カニバリズム爆発による太陽嵐が電力網に影響,ペンシルベニアでオーロラもGPSにも影響か

2021年11月05日 | 地球/宇宙
https://www.space.com/cannibal-cme-solar-storm-aurora-satellite-impacts-november-2021によりますと,
カニバリズム太陽爆発による太陽嵐が電力網に影響を与え、ペンシルベニア州にまでオーロラをもたらし,GPSにも影響か,との記事が流れています.


(http://swnews.jp/ 宇宙天気ニュースより)

久しぶりに地球/宇宙カテゴリに書き込みました.

2021.5.5 中国長征5Bロケット制御困難巨大デブリ、5.8落下地点が不明

2021年05月05日 | 地球/宇宙
2021.5.5 以下のSpace.comなどの多数の情報では,中国の長征5Bロケットが制御困難の巨大デブリとなって地球に5月8日にも大気圏から地球表面へ落下するとのこと。落下地点が直前まで予想は困難とのこと。上記からヘッダー写真をお借りします。
https://www.space.com/china-space-station-rocket-launch-debris-falling


本日のN2YOサーバが極端に混み合っていまして、本ブログのQZSS/IGSO画像データ取得が困難となっています。上記記事等の巨大デブリ落下の報道が、N2YOサーバへのアクセスを困難にした原因だったようです。

以下に
https://www.n2yo.com/?s=48275の軌道図をシンプルと縦拡大図で記録しておきます(2021.5.5.16JST)。






2021 2/24 日本列島周辺の海底地形と大陸棚の大きなギャップ

2021年01月24日 | 地球/宇宙
2021 2/24 以下のようなGoogle地図写真で日本列島周辺の海底地形図を見たときに感じた海底地形と大陸棚の大きなギャップ感を記録しておきます。

当方はVLBIでプレート運動の研究を長年してきたので、プレート境界の海溝などの変化の激しい海底地形図ばかり見慣れてきました。改めて大陸棚を含めたGoogle写真地図を見て、中国大陸周辺の変化の無いモノトーンの海底地形は驚きました。


中国側が地理情報を閉鎖しているため、海底情報を十分に公開していないために、こうしたあまりにもモノトーンの地図平面になってしまっているのではと、一瞬考えてしまいました。

しかし「東シナ海」で検索すると、東シナ海は深いところでも深度は200m以下で、平均深度は180mと分かって、驚きました。この海底モノトーンは情報非公開のためではなく事実と分かりました。当方の頭の中の地理情報の極端な非対称性が引き起こした誤解だったことが分かりました。

天変地異の激しい日本列島に住んでいると、地震も極めて少ない大陸地塊というものを、当然ながら実感として理解することが困難なのでしょう。

アジア近隣諸国でも天変地異環境がこれだけ違うと、相互理解がなかなか困難である理由のひとつが分かったように思います。いまはネットが繋がっていれば、こうした地図情報を容易に入手できるので、気になったら自分で調べてみることが非常に重要だと改めて驚きました。