南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

25.2.5 今冬最強の寒波今週一杯続く QZS-6赤旗記事 だいち,DSN,Strix N2YO軌道 25/02/04の IGSO/QZS衛星軌道群アニメGIF

2025年02月05日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
25.2.5 今冬最強の寒波が襲来し,今週一杯は寒気の列島への流入が続く予報となっています.十分に気をつけましょう.

QZS-6はインクリ大きめのGEO軌道に配置されます.日本の測位衛星計画にとっては,QZS-6には2つの重要点があります.



第1の要点は同様にGEO衛星であったQZS-3が,未だにGNSS受信測位対応スマホでは,唯一受信できていないQZS衛星であることです.このブログでは,その無念さをくどいほどに繰り返し記述してきました.

この点については,QZS-3 GEO衛星がスマホで受信が不能で多くの受信ユーザが残念がっているということなどを学会発表などで指摘してきました.しかしその都度,受信出来ないのはスマホチップセットメーカ側の問題だなどと責任転嫁されてきました.

今回の新QZS-6 GEOが素直にスマホで受信が確認できればよいですが,不安が的中して,同じ誤りを繰り返しては一大事なので,再度チップセットメーカへの連絡指示の重要性を指摘しておきます.もしスマホでQZS-6が受信できないとなると,TVやネットのニュースでQZS-6衛星はスマホでの測位高精度化に重要というメッセージを多数繰り返し宣伝してきていますので,期待していた納税者から事前宣伝と違うではないかと,強い不満・クレームがでるでしょう.これではQZS-6への大寒波となります.是非ともこれを防ぐ必要があります.

当然ですが,欧州ガリレオ衛星系でも中国北斗衛星系でも,全測位衛星のスマホでの受信可能が一番重要のマーケット課題と位置づけています.
QZSのスマホ受信軽視は,もうスマホ測位では致命的ですよと繰り返しておきます.

第2の点は静止経度東経90度の重要性の点です.

以下の図のように,きらめき2号DSN-2とQZS-6は,ほぼ同じ静止経度(東経90度)に配置されるとのです.このインド洋上の東経90度という静止経度は,日本のインド太平洋戦略にとっては,おそらく非常に重要なポイントなのでしょう.日本の官庁は縦割りがキツいことは有名ですが,わが国のインド太平洋施策において,宇宙空間では,静止経度東経90度こそが重要性のポイントです.そこに配置されるQZS-6には連携の中核としての要点があります.

珍しく赤旗がQZS-6打上げの記事を掲載したので,以下に記録しておきます.インド・太平洋戦略に絡む内容と考えられます.
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2025-02-04/2025020410_01_0.html

「みちびき」6号打ち上げ
測位衛星 米運用のセンサー搭載
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日午後5時30分、測位衛星「みちびき6号」を搭載したH3ロケット5号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げました。みちびき6号は予定の軌道に投入。今後、赤道上空の静止軌道に半月かけて配置される予定です。

 みちびきは、米国が運用する全地球測位システム(GPS)を補完・補強するために日本が導入した準天頂衛星システムを構成する衛星で、内閣府が運用しています。

 みちびき6号には、2020年に日米政府間で交わされた書簡に基づいて、米国の宇宙状況監視(SSA)センサーが初めて搭載されました。同7号にも搭載されることが決まっています。

 SSAセンサーの目的について内閣府宇宙開発戦略推進事務局の三上建治参事官は「衛星への衝突によるリスクに対応したスペースデブリ(宇宙ごみ)等の宇宙物体を観測するもので、米国政府によって運用される」と説明しました。

 準天頂衛星システムは18年に4基体制で本格運用を開始。政府は、GPSなしでも日本周辺で測位可能な“日本版GPS”に必要な7基体制を目指し、25年度内に5、7号機を打ち上げ、26年度から運用開始を計画しています。将来、どの1機が故障しても、測位機能を維持できるよう11機体制の実現を目指しています。

解説
高精度の位置情報 軍事利用の懸念も
 みちびきの機能は、カーナビや携帯電話、測量などの位置情報に使われるGPSの補完と補強です。

 現在、4機体制のみちびきは、他国の測位衛星によるGPSと一体で利用できるため安定して高精度の位置情報を確保できます。また、みちびき独自の補強信号を受信できる専用機器があれば、GPSを上回る、誤差数センチメートルの精度で測位することなどもできます。

 こうしたみちびきの測位情報によって、人や車などの位置情報、地図作成、物流、農業、建設、漁業、災害情報発信など、さまざまな分野で利便性の向上が期待されます。

 一方、負の側面もあります。米軍や自衛隊は、ミサイルや無人軍用機の誘導にGPSを利用しており、日米同盟強化の観点から両政府はGPSと準天頂衛星システムの連携を位置づけています。防衛省は、目標への命中精度の向上、戦場認識・戦場管理に活用できると分析しています。

 みちびきは、GPS信号への妨害電波などの発生時に政府が認めた利用者(防衛省、自衛隊、海上保安庁など)だけが使用できる、暗号化された「公共専用サービス」を配信します。

 “日米同盟強化”の名の下、将来的に米軍がみちびきの公共専用サービスの利用者となる懸念があります。さらにみちびき6、7号機に搭載される米国が運用するSSAセンサーについては、米軍が軍事目的で利用する可能性も考えられます。

(以上,赤旗WEBサイト 原千拓 氏記事)

だいちとDSN-2,-3(NORAD 41940 61733 きらめき2,3)とStrixのN2YO軌道の画像コピーの記録です.アンカーはきらめき2号機DSN-2にしています.日本の宇宙分野での存在意義をしっかり高めておく必要があります.

https://www.n2yo.com/?s=41940|60182|61733|62406


トランプ・マスク政権は米国連邦政府事業の大規模仕分け作業を実施しており,宇宙・衛星分野ではLEO/MEOに重心がかかると予想され,高軌道の東アジアQZS/IGSO衛星の実績と意義は東アジアにとっては大事になってくると考えています.

N2YOサービスの画面コピーを利用した25/02/04の IGSO/QZS衛星軌道群の地表への射影の約20時間分のIGSO/QZS群衛星軌道アニメGIFを記録します.

以下のN2YOデータベース・アクセスのURLを使用しています(アンカーKOREASAT-7).
https://www.n2yo.com/?s=42691|37256|37384|37763|37948|41434|42738|42965|40547|41241|43539|44204|40549|40938|44709|44337|49336
(1) IGSO/QZSS射影軌道の約23時間分の10分毎のアニメGIF