セリカ魂

「初代セリカに乗りたい!」
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花とアリス殺人事件

2015年03月08日 22時48分00秒 | つぶやき

​2004年に公開された「花とアリス」は試写会で観ました。

それに先立ってWebで公開されたショートフィルム版は花を中心に描かれていた。
先輩への恋心から見てて痛い行動に走る花と醒めてクールなアリス。
正直、どちらにも感情移入しづらい雰囲気だと感じました。
ところが劇場版は同じ映像を随所に使いながらガラリとストーリーが変わってた!
・花の内面の奥底が描かれ、その恋を応援したい気持ちになる。
・アリスはとにかく男前で格好良くてダンスシーンは実に爽快。
良い意味で「見事に裏切ってくれたなぁ~」と感心したのを覚えています。

そして今年、まずはEテレで「岩井俊二のMOVIEラボ」が全6回で放送。
改めて映像クリエーターとしての姿勢や手法が垣間見れて興味深かった。
宣伝用のチラシも凝っててかつての実写版と同じデザインになっててニヤリ。
自分的に新作“アニメ”への期待度が上がった状態で観て来ました。

入場口で渡された小冊子、ん?絵コンテじゃん。(「後でじっくり読んでみよ」)
場内唖然、金曜夜のレイトショーは観客もまばらで計6人・・
(こりゃ早々に打ち切られるフラグ立ってますよw)
01IMG_3069.JPG

上映が始まってスグに背景が“実写っぽ過ぎ”て違和感まるけ。
写真を取り込んでフォトショ的なソフトで処理した感が有り過ぎ・・
どうしても観てて「手抜きじゃん」って感じてしまうのですよ。
キャラの“顔”も従来のアニメ顔じゃなくて違和感まるけ。
「岩井監督、興味本位でアニメなんぞに手ぇー出しやがって」
自分の中でそういう反感が存在していることに気付いた。
ところが陸奥睦美、いや!鈴木蘭々の登場で物語が動き始めると俄然良くなる!
蒼井優と鈴木蘭々が繰り広げる掛け合いでは岩井節が炸裂。
二人の心地よい“声”に乗って軽妙で洒落た台詞回しが楽しい。
やっぱ岩井監督って女学生を描かせたらピカイチなんだよね~。
それはアニメでも全然変わらなかった。
岩井作品で鈴木蘭々で妙な女子学生といえば「Love Letter」の及川早苗。
ファンとしては嬉しい配役でニヤリとしてしまうのでした。

キャラの動き、特に激しい動きは実になめらかで違和感ない!
人がマーカーを付けて読み込むモーションキャプチャだとリアル過ぎて違和感。
それに対して実写を元にするのは同じでも敢えて余分な動きをカットしてる。
実写を撮ってそれをトレースしてアニメ化する手法は深夜アニメでも。
今回は3DのCGを2Dのセル画っぽく変換するなどの手法で造ったらしい。
アリスの疾走シーンなどはホント良く出来てるわ。

制作スタッフを調べるとアニメ界の腕利きが名を連ねる。
「電脳コイル」の磯光雄
「言の葉の庭」の滝口比呂志
「009 RE:CYBORG」の櫻木優平
そしてそして、新海誠(!)などなど。
(岩井俊二と新海誠は何度も作品を見返す熱烈なファンが多いという共通点)
個人的にキャラデザ、結果的には及第点だと思うけどもし貞本義之なら・・
場内に6人なんてことにはならなかった?
(まぁ、貞本さんを起用したら細田作品ともかぶるし無理かw)

とにかくこの作品、従来のアニメファンへのアピール度は低い。
従来の岩井監督ファンへのアピール度も残念ながら低いでしょう。
結果、興行的にかなり苦戦するのは容易に予想出来ます。
でも、実際観てみると素晴らしかった。
(「六番目の小夜子」からの鈴木杏ちゃんファンなのでひいき目だけどw)
少しでも多くの人に観て貰って、今秋の岩井監督の新作に繋げて欲しいな。

帰宅して入場口で貰った小冊子を読んでみた。
今回のアニメは実写版の“前日譚”だけど小冊子はアニメ版の後日譚だ!
(実際には実写版の序盤で“描かれなかったパート”扱いかな?)
映画を観終えてから読んだのでニヤリと出来て爽快な気分!
こういう細かい部分まで凝った“演出”は嬉しい限りで自分的にヒット!



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