8月9日(火)
今回のトリエンナーレ・国際芸術祭あいち2022のスタートは近場の有松地区から。まず最初にQRコードを紙チケットに交換せねば。
インフォメーションでもある山田家住宅はどこだ?目の前の建物に貼られた会場MAPだとすぐ左。
しばらく歩いたらそれっぽい建物。カラフルな細切りの暖簾。でも違った。そしてやっと気づいた。さっきの会場MAPは南向きに貼られていたから左は右だ。この建物は⑧中濱家住宅AR01e ミット・ジャイインだった。
引き返して①山田家住宅(旧山田薬局)AR01a ミッド・ジャイインに到着。こちらにも細切りリボンの暖簾が掛かっていた。
QRコードでフリーパスの紙チケットを貰って展示を見学。置かれた365個のリボン作品が《1000回のカレンダー》で、毎日数個を希望者に譲渡。代わりにその場で撮ったポラロイド写真を置いて行く。
会期が終わっても、#100timecarendarで検索したら新たな作品を楽しめるかも?
②竹田家住宅・竹田家茶室 裁松庵
有松・鳴海絞りの開祖・竹田庄九郎の旧邸を展示会場に。
AR02 プリンツ・ゴラーム《見られている》
豪華な洋室と和室のあちこちに19点の仮面を展示。
仮面を使った映像インスタレーションも。
庭に下りて茶室へ向かうと石碑があった。
AR03 ガブリエル・オロスコ
和室の陰影は趣きあるなぁ。
③川村家住宅蔵への案内サインがナイス。
すぐに到着。
AR04 タニヤ・ルキン・リンクレイター
布と小石の作品《グラスグラスグラス》で使われている石は地元の庄内川の小石。コロナで来日できない作家さんが続出。彼女も海外から指示する形で作品を仕上げたそうだ。
映像作品《たくさんの心から生まれる増幅》は訳が分からなかったけれど、流れて来たテロップを読んだら少し意味が見えた。
④岡家住宅にもAR01b ミット・ジャイインの暖簾あり。
AR05 ユキ・キハラ《サーモアのうた-Fanua(大地)》
サモア伝統の織物と日本の振袖を融合した作品。描かれた内容は牛のゲップ問題や温暖化、観光地の風水害など絵のタッチと真逆なものばかりでその意外性が面白かった。
AR06 AKI INOMATA
天窓から差し込む外光の中に吊るされた木の枝。これってなに?
《彼女に布をわたしてみる》
薄暗い作業場に吊るされたモニターの映像で理解。蓑虫が与えられた有松絞りの布で蓑を作ったのか!
綺麗な絞りの布だからキレイだけれど、クリーニングのワイヤーハンガーなどのゴミで造られた都会の鳥の巣なんてアンチも頭に浮かんだ。
《キノコヒモミノガ絞り団扇》
《ヒモミノガ絞り団扇》
蓑虫から蛾へ。その羽根の模様はどんな法則で生じるのか?導き出された方程式を基にCGで描いてみる。
そうか、さっきの団扇は絞り技法を使って人為的に再現された模様だ。団扇にしたことで、それを使うと蛾の羽ばたきをも再現することになるとは面白い!
⑤ゲストハウスMADOと⑥安藤家住宅はミット・ジャイインの屋外展示(リボンの暖簾)だった。
踏切で線路を渡って⑦株式会社張正に到着。
半分は絞りについての展示。
戦争が激しくなると絞りの需要は激減。苦しい時期をアフリカへの輸出で凌いだらしい。お陰で絞りの文化を途絶えさせずに済んだ。伝えるべき大事なエピソードだった。
AR07 イワニ・スケース《オーフォード・ネス》
1000個もの膨大な数のガラスに圧倒される作品だった。
雨?雲?人の魂が天に還る?様々な受け取り方が出来る。
スケースの母方の祖父母は豪州の先住民族。その出自と、地元で何度も行われた核実験への憤りが制作の動機なのかも。
ガラスは先住民の主食・ヤム芋の形。
作品を見るだけでは作家の狙いまで理解し難い。添えられた説明文を読むと捉え方も変わるので、それを踏まえてじっくり観た。
炎天下の中、ここまで回って約2時間。疲れたので東半分はまた今度にしよう。人種的にマイノリティな作家が多かった印象。人と違った出自はインスピレーションを生み易い?