8月23日(火)
国際芸術祭あいち2022、一宮地区を鑑賞。
8時過ぎに雨が止んだので9時に出発して11時到着。まずは尾西エリアBの駐車場がある会場からスタート。
⑩尾西生涯学習センター墨会館
会場は愛知県内唯一の丹下健三による建築物。これ自体が既に歴史的な文化財で、これを機に訪れたのはラッキー。
IC18 レオノール・アントゥネス
展示された作品よりも会場の方に目が行きがち。
打ちっぱなしのコンクリートの梁が美しい。
コンクリートの地肌には、型枠の木目や節が綺麗に残っていた。木型は寸分の狂いなく正確に造られ、コンクリの流し込みも途中で切らさず一気に行ったそうだ。
手書きの文字は、いつの間にか誰かが書き入れていたらしい。
「きっと作家さんだ」「作品名を入れたかったのでは?」
そうスタッフの間では信じられているそうだ。
なのでこの作品は《主婦と彼女の領域》に違いない。
IC19 迎 英里子《approach 13.0》
紡績・毛織産業の象徴的な動きを抽象化した動かせる作品を展示。併せてここの中庭で実施したパフォーマンスの模様を伝える映像も添えていた。
明かり取りのテラコッタが素敵!
尾西エリアAに移動。ここも駐車場を完備。
⑧国島株式会社
尾州の老舗毛織物メーカーの元工場が会場。
一日5回上映の映像作品だった。2回目の上映が始まって30分くらい経っていたけれど途中入場は可能。
98分間ってもう完全に映画じゃん・・
IC17 曹斐(ツァオ・フェイ)《新星NOVA》
作品の世界観に合わせた装飾がされた会場。
おばたのお兄さん似。
こちらはチョコプラ松尾似。
核戦争後の世界のSF物語かな。ブレードランナーよりも未来世紀ブラジル的な世界観に近かった印象。
タイムマシンなのか人を別の物質に変える装置なのか、変質した「息子」はすぐ側に居るのに触れ合えない。
ちょっとインターステラーのテイストも?
すごく意欲が感じられる力作だったけれど、こんな長尺の「映画」を観たら他の展示を鑑賞する時間が足りなくなりそう。困った。
⑨のこぎり二
車で行ったら駐車場があって助かった。のこぎり屋根だからのこぎりか。昔は毛織物工場だったらしい。
IC12b 塩田 千春《糸をたどって》
赤い糸が張り巡らされた空間に圧倒される作品。
毛細血管の様に絡み合う赤い糸と、蜘蛛の巣に囚われた様にその内部に浮かぶ糸巻きの芯たち。
とにかく物量に圧倒される。10人掛かりで12日間掛けて制作したそうだ。
間近で見るとあやとり。
工場に残されていた織機も作品の一部に。まるで紡がれた製品が世界に飛び立つ様だ。
のこぎり屋根に沿って。
何とも凄いビジュアルだった。
八幡通り沿いのはなまるうどんで昼食を済ませてから一宮市役所の駐車場に入庫。芸術祭のチケットで割引承認してくれてもいいのに、融通が利かずしっかり¥100/30分なのは残念。
③一宮市役所
IC03 眞田 岳彦 あいちNAUプロジェクト《白維》
②つむぎロード(公衆トイレ南側壁面)
IC02a バリー・マッギー
①オリナス一宮 IC01 奈良 美智
小さな窓を覗くと向こうに見える。
周りを囲む壁は装飾せずに骨組みも露わ。これはこれで、機能美を見せる的な狙いなのかな。
骨組みの内側。
中央に大きな《Miss Moonlight》左右に《WP1》《WP2》
振り返ると沢山の作品群。ちょっとした個展だね。
まだまだ骨組みには作品。
奈良さん手書きのクレジット。
奥のスペース。
《Fountain of Life》
青い空間を覗き見る感覚は金沢21世紀美術館のプールみたい。
段ボールに描かれた作品はこの芸術祭の為の新作?
トイレの案内も奈良さん作。
奈良さんは一宮会場の目玉かな。ミニ個展といったボリュームで、芸術祭のテーマに沿いつつも、ウクライナ侵攻への憂いを織り込んだ展示内容に思えた。
さて、少し歩いて次の会場へ。
④旧一宮市立中央看護専門学校
まずエレベーターで5階へ。1フロアずつ鑑賞して下りるのが順路。エレベーターの扉が開くと目の前に大作が鎮座していた。
IC04 近藤 亜樹《ともだちになるためにぼくらはここにいるんだよ》
映画《HIKARI》の上映は午前と午後に一回ずつだけ。エレベーター前の絵が良かったので観たかったけどな。
上映回数は作家さんの意向なの?残念。
IC05 小杉 大介《赤い森と青い雲》
4階に下りる。
IC08 ケイリーン・ウイスキー《ハッピー・プレイス》
IC07 升山 和明
IC06 西瓜姉妹(ウォーターメロン・シスターズ)
3階に下りる。
IC10 ジャッキー・カルティ《エレクトロニック・シアター》
IC09 ローター・バウムガルデン
2階に下りる。
IC13 石黒 健一《夕暮れのモーニング、二つの時のためのモニュメント》
IC12a 塩田 千春
解剖学標本室だった部屋に残された標本を使った作品。のこぎり二では圧倒的な物量で「映える」展示をした作者だが、ここではかなり尖った作品ばかりで驚かされた。
卵巣癌を患って死に直面したエピソードを持つ彼女にとって、ここの作品こそが内面を曝け出した本音なのかも。
赤い糸が毛細血管なら、黒い糸は癌細胞?
IC11 許家維(シュウ・ジャウェイ)
常滑のINAXライブミュージアムが製作した茶色いタイルが貼られた台座。これに座って観るVR映像は「マインクラフト」の世界をモチーフにした常滑の風景。VRゴーグルを装着しての体験は自分的に新鮮で面白かった。
本当は予約制だけれど暇すぎて?
「良かったら観て行きませんか?VR映像ですよ」可愛い客引きさんが出て来て誘い込まれたw
1階に下りた。
IC14 ニャカロ・マレケ《一日中頭の中にある場所》
5フロアに展示されていてボリューム満点だったなぁ。作品の質って意味では疑問なものが多かった印象でアレだけど。
⑤旧一宮市スケート場
IC15 アンネ・イムホム
⑥大宮公園
IC06b バリー・マッギー
大宮公園から20分歩いてやっと着いたら駐車場あるじゃん!駐車料金だってその分浮いたのに、ちぃ。
⑦豊島記念資料館
IC16 遠藤 薫《羊と眠る》
作家自ら羊を解体する様子が映されたモニターも。
作家が織った羊毛の落下傘。周りにはなめした皮も吊られている。夕日を受けて「美」しい。
落下傘に空気を孕ませ引っ張る作家さん。サンダル履きだ。
最後の会場・豊島記念資料館には17時を過ぎて到着。有松も常滑も17時終了だったので「間に合わなかった」と落胆していたら「18時までやっていますよ」とドアを開けてくれた。そっか、一宮と芸文は18時までだったか。
離れた以下の4会場は駐車場あり。
⑦豊島記念資料館
⑧国島株式会社
⑨のこぎり二
⑩尾西生涯学習センター墨会館
パンフレットには「バス利用がおすすめ」などと書いてあるけれど、車の方が効率よく楽に回れると思う。
積極的にアピールしていないのは、土日祝日はキャパオーバーするだろうから?確かに⑦⑨の会場は駐車枠が少なかったので要注意。
もっとも全体のスケジューリングも大事。
⑧国島株式会社で98分間もの長尺映像を全編観るなら「10時スタート」「昼食は移動しながら」なんて強行軍が必須かも。
さて、残すは芸文センターのみ。
取り敢えず全会場を観終えてから「2周目」を考えてみよう。今の所は常滑会場が一歩リードかな。