豊田市美のが良かったので豊田まちなかガイドツアーも。
こちらは金・土・日・祝の16時から開催しています。
トリエンナーレのガイドツアーは対話型となっている。
ただ解説を聞くのではなく、参加者に考えて貰う形式に。
今回は4名の参加者で3か所を巡ります。
テーマは「作品の背景を知って見てみよう」でした。
まずは小田原のどか「↓(1946-1948)」からです。
砂利の上を歩いて矢形標柱の間近まで行けたんだ。
回り込んで正面以外の角度からも眺めることが出来ました。
「写真で撮って見ると全体が赤くなるんですよ」
LEDじゃなくて敢えてのネオン管。雰囲気が凄く良いです。
実際の矢形標柱は矢羽が3枚だけどこちらは2枚。なんで?
正面から見るだけ。そう思い込んだのは2枚だったから。
全方位から見れるなら3枚にすれば良かったのに。
レーニンの顎を愛でてる女性が作者の小田原のどかさん。
うっとりとした表情から彫刻フェチっぷりが伝わります。
「豊田市は彫刻が多い街なんですよ」
市役所の銅像を例に挙げて説明してくれました。
小田原さんも「また見に来たい」と言ってたとか。
喜楽亭に移動する途中で小田原さんのもう一つの作品も。
「上に乗って作品が完成するそうです」
崇められる銅像の気持ちになれるから?
かつてこの高さに載って仰ぎ見られていたのは軍人。
崇拝される存在だったのはそういう時代だったから。
騎馬像だったので台座の上に更に台を置いておくべき?w
終戦後に新たな銅像を依頼された彫刻家は台座を低くした。
軍人の名前の銘板から上をカットする形で。
その上に軍人とは真逆の裸婦像を、自分の足で立たせた。
喜楽亭に到着。歩いても全然近かった。
ツーニェン「旅館アポリア」3度目の訪問となりました。
「時間ないので1つだけ映像見ます」
二ノ間に入室したけど映像も音も何も出ていなかった。
ループ上映してるのでこんなのあり得なくない?
どうやら機材トラブルが起きてるらしい。
上の階なら見れるかも?二階に上がって三ノ間。
送風機は動いていた。ここは映像がなくて字幕のみ。
その字幕も音も、やっぱり出ていなかった。
隣の四ノ間は通常通り。どちらの映像も音も出てた。
「下へ降りましょう」
鑑賞は諦めて一階通路でミーティングすることに。
小津安二郎の「東京物語」は名作として有名。
でもこの作品に使われるとまるで喜楽亭の出来事に思える。
ガイドさんの写真を見て、やっとそうではないと実感。
シンガポールは戦時中の華僑粛清事件をジオラマにして展示。
それを子供たちに見せる歴史教育をしてるらしい。
「作品の背景を知って見てみよう」ですね。
各々の捉え方を意見交換。理解を深めることができた。
二ノ間の隣にコントロール部屋がありスタッフが出て来た。
「一部の映像のタイミングがずれちゃって」
「ズレた映像を正しい映像に合わせ直し」
「フクちゃんの戦艦の沈没シーンに合わせて振動」
「全ての映像がそれに合わせてある」
「あ、これネタバレになっちゃうか」
そうか、それで四ノ間だけ上映を続けてたのね。
四ノ間のタイミングに全部の映像が合ってたとは驚き。
全て緻密に計算された演出なのですね。
VITSに移動してアンナ・ヴィット「未来を開封する」
この映像作品は全然理解出来なかった。
なのでガイドツアーに含まれてて良かったです。
皆で少し見たけどやはり意味不明でした。
ロビーでガイドさんが作品の背景を説明してくれた。
作者はその地域に潜む問題をテーマにした作品を。
「出てる人は全員トヨタの社員です」
「トヨタは世界的にもAIが進んでいます」
「将来、今以上にAIが支配する世界が訪れる」
「それって幸せ?」
これが作品中のディスカッションのテーマらしい。
(奇しくもアンナ・フラチョヴァーとよく似てますw)
テーマが分からなかったから意味不明でした。
テーマを知った上で、もう一度見てみたいと思った。
ロケ地は豊田市美術館のバックヤードだそうです。
アンナ・ヴィットは芸文センターでも映像作品を。
出演者が60分間笑顔を続けるってやつ。あったわ。
作り笑顔が途切れそうになる微妙な瞬間を読み取る。
そこに何かが見えて来るとでも?
高尚過ぎて理解不能な作品という印象でした。
「未来を開封する」は第一歩から間違ってると思う。
トヨタがAIを駆使して仕事してると「誤解」してない?
生産現場にAIは進出してないと思います。
IoTに関しては先進的な取り組みをしてるけど。
経営方針を決めたり生産計画を立てる部署にはAIも進出?
作品の雰囲気が「現場」だったのでギャップを感じた。
やはりガイドツアーに参加すると理解が進みます。
名古屋エリアも参加してみたいけど混みそうでヤダなぁ。
「旅館アポリアは映像作品では一番好きですね」
「そうですか?円頓寺の方が私は好きかも」
他の参加者さんにそう言われた。マジか!
円頓寺エリア、今度こそちゃんと見なきゃだな。
こういう生の情報は有難いです。
和田唯奈「(しんかぞく)」も理解不能でした。
ネットの感想の中に「制作ノート」に触れたものがあった。
最後の部屋に置いてあるらしく、読めば理解が進むかも。
「一度全部回ったんだけど」
「制作ノートだけ見せて欲しい」
すると快く読ませてくれました。予想外にボリューム満点。
あいトリ出展が決まってからの経緯を記した議事録って感じ。
次第に実現されていく過程が詳細に。
性器や生殖をイメージしたプログラムまで候補にあった。
そこから検討を重ねて割とマイルドな表現になったのね。
でも知りたかったのはその前、最初の段階の話でした。
スタッフさんに尋ねたら「ネットにありますよ」
そちらも調べる必要がありそうです。