万国の非正規労働者よ
団結せよ、
とは簡単に行かぬこの国
手打ちだったのに、
しかし、である。
期限になっても支払いはなし、
社長に文書を出し
回答文には少し待ってほしいとあった。
仕方なく期限を切り待つことにした。
しかし、である。
期限を過ぎても
支払いはない。
全日建とは、埒が開かないので、
この会社の実情を訴え、
会社兼店頭での不買運動等の
ビラを撒こうという
強行手段の話にもなったが、
当時、わたしは体調を崩しその体力はもうなかった。
同僚だった学生バイトの中には、
労組との関わりを嫌って
個人的に裁判を起こした者たちもいた。
裁判所より支払い処分を受けても
同様に会社は未払いだったので、
会社の体力があるうちにと、学生バイトたちは、
毎日、仕事終わりの現金がある時間帯に
売上金から未払い賃金の回収を試みようとしたが、
回を重ねるうち「払う金はもうない」と
門前払いをくって、
とうとう最後は、
あきらめていた。
しかし、
裁判をし、実行行使した若者たちを頼もしいと思った。
近頃の若者たちは頼もしいと思った。
で、しばらくして、
丸の内の弁護士事務所、
阿部と名乗る男性から連絡があり、
今後一切直接会社との連絡を控え
間に私ども弁護士事務所が入ります、と。
それで、今までの経緯を話し、
五十枚くらいの資料を弁護士事務所にFAXした。
二か月程して、音沙汰なしだったので、
どうなったか弁護士事務所の
阿部と名乗る男性に連絡すると
ウチも商売なので
支払いのない案件からは
手を引きましたと、
キッパリ、そう言われた。
それいゆ!?と思い、
なぜそうなる前に連絡がないのか、
今後はどこと話せばいいのか、
いま繋がる社長の連絡先も一切答えることはなかった。
この丸の内の弁護士事務所も
阿部と名乗る男性も
未払い会社のグルだったのかと
勘ぐりたくもなった。
なぜなら、事前に調査すれば、
未払い会社の状況くらい分かりそうだろう。
丸の内の弁護士事務所、
そろばんには誠実で、
債権者、被害者には不誠実なそれいゆアベクンだった。
この事件に関しては、
もう、わたしは終えた。
終わらせた。
あっせん、も、
裁判、も、
弁護士、も、
役立たず。
自分自身で、
余裕があれば、まぁ取り立て屋に頼んでもいいが、
強行手段しかないという事がわかった。
ない袖は降らんで済む、という事がわかった。
こう長々と自分の経験を書いて来たのも、
冒頭の団交の記事に励まされ、
自分の「敗北」経験を、
もう一度残そうと思ったからだ。
わたしは成功体験が欲しかった。
といっても、そう何度も経験したい事ではないけれど。
非正規で一人労組に参加した。
職場からは浮いて
否定的な意見も耳にしながら、
職場の同僚たちから距離を置かれながら。
そして、
団交で賃金アップを勝ち取った事が
いかにすごい事かと思うからです。
相手が体力のある会社で良かったという事。
この非正規の方に
精神的にも体力的にもチカラがあったという事。
「非正規をばかにした対応」と怒った、
孤独でも、団交し、いまも継続して職場にいる、
その怒りの持続力に
敬意を表したい。
よりそった総合サポートユニオンの方も
良かったのでしょう。
あと、SNSでの繋がる個人と
個々の労働組合の垣根を超えた各労働組合の連帯が
あったからでしょう。
わたしに、いま、そう、なれるだろうか。
つながりがあれば、
怒り続けることはできるだろうか、
闘えるだろうか、孤立を恐れず。
闘いは、負けた。
敗北記。