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あの社会人時代の、馬鹿なオレ。もうひとつのクリエイティブのほう、の。(そのもうひとつの2)

この国では、驚くことに、



クライアントである、

メーカー企業の広報部と、経費担当が、

撮影現場に来て、

撮影機材の、照明機材の、録音機材のと、

見積書に別途添付した、

機材リストに、細かく書き出した、

機材、備品のすべてを、ひとつ、ひとつ、

現場の機材と照らし合わせる、という、

突拍子も無い、時間と云うコストの掛かる、

見分作業を決行した。



その機材が、何に、どう使われるかは、

二の次で、根本からは、理解をしようとはしない。

ただ、単に、

見積書の機材リストに記載されている機材名と、

現場の機材との照らし合わせをする単純作業を、

カルタの読み札と、絵札を合わせるように、だ。



「 千早振る 神代もきかず 竜田川

 から紅に 水くぐる とは 」の、意味なんて、

「 とは 」の謎なんて、てんで、興味無いンだから。



札が合えば、満足するんだから、ね。

このカルタ遊びに、愚かに浮かれる、

お正月気分を盛り上げる為の、

おせちも、お屠蘇も、

おせちに飽きたら、カレーもね、も、

コストとして、カットされたのは、言うまでもない。



撮影現場のモノゴトを、理解もしない、

門外漢のエリート諸君に、

カルタごっこは、面白かったのだろうか。

このくだらない、子供じみた遊戯は、無料だから、

コストとして、カットの対象には、ならないのか。

この子供じみた遊戯に、

付き合わされるスタッフの時間は、

コストとして、カットの対象には、ならなかったのか。



プロダクションと、

企業との信頼関係は、

“”ご破算に、願いまして〜はぁ“”と、

全く、信頼度のないゼロレベルに貶(おとしめ)られ、

企業側としても、大雑把な全体像より、

枝葉末節に、こだわる、さして効力もない行為に、

効力を感じ取ったんだ。



代理店は、クライアントに対して、

この厳かなカルタの遊戯の儀式に、

何も意見を言えない、

狂犬から従順なポチとなっていた。

あわせて、制作会社は、

従順なポチの、糞(ふん)を入れる、

無言の糞袋の役割を担った。



この流れに対応するカタチで、

大手代理店のコストカッターが生まれ、

一番じゃなきゃダメですか ?

って、大手側の力づくの、鉈が振るわれたわけだ。

どんぶり勘定は、既に、時代遅れとなっていた。


機材というのは、

現場の状況に対応するために、

想定内の範囲ではあるが、必要最小限ではなく、

ある程度、現場の状況に対応できる様に、

余分な機材や、消耗品は、用意されるものなのだ。



彼らエリートは、

照明用に、熱が伝わらないように紙を挟む、

木製の洗濯バサミ(ピンチ)までも、

それが、何個あるかを、

ひとつ、ひとつ、チェックした。

手作業で、在庫を調べる、

どんぶり勘定並みの、

時代遅れの、金物屋の棚卸しかッ、てぇの。

ピンチのような消耗品を、

ひとつ、ひとつ、数えるなんて、

まともな、一流企業の大人のする仕事では無い、

と思った。


疑い始めた、地頭(じとう)は、

隠し里を、探り出すのに、躍起となった。



それでも、

すべて、茶番と、理解をしている、

利口な戦士もいれば、

 

それでも、

本気で、探し出そうとする、頓馬な戦士もいた。

 



利口な戦士は、

デモンストレーションとしての抑止力だと、

理解をしていたようだが、

 

頓馬な戦士は、隠された、無駄なコストを見つけだし、

手柄を上げることに、熱を上げた。

熱の伝わらない、木製ピンチで、

頓馬な戦士に、目が醒めるように、

何個をぉ、顔に付けられるか、試してみようかぁ。

誰か、そのピンチだらけの顔を見て、

哀しく、嗤(わら)ってくれただろうか。



戦わなくていいんだって、

平和的に、友好的に、やろうぜ、お互いに。

強行手段じゃなくて、

対話路線じゃないの、ナニゴトも。



付き合わされる、こちらが、

見積書に、「 機材確認立会い作業費 」として、

見積書に、記載したら、

コストカッターは、笑ってくれただろうか。

苦笑い、で、0円、と、赤ペンが、入ったろうか、

スマイル、0円、並みに、ね。

一度、試してみたら、よかった、ね。

コストカッターの人間性、ユーモアが、試せたはずだ。


企業の諸君、

現場の機材以上に、

見積書に記載されている機材名は、見つかりましたか ?

むしろ、現場の直前の判断で、

現場の機材の方が、

見積書に記載されている機材のリストより、

多くなっているケースの方が、

多かったんじゃないでしょうか。



結果、この見分作業に、

大きなメリットは、あったのでしょうか。

その頃の企業戦士だった諸君、

すでに、皆さんは、要職に就いているだろう。

若しくは、

残念なことに、自分自身が、

頓馬なコストの対象になってしまっているだろうか。

如何に、己たちの行為が愚かだったか、

内省し、今後に、活かせ。

馬鹿なオレに、言われたきゃないよね。

じちょう的に、わらってますから、ご勘弁を。



※じちょう、自嘲、自重。

※わらう、撮影業界用語で、

その場所から、どかすって、いう意味がある。

 

17/09/15 06:09 再掲載

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