なにぶん、なりゆき なもんで
、・ 改め らくごしゃ の なりゆき(也がついたり、つかなかったり)
あの社会人時代の、馬鹿なオレ。八、八百屋、稼業だぜぇ、のほう、の。(自嘲的な笑いの3) 店じまい
「袖を振っても、
無いものは、無い。」
給料が滞り始めていた。
オレは、ぎっくり腰の治療を理由に休み続け、
給料が出るようになってから、会社に戻ろうと思った。
すでに、1ヶ月と半分、無給で働いていた。
野菜の仕入先の農家や、仲介業者が、
怒鳴り込んで来たのも、目の当たりにした。
支払いが、出来ないことの説明を、
ひと言も、ことわりを入れずに、
先方からの、問合せにも、取り合うことなく、
音信不通状態を続けていたからだ。
陳腐な、笑えねぇ、ドラマだが、
貴重な修羅場のワンシーンを、観させてもらったよ。
誠意の欠片(かけら)も、見いだせなかったね、
奴ら幹部に。
土下座くらいは、芝居がかって、
演るがいいじゃねぇかよ、観たかったんだがねぇ。
この期間に、社員の半分以上が辞め、
バイトも当然、辞めた。
残った社員2名と、
社長に、経理も、商いに出たそうだが、
もう、末期症状だった。
そもそも、仕入れが、出来ない。
かろうじて、野菜を供給してくれる業者もいたが、
満足に支払いができない会社に、
運ばれて来る野菜は、屑野菜だ。
貧すれば鈍する。
今度は、お客さんが、離れていった。
そこで、
今まで、いろんな企業を立ち上げて来たと、
大きく吹いていた、怪しい会長が、
現金を集めようと考え出したのが、
産直野菜のプリペイド商法だ。
先に、現金(おかね)を集めて、
産直の野菜を、頂いた現金以上に、お届けします、と、
現状の机上でも成立しない、
ペテンな荒技に打って出ようとした。
特に、今までの大切なお得意さんや、
高齢者をターゲットにしようとしていた。
もう、馬鹿で、阿呆な、オレでも判るぜ。
休暇中のオレは、
何とか会社を建て直そうと、
嘘のような夢を追って、残っていた社員から、
その話を聞いた。
さすがに、
奴らに、自分で現状を考えてみろ、と、
そのプリペイド商法を辞めさせるか、
すぐに、会社を辞めるように言った。
間違いなく、お得意さんに、被害者が出る。
そんな行為に、加担をするなと言った。
もう、あとは、彼らも大人なんだから、
最後の判断は、彼らがする訳、なんだけれどもね。
オレは、この会社を紹介された、
区役所の窓口に連絡して、
現状を伝え、今後の方策を訊ねた。
その担当者は、事実関係を、
現地まで行って確認をしてくれて、
区役所が斡旋する求人欄から、
その会社の名前は、抹消されたが、
会社自体は、残念ながら、
抹消することは、出来なかった。
こういう事は、事前に、防(ふせ)げず、
被害者がでて、
事件にならないと、
止められない。
資本主義の、資本活動、ビジネスの自由、
というモノらしい。
オレに出来ることは、
そこまでで、もう、残されていない。
残されているのは、
次の、生活の糧のもとを探すこと、と、
この会社の未払金の回収だ。
この未払金の回収の顛末に
ついて、ご興味ある方は、
このブログ内の
○ 「万国の非正規労働者よ団結せよ
その1 勝利」
○ 「万国の非正規労働者よ団結せよ
その2 敗北」
を、ご覧ください。
しかし、よく転がるね、苔むさないもんね。
どうも、上手く、
君が代のようには、行かないようで。
ホントは、
オレって柄じゃないんだけどね。
店じまい、だよ、
今回は、これで、おしまい。
閉店、ガラガラ。
初出 17/09/23 05:01 再掲載 一部改訂
あの社会人時代の、馬鹿なオレ。八百屋、稼業だぜぇ、のほう、の。(自嘲的な笑いの⒉)
ぎっくり腰の治療の休暇で、
冷静に、
馬鹿なオレも、考えた。
そもそも、ね、
リヤカーの野菜を全部売っても、売上げが、
たかだか、3万、行くか行かないかだ。
よく売った、オレで、それだ。
掛け値が、仕入れの元の倍だから、
粗利は、よくて、15,000円也。
残りの従業員、バイトの粗利は、
だいたい、いつも、10,000〜13,000円。
8人、フルに商いに出て、
13,000円を稼いできたとして、10,4000円。
月に、25日、稼働して、260万。
凸凹あって、ひとり、月給、15万で、8人で、120万。
残り、140万也。
リヤカー転がして、
ざっと、算盤をはじいて、も、
この粗利、ひと月、140万だよ。
ここから、
都内の倉庫 兼 店舗の家賃や、
千葉からの野菜の仕入れの運搬費、
都内のリヤカーへの野菜補充のガソリン代。
その他に、
社長に、経理、怪しい会長、この3人の搾取分、
勘定が、どう考えても、合わねぇんだ、よ、
なんじゃ、こりゃ、だよ。
自転車こいだ、商い、
自転車操業じゃねぇかよ。
いやッ、自転車操業ならぬ、
タイヤが破(やぶ)れた、パンク状態だ、
これじゃ、リヤカーも、自転車も、転がせねぇ、よ。
目が覚めた頃には、
いつもの馬鹿なオレの現実が、そこに、いた。
また、お前かよぉ、あっち行けよぉ、
オレの前に、お前が、また、いるのかよぉ。
仕方ねぇよな、お前は、現実だ。
現実は、夢でも、何でもなくて、
いまのオレが、いる、そこが、現実なんだろ。
馬鹿は、そこに気付くのが、遅いんだ。
A rolling stone gathers no moss
「転がる石に苔むさず」
アメリカでは、
活発な活動を続けている者は、
いつまでも古くならないこと、
の、たとえ。
イギリスでは、
一か所に落ちつかない者は大成しないこと、
の、たとえ。
オレは、当然、ブリティッシュ・スタイルで、
馬鹿な毎日を、送っていることになる。
駅前留学の、
カンバセーションのレベルは、
サバイバルイングリッシュって、判定だったけどね。
実生活を、オレは、はたして、
サバイバルしてるんだろうか。
そして、また、次のお宅へ、と、
話は、つづく、ピンポ〜ン
初出 17/09/22 04:48 再掲載 一部改訂