全てを忘れるその日まで

~明日への遺書~

すみわけ

2019年01月26日 | 山歩記
久しぶりの寒気に包まれた週末



強風の今日は龍良山




 




強風防御にダイナを着込み
 




未斧の杜を歩きます
 


 


 


        


 




ゆるゆる登りの龍良さんも
 


 




鞍部を過ぎての稜線歩きは強い風との戦いです
 


 


 


 


 




フードを被り


最後の大岩
 



登り上がって
 



龍良山山頂着
 


 


 


 



一人コーヒーを含み
 



上から眺める太古の杜
 



龍良山原始林…それほど広くはないんだよな


そう思いながら

先日 近所のおじさんから聞いた話を心の中で反芻してみる…


それはおじさんがまだ若いおじさんの頃

友人たちと蘭を探しにこの杜に入った時の話


勝手知った森…おじさんが友人たちと離れ一人鬱蒼と樹々の生い茂る杜の中を徘徊していると 

突然上空を覆っていた樹々がぽっかりと開き燦々と陽の射しこむ広い草原に出くわした


「あれ?ここにこんな場所があったっけ?」「伐採現場?」


おじさんが冷静に辺りを眺めるとず~っと奥まで草原が続いていて 樹を切った跡(切り株)などは一切なく

ただただ 陽光降り注ぐ広く何もない草原がず~っと続いている


奥に奥に歩いて行くのがものすごく気持ちが良くて

ず~っとそうしたかったけど なんとなく戻らなくちゃという気がして来た道をまた引き返して歩いて行く

どのくらい歩いたか…ふと気が付くとおじさんはまた鬱蒼と茂る大樹が頭上を覆う見慣れた杜の中をひとり歩いていたのだそう


「どこにいた?」「ずっと探していたんだぞ」

血相を変え口々にそう喚きながら歩み寄って来る仲間たちにさっきの不思議な体験を話した


おじさんが全てを話し終えた後

友人の一人がこうつぶやいた



お前…よく帰って来れたな 


って






一人ぼっちの帰り道



 




鬱蒼とした太古の杜にさしかかり


さっきの話を思い出します




ここは 未斧の杜




 




由来


人がその足を踏み入れてはならない場所





 






人と




そうじゃないものに





すみわけられた





神すまう杜





 






今日も


無事 歩けた事に






 






感謝します