全てを忘れるその日まで

~明日への遺書~

行き先

2024年06月18日 | 山歩記
裏有明

 



あの鹿はもう形は残ってないだろう

思いながら歩くみち
 





でも

網にぶら下がったそのままの姿で

その鹿はいた


日に照らされ

雨に打たれ

風に吹かれ

夜に冷やされながら


その鹿はまだ形を留めていた…


傍らを歩きながら


何だか犯罪現場に帰って来た気がした

 


















ヒトの居ない山頂で草を喰む

二頭の子鹿
 



ヒトの力が介在しない自然の世界


生きるために草を食べる

生きるために命を食べる



どちらが畜か?




人が死したのち辿り着くその先は

 



業火で魂魄さえ焼き尽くされる無間地獄


そう…


そうでなければ平等じゃない

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