昨日の続きから。
早川界(はやかわ かい)
大輝と付き合うことになった時、マリは26歳。大輝は28歳。マリは結婚相手候補として大輝に目をつけていました。
寡黙でクソ真面目、浮いた噂が全くない誰に見せても恥ずかしくないルックス。
高スペックの優良物件。
ダメ元でお付き合いを申し込んだら、まさかのOK。その夜からラインメッセージを送り始めます。
ラインの着信が来た時、大輝の方は好きでもない女性からのラインほどウザいものはないと気が付きます。
休みの日のデートで、ネズミーランドに行ったり、買い物に行ったりはしますが、大輝はマリに恋をする事はなく自分の過ちに後悔します。3回目のデートで「田中さん」から「大輝」へと大輝への呼び方が変わった時、嫌な色に遭遇した時の吐き気が彼を襲います。
マリの腕を絡ませようとしてくる仕草、手も触りたくないので、2人の距離は空いたまま。「大輝って冷たいよぅ」と頬を膨らませる媚態には、走って逃げたくなります。
自分の部屋に呼びたがり、無茶な理由で大輝の部屋に上がりたがり。
女癖が悪く家庭を壊した父親に相談します。
「向こうから別れると言わせるんだ」とアドバイスされます。父は、浮気相手を父から切った事で家庭を失っていたから。
度重なる嫌がらせとストーカー行為。家に押しかけてきて泣き喚いたあの女の事を思い出して、大輝は、好きでもないマリと2年間手も繋がずに付き合います。
マリも本気で大輝が好きだったわけでもなく、30歳までに結婚したかったのが第一でマリの事を好きだと言ってくれたルックスは落ちるけど、それ以外のスペックは大輝とほぼ同じ、大久保という営業マンに乗り換える決心をします。
二股かけ始めたマリの色は、醜く変貌しています。マリから別れを切り出された時、大輝はホッとします。
その頃、大輝はイノセントな女性に出会っていたのです。マリと別れられたら、付き合えると待っていました。彼女は、何年経とうとも彼女ままだという事も分かっていたので、マリが諦めてくれるのを気長に待っていました。昼休みの社食でラインで話しながら。彼女は古い知り合いで、大学の研究員。理系オタク女子。ラインをしててもデートもしていない。
楽しそうに研究の話をメッセしてくる彼女の色は鮮やかな色が散りばめられた春の風景のようです。
「やっと見つけた」と呟きながら、マリと別れた後、大輝は、はるという名の6歳年下の昔大輝が家庭教師として勉強を教えていた女性と付き合い始めます。
マリは30歳になる前に結婚式を挙げるスケジュールに滑り込みますが、相手の大久保の女癖の悪さで直前に破談に追い込まれます。マリは大輝に相談しようと思うのです。この手の相談は女の汚い手練手管です。
一度も入れてくれなかった大輝の部屋を訪ねていくと、はるが出てきて応対します。
マリには、すっぴんの野暮ったい女だとしか見えませんが、はるの目は知的好奇心でキラキラしています。
早川界(はやかわ かい)
葵と陽(あかり)の三男。イノセントの次の「幸福な家族」からの登場。
長兄のヒカルと7歳違いということになっていますが、内面はまだ子供。高校生くらい。エリカとはるの下僕。なんか勘違いしてタトゥーまで入れて、今風のファッションにしています。