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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

「イスラム国」のテロに対する対策はある。経済封鎖と国境封鎖で人、カネ、武器、原油の行き来を遮断する。

2015年12月06日 | 人権保障と平和

 

 ドイツで保守政党の国会議員を務めたこともあるユルゲン・トーデンヘーファー氏が、英紙ガーディアン2015年11月27日付で、

「西側の政治家たちはテロリストの仕掛けたワナに落ち込んでいる」

と指摘しています。

 2014年には「イスラム国」で取材をしたこともある彼がこれまでも再三言ってきたのは

「アメリカとその同盟国がISISの拠点に対して行っている空爆は効果がなく、ISISの弱体化に何の影響も及ぼしていない。」

ということです。

2015年10月8日、米国を中心とする有志連合がシリア・コバニ付近で行なった空爆。ロイター。


 

結果としてこんな世界になってしまっている。

拡大の一途 イスラム国系過激派ネットワーク

 

 

 今回のインタビューで同氏が語った

「対テロ戦争が推定100万人のイラク国民の命を奪った後、現在われわれが直面しているのは約10万人のテロリストだ。ISはブッシュの『申し子だ』」

「子どもが1人殺されるたびに新たなテロリストが生まれる。戦争はブーメランだ。後になってテロの形態をとってしっぺ返しがやってくる」

という指摘は、私も多くの識者も何度も指摘していること。

 そして、同氏は、軍事的手段によらないIS打倒の方法として、

(1)湾岸諸国からの武器供給の停止

(2)トルコ国境封鎖による戦闘員流入の阻止

(3)シリアとイラクの国民的和解の促進

の3点を指摘しました。

明らかにトルコ国境に近いところに勢力を伸ばしている。



 イラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争のときも、経済封鎖でイラクを追い詰めるべきだったんです。

 むしろ、イラク戦争時点では、経済封鎖のやりすぎでイラクが弱りすぎ、子どもたちにも犠牲者が出ていたくらいです。

 南アフリカのアパルトヘイトを倒したのも、内側の反アパルトヘイト運動と外側からの経済封鎖。南アの「黒人」差別制度さえ打倒できるのですから、経済封鎖の威力は絶大です。

 即効性を求めて、武力行使をするのは愚の骨頂なのです。

「ここはお前たちが来る所ではない」トルコ・シリア国境「イスラム国」への最前線はあまりに緩く、誰が敵か味方かも判別できず混沌が渦巻いていた


 

 そもそも、「イスラム国」が闘えているのは、人がいて、武器があって、金があるから。

 空爆など武力行使は「イスラム国」の兵士を作るばかりですから、まず止めます。

 また、他国から「イスラム国」へ「義勇兵」的な人たちが流入しないように、国境を封鎖します。

 これで、「イスラム国」の兵士はやがて漸減を始めます。

 また、武器と原油の取引ができなくなれば、彼らの武器も資金源も途絶えるのです。

 誰かが彼らから原油を買って、武器を売っているから彼らは闘い続けている。

 空爆をしながら、彼らを援助しているのでは、まさにマッチポンプ(マッチで火をつけて、ポンプで水をかけているふりをすること)です。

原油を運ぶタンクローリーや武器を運ぶトラックではなく、市街地を攻撃する意味が解らない。

 


 シリア政府を倒すために「イスラム国」を見過ごしてきたと言われる欧米諸国、クルド民族運動を牽制するために「イスラム国」と取引をしてきたというトルコも問われなければいけませんし、今、空爆で火に油を注ぎだしたロシアも責任重大です。

 ヨルダンやレバノンなどの湾岸諸国の協力も必要不可欠です。

 「イスラム国」支配地域と周辺各国の国境を封鎖することこそ、最大のテロ対策です。

逆国境封鎖。イスラム教の過激派組織「イスラム国」がシリア北部の21の村を襲撃したことを受け、何千というクルド人たちがトルコ国境付近まで避難した。しかし、夜がふけてもこれらの避難民はトルコ国境を越えられず、シリア側にとどまっているという。9月18日、ロイターなどが報じた。

 

 

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より根本的には、欧米諸国によるアラブへの支配と利用、イスラム地域の貧困や不平等、絶対王政の問題など、手を付けるべき問題はいっぱいあります。

もちろん、日本も「イスラム国」と貿易してはなりませんが、国境封鎖は軍事力を行使するので日本は参加できませんし、するべきではありません。

日本ができるのは、格差是正などの経済・社会政策や、外交で調停役に回ることです。

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イスラーム国
アブドルバーリ・アトワーン (著), 中田 考 (監修), 春日 雄宇 (翻訳)
集英社インターナショナル
「『イスラーム国』メンバーへの綿密な取材に基づいた本書は、混迷の極にある中東を知るための必読書である。」- 内藤正典氏(同志社大学教授)、絶賛! 著者は、アルカーイダのビンラーディンへの単独インタビューでも知られるアラブ人ジャーナリスト。
西側が知らないイスラーム教とイスラーム社会に誰よりも精通した氏の、緻密かつ客観的取材、そして冷静な分析により、「21世紀最大の脅威」のすべてがついに明らかになる! 


なぜ、「平和」なはずのイスラーム教徒の中から、
イスラーム国のような怪物が
生まれてしまったのでしょうか?
 
 

開戦から10年、首相官邸で自衛隊イラク派遣の実務責任者を務めた著者が、アメリカの武力行使を支持した政府判断、自衛隊派遣のプロセスを正面から検証する。深い自省を込めて忌憚なき批判を行い、現在に至るまで安全保障政策の拠り所とされている「日米同盟」を、根幹から問う。

 
イラク戦争は民主主義をもたらしたのか
トビー・ドッジ (著), 山尾大(解説) (その他), 山岡 由美 (翻訳)
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本書は,明快な解説と鋭敏な分析を提供するコンパクトな一冊として高評価を得,学術書ながら英国『エコノミスト』誌2013年ベストブックスにも選出された.
 
 
世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃


ジョセフ・E・スティグリッツ (著), リンダ・ビルムズ (著), 楡井 浩一 (翻訳)

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イラク戦争におけるアメリカの出費は、12年にわたったベトナム戦争をすでに上回り、負傷兵の治療費や退役軍人の手当てなどを考慮すると、少なくとも3兆ドルにのぼる。しかし、戦況は混沌としたままで、復興の道は見えない―。この実りなき戦争に費やされた膨大な経費は、アメリカ経済、そして世界経済にいかなる衝撃をあたえているのか?
ブッシュ政権によるコスト隠蔽操作をあばき、戦争という巨大ビジネスが引き起こす負の連鎖を看破する。
ノーベル賞経済学者スティグリッツの衝撃作。



登場人物はすべて実名、その発言はすべて実録! 目からウロコが落ちる衝撃のアメリカ侵略戦争の歴史がコミックで語られる。

 

 

ウォールストリートジャーナル

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仏スーパー人質事件で警察に射殺されたアメディ・クリバリ容疑者 PHOTO: ASSOCIATED PRESS

 過激派組織「イスラム国」が西側の何千という人たちを引き付ける能力は現代史では前例がなく、最も恐ろしい成功と言えるかもしれない。このことが特に気がかりなのは、シリアに集まる女性や男性たちの大部分はイスラムへの新参者である。これはこの残忍な組織が超保守的な根幹をはるかに越えた魅力を高めていることの証左だ。

 テロ研究者によると、キリスト教からの改宗者であれ、無神論の家で育った人たちであれ、彼らはしばしば便宜船籍の旗を探し求める反逆者たちだ。これらの現在社会とそのルールを拒否する、新しいジハーディストの多くは、それが西側への最も明確な対比だという理由だけで、イスラム国の大量虐殺狂信的集団を受け入れている。

 仏トゥールーズ大学の西側外国人戦闘員の動向を調べているマシュー・ギデール氏は、半分以上は「幻滅した理想主義者と革命家だ」と推定。同氏は「彼らは世界を作り直したいと思い、ほかには何もないことから、ジハーディズムだけが代替イデオロギーだと判断している」とし、「彼らが本当に探しているのは武装闘争であり、彼らはそれをイスラム国で見いだした」と語った。

 情報当局者によると、シリアとイラクに渡った2万人の外国人戦闘員の約4分の1は欧州、北米、それにオーストラリアの出身。そのほとんどは移民ではなく、その国生まれの市民だ。この西側からの流入の規模は、以前のジハードの戦闘地域であるアフガニスタン、ボスニア、チェチェン、あるいは米国占領時期のイラクでの数に比べるとはるかに大きい。

 関係筋によれば、26日には、イスラム国の処刑の場面を映したビデオに何度か現れた、「ジハーディ・ジョン」として知られる覆面姿の戦闘員はロンドン出身の英国人ムハンマド・エムワジ容疑者と特定された。

 これらの西側出身の戦闘員たちの動機は現在のシリアとはほとんど関係がない。米国が支援する自由シリア軍(FSA)の司令官ニダル・サレム氏は「彼らがここにやって来るのは自分たちの国を憎んでいるからだ」と話した。同氏はシリア北部のアレッポで何人かの欧州ジハーディストと遭遇した経験がある。

 中東にまでやって来ないイスラム国信奉者たちはより危険な存在になり得る。その好例が、1月のパリでのテロ事件で5人―うち4人はユダヤ人向け食料品店内で―を殺害したアメディ・クリバリ容疑者だ。米当局は25日、ニューヨーク・ブルックリンに住むウズベキスタンとカザフスタン出身の男3人を、米国での襲撃とシリアのイスラム国への参加を計画したとして逮捕した。

 

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イスラム国への渡航を計画したとして逮捕された3人。出廷した際のスケッチ PHOTO: JANE ROSENBERG/REUTERS

 

 テロ専門家は、西側のイスラム国信奉者―しばしば裕福な育ちだ―と、1970、80年代のイタリアの「赤い旅団」や西独の「赤軍」などのホームグロウン・テログループを受け入れる若い男女との間には驚くほどの類似点があると指摘する。

 当時の共産主義思想―実際の共産主義国家では生命の恐怖があったにもかかわらず―はより良い、より公平な、より純粋な社会を約束していたように見えた。イスラム国のプロパガンダの最大の力は、今日の独自のユートピア的ビジョンでかつての共産主義と同じような感覚を与える能力で、欧州全域のうんざりした理想主義者、不適応者、冒険主義者らを引き付けている。共産主義者と同様に、イスラム国は世界的な福祉、無料診療、社会正義の実現を約束している。

 ノルウェー防衛研究所のテロ研究部門のトマス・ヘッグハマー部長は「それは極左活動家を生まれさせる不安感と基本的に同じだ」とし、「多くの若者は、資本主義中心の西側の制度は自分たちのためにあるのではなく、別の社会が作られているという同じ考えを持っている」と述べた。

 ヘッグハマー氏は、彼らの多くにとっては現在のイスラム国は70年代のソ連やキューバと同じで、「それは異なった社会モデルを目にすることのできる、極端に異なった場所」だとしている。

 イスラム世界から米国とその同盟国を排除するとのメッセージを出しているアルカイダとは異なり、イスラム国は世界征服というより野心的なプロジェクトを提示している。イスラム国はしばしばバチカンのサンピエトロ大聖堂をモスクに変えたイメージを用い、いずれ欧州をイスラム化するとの考えであからさまに同組織への勧誘を図っている。シリアとイラクにいる一部の欧州出身の戦闘員は、それほど遠くない将来、イスラムの征服部隊とともに自国に戻ると信じている。

 恰幅(かっぷく)のいいドイツ人アブ・カタダさん(本名クリスティアン・エムデ)は昨年12月、ユルゲン・トーデンヘーファー氏とのインタビューで、「われわれは最終的に帰国する。それは丁寧なあいさつを伴うものではなく、武器と戦闘員を伴う帰国だ。われわれは誰であれ、イスラムを受け入れない者、保護税を払わない者を殺す」と語った。トーデンヘーファー氏はイスラム教徒以外でイスラム国に招待された唯一のジャーナリストだ。

 

イランラジオ


 

ドイツの元議員で、作家のユルゲン・トーデンヘーファー氏が、アメリカのイラク占領はテロ組織ISISを作り出した要因だとしました。


トーデンヘーファー氏は、ISISなどの地域におけるテロ組織の結成の責任はアメリカにあるとしています。
トーデンヘーファー氏はまた、「アメリカとその同盟国がISISの拠点に対して行っている空爆は効果がなく、ISISの弱体化に何の影響も及ぼしていない。ISISの問題の唯一の解決策とは、アメリカのイラク戦争がイラクの国軍を弱体化させ、人々の重要な役割を脇に追いやった要因を検討することだ」と語りました。
さらに、「アメリカは地域で過激派が創出されるのを助ける条件を整え、地域諸国に対する連続的な侵略や扇動、騒動を作り出しながら、政府機関、とりわけ軍や地域の治安部隊を攻撃することで、テロの拠点が出現するのに適した雰囲気を作りだすことに加担している」と述べました。

 

 

2015年12月5日(土) しんぶん赤旗

空爆はIS喜ばすだけ

軍事手段でない方法提言

現地取材の独記者が寄稿 英紙

 11月13日のパリ同時テロ以後、フランスや英国などが相次いでシリア空爆への参加・強化に踏み切っています。これについて、西側のジャーナリストとして唯一過激組織ISから許可されて支配地域の取材をしたドイツ人記者が、「空爆はIS戦闘員を喜ばすだけだ」と批判する寄稿を英紙に寄せています。現地でIS戦闘員たちに直接インタビューし、彼らの行動を目撃しての結論として、空爆は新たなテロリストを生み出すだけだと警告しました。

 この記者は、ドイツで保守政党の国会議員を務めたこともあるユルゲン・トーデンヘーファー氏。英紙ガーディアン11月27日付で、「西側の政治家たちはテロリストの仕掛けたワナに落ち込んでいる」と指摘しています。

 同氏はアメリカのブッシュ前政権が始めた「対テロ戦争」について「対テロ戦争が推定100万人のイラク国民の命を奪った後、現在われわれが直面しているのは約10万人のテロリストだ。ISはブッシュの『申し子だ』」と告発しました。

 その教訓を学ばないまま、欧米諸国が現在強化しているシリア空爆についても、「子どもが1人殺されるたびに新たなテロリストが生まれる。戦争はブーメランだ。後になってテロの形態をとってしっぺ返しがやってくる」と主張しました。

 2014年10月にIS支配地域に滞在した同氏は、米国のジェット戦闘機や無人機の攻撃が迫るたびにISの護衛が素早く地元住民たちの中に消えていったことを紹介。空爆は、地元住民に被害を広げ、新たなテロリストをつくり出し、欧米との直接決戦をのぞんでいるIS戦闘員たちを「歓喜で満たすだろう」と述べています。

 同氏は、軍事的手段によらないIS打倒の方法として、(1)湾岸諸国からの武器供給の停止(2)トルコ国境封鎖による戦闘員流入の阻止(3)シリアとイラクの国民的和解の促進―の3点を提言しています。

 

 

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4 コメント

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うらはらに (リベラ・メ)
2015-12-06 11:38:09
ユルゲン・トーデンヘーファー氏の警告を余所に、ドイツ政府は“有志連合”への参加を決断し、イギリスも決断しました。それに呼応するかの様に、Franceでは極右勢力が幅を利かせています。ISは“笑いが止まらない”でしょうね…。
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もうひとつだなあ (L)
2015-12-06 20:41:18
 南アフリカの例を挙げているけど、あれは経済封鎖というよりボイコット。日本政府と財界はスト破りで儲けていて名誉白人という不名誉な称号を貰って喜んでいた。また、日本だけじゃなく当時のならず者国家である戒厳令下の中華民国、国連の非難決議の常習のイスラエル、軍事独裁政権の韓国などと商売をしていた。イスラエルの核開発は南アとつるんでいて核実験をやってもらっていた。また、南アは商売以外のスポーツや学術、芸能などあらゆる国際的な場所からも締め出され、また南アに宥和的な態度を取る個人や団体は社会的な制裁を受けた。サンシティでコンサートでも開こうものなら、激しい非難と不買運動で歌手生命を喪いかねなかった。南アによるナミビアなど周辺への軍事介入とそれへの反撃も白人政権を追い詰めたろう。
 言ってみればABCD包囲陣の中で、南アの白人政権は戦略的に降りたんだよ。だから、上手く取引して金持ちアフリカーナは今でも大金持ちで南アの矛盾の解消は極めて限定的だ。
 
 経済封鎖にはもちろん効果はあるけど、湾岸戦争後のイラクや朝鮮~のように、立場の弱いものほど餓死や病死など被害を受ける。イラクなんて100万人余計に死んだという。もうお忘れでしょうけど、イラクの病院で経済制裁のために薬がなくて子供たちがなすすべなく惨めに沢山殺されました。抗がん剤どころか抗生物質さえなくてね。また、元々乏しい食糧などの配給を握る為政者への依存度・忠誠心はむしろ高まり、制裁をする国際社会への憎悪が増す。歴史的に言って”窮乏革命"なんてあったっけ。たとえモノがあっても”信なくば立たず”というが、独裁者はカリスマだから信ありて立つのが現実。大日本帝国も機雷封鎖を受けて追い込まれていたけど、決め手は片思いのソ連が和平仲介どころか参戦して万策尽きたことだった。

 ロシアは悪いと言うのがレイさんの見立てのようだけど、国際法上、正統政府はアサド政権でそれに対してロシアを除く各国が直接間接的に軍事介入しているわけで、国際法上ロシアを除く各国が有罪で正式に依頼を受けたロシアの軍事行動は無罪どころか正当そのものじゃないの?
田岡俊治さんは
>国際法上も外国の内乱の際、政府を援助して治安を回復させるのは正当だが、反徒を援助するのは間接侵略に当たる。http://diamond.jp/articles/-/81498?page=3
>シリア政府は米軍などによるISへの航空攻撃は内心歓迎だから黙認しているが、「アサド政権打倒」を公言してきた米国などの地上部隊がシリア政府に無断で同国領内で行動するのは明白な国際法違反だ。http://diamond.jp/articles/-/82152?page=3

 あと経済制裁と軍事制裁は事実上イコールなことは経済制裁を食った大日本帝国が太平洋戦争を決断したことからもわかるでしょう。経済制裁は戦争を覚悟してやることです。
 あと、言えるのはシリアはまだ破綻国家までいっていないし、イラクもまあそうかなと言うことです。効果を上げるために完全に国境を封鎖するなら、政権ごと潰す覚悟でやる必要がありますが、それをやっていいの?ということとその後どうなるの?ちゃんとケツを持つ気があるわけ?というのも問わねばなりません。ガザのように真面目に封鎖し破綻国家にすれば、レバノンやアフガニスタンやユーゴスラビアのように20年くらいは内戦が続くでしょうね。当然、膨大な難民が出ますがどこで誰がいくらかけてどこまで面倒をみるのか?という問題になりますが、誰もが俺以外の誰かで自国以外と答えるでしょう。
 私は、出るのはいいが入るのを禁じればよいと思ってきましたが、今回は無理でしょう。
 じゃあ、どうすんだよ!と言うことになります。いい智恵はありません。欧米や湾岸諸国が責任を感じて反省し、手を突っ込むのを止めるのが前提。
 シリアについては、
>田岡俊次氏もこう言った。
「米仏が本気でIS全滅を目指すならば、アサド政権と和解し、シリア政府軍と一緒に戦うしかない。航空攻撃だけでは、全滅は困難です。米仏がアサド政権打倒を公言している限り、シリア政府は米軍、仏軍の地上部隊を受け入れられない。アサド政権と協力して、シリアの2大反政府勢力である『IS』と『ヌスラ戦線』を打倒し、内戦が終結すれば、難民の流出も止まる。国外に逃れた400万人のシリア難民、760万人の国内避難民も帰郷できる。一方、もし、アサド政権が倒れれば、次はISとヌスラ戦線の内戦が始まり、難民は帰れない。そもそも、米仏(注、他に湾岸諸国など)がアサド政権打倒を目指したことが、今日の事態の混乱を招いたのです」http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/169862
 アサド政権は世俗主義でイスラム主義者を厳しく取り締まってきたので、元に戻せばシリアから彼らはほぼいなくなります。
 イラクについてはいい答えは難しい。政府がシーア派政権で宗派対立・弾圧が酷いからだ。http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20150131-00042568/
>イラク戦争後に勃発した宗派間対立で、スンニ派住民は徹底的に、シーア派マリキ政権主導の血の弾圧を受け、大量に殺害されていった。イラク内務省直属の殺人部隊によって反政府的なスンニ派は次々と拘束され、処刑され、路上に見せしめのように死体が打ち捨てられた

 世俗政権を作れと外から言えた義理でもないし、イラクをスンニー国とシーア国に分割しろともいえない。少数派のスンニー派も3割くらいいるので善悪を棚上げしたとして、国際的に放置して追い出したり全滅させることも出来ない。スンニー派が勝ってシーア派を屈服させることもありえない。広い上に国連に対する恨みも強いようなので、国連が軍を送って衝突を防ぐのも難しそうだ。余り効果がないことや中途半端にしか出来ないことでも出来るだけやりつつ、和解を仲介し、なるようになるまで何十年かかけるしかないだろう。ひとたび破壊された生態系が元に戻るには非常に長い期間がかかるけれど、社会も同じなんだろう。ネオコンがニューワールドオーダーとかと称してご都合主義で軍事介入した結果がこれである。
 こいつらを捕まえて裁き落とし前を付けさせられない社会では、こうしたことは何度でも起こるし、今の問題もマシには出来ないだろう。もちろん、私たちはこの問題に深く加担しているし、このラムズフェルドのようなネオコンどもを捕まえて裁き罰するどころか日本の最高位の勲章を上げて褒めちぎっているわけだ。ヨーロッパでは私人による逮捕の対象の極悪戦争犯罪者だというのに。まあ、私がそういったら「君、買い被り過ぎだよ。15年間で私が殺したのはヒロヒトの僅か10分の1にも満たないちっぽけなものだ。」と言って呵呵大笑するのでしょうが。
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2015-12-07 13:27:06
 ISは、米英その他に依るイラク侵略後に、米国が旧バース党を始めとしてイラク旧体制派を一掃したことを契機に結成されたことが明らかになって来ています。

 イラク侵略その他の西欧諸国に依る中東への何世紀にも渡る干渉が今日の姿であり、テロは、干渉した諸国へ帰還しているのです。

 即ち、今日では、例えば、米国内のテロは、Made In USAの様相を呈しています。 その他西洋諸国でも同様です。

(参照)

米国内で急増するISISシンパ、逮捕者も3倍以上に CNN.co.jp 2015.12.02 Wed posted at 10:51 JST
http://www.cnn.co.jp/usa/35074322.html

 先日に生じた銃撃事件も、テロとの観方をFBIが表明し、犯人の親族がその事実を認めています。

(参照)

米乱射事件の容疑者、「ISISに賛同」 父親が語る CNN.co.jp 2015.12.07 Mon posted at 10:39 JST
http://www.cnn.co.jp/usa/35074523.html

 こうした事実からは、空爆するなら、自国を空爆する必要があるのではないか、との疑問を抱かせます。

 いくらシリアを空爆しても、肝心の空爆された土地からでは無く、空爆した国の内側からテロリストが出現することになります。 では、何故、空爆するのでしょうか。 

 まず、何の効果も無いどころか、テロリスト養成の契機になっている空爆を停止するのが第一でしょう。 

 次には、国内治安の秩序立った回復と、軍部では無く、警察機関の再編成と刑事警察力の強化が必要でしょう。 

 テロは、軍では防げません。 テロリストを追いつめるのは、地道な刑事警察力です。 このことを米国では、忘却したかのように警察の軍隊化を進めて来ましたが、結果は、一般国民への過剰な実力の行使であり、テロ防止には何の効果もありませんでした。

 日本を始めとした諸国は、この教訓に学ぶ必要があるでしょう。
返信する
裏ボス (kei)
2015-12-08 11:47:59
アメリカ(軍産複合体)のバックにはイスラエルが居ます。
トルコの石油の半分はイスラエルへ流れているとのこと。

ロシアが正義とまでは言いませんが、プーチンは早い段階から全てを見抜いて行動しているように見えますね。
空爆も米軍のように民間人を「誤爆」するような真似はしておらず、あくまでも輸送ルート潰しですから、このまま欧米の民間人虐殺を放置するより良かったのではないかと思います。今のところは。

また、オバマは軍産複合体にはあからさまには逆らえないので、密かにプーチンのプランに乗る方向で引きどころを探っているように見えます。





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