私が尊敬する澤藤統一郎弁護士が、「健康」サプリメントで有名なDHC吉田会長から訴えられたDHCスラップ訴訟の控訴審。
東京高裁での口頭弁論第一回期日が明日クリスマスイブの2015年12月24日に行われます。
超有名ベテラン弁護士で(ひそかに私は日本最高と思っている)、第一審で完勝しておられる澤藤先生でさえ、この口頭弁論に多数の傍聴人が詰めかけていただけると、非常に心強いとおっしゃっています。
期日は12月24日午後2時から(万一座れなかったら入れなくなるので、午後1時45分には入ったほうがいいと思います)。
法廷は、東京高裁822号法廷。
(東京地裁と同じ建物で同じエレベーターで8階に行けば入れます。憲法上の制度である法廷の公開、傍聴の自由により、なんら特別な手続きを経ずに着席できます。良い社会経験になると思います)。
特典として、澤藤先生をはじめとする趙高名弁護士たちを見られるだけでなく、義を見てせざるは勇無きなり弁護団の一人として、私が被控訴人弁護団の末席に座りますので、その雄姿が見られます(全然特典じゃない!!?)。
ぜひ、デートコースに東京高等裁判所を組み入れて、憲法と裁判と人権保障を体感してください!(もちろん、デートでない方も大歓迎!!)。
岩上安身さん(一番左)のIWJでも、梓澤和幸先生(一番右)とともに常連の澤藤弁護士(中央)。
人権派弁護士の大家として知られる澤藤統一郎弁護士が、DHCの吉田会長が8億円!ものお金を元みんなの党党首である渡辺喜美議員に渡したことをブログで批判したのに対して、総計6000万円!もの慰謝料を請求された事件が、このDHCスラップ訴訟。
スラップとは顔をはたくこと、平手打ちのこと。高額の請求をして表現の自由を圧殺するのがスラップ訴訟。
明日一回で結審・判決の予定ですので、ぜひ、応援よろしくお願いいたします。
しっかし、ブログで論評を書いただけで数千万円もの損害賠償請求を受けるとなったら、だれでもビビりますよ。面倒くさくてそういう相手については何も書けなくなります。それがまさにスラップ訴訟の目的なわけで、これはブロガー弁護士としても黙っていられません。
以下、澤藤先生のブログ、その名も澤藤統一郎の憲法日記から、抜粋です。
1 スラップ訴訟とは
スラップ訴訟とは何か。どうしたらスラップ訴訟を根絶できるか。ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第55弾より
☆スラップ訴訟とは何か
私はスラップ訴訟を、「政治的・経済的な強者による、目障りな運動や言論の弾圧あるいはその萎縮効果を狙っての不当な提訴」と定義している。スラップを、「運動弾圧型」と「言論抑制型」に分類することが有益だと思う。
「運動弾圧型」は政策や企業活動に反対する運動の中心人物を狙い撃ちする訴訟であり、「言論抑制型」は自分に対する批判を嫌忌しての高額損害賠償提訴。どちらも提訴を手段として、強者の意思を貫徹しようとするもの。いやがらせと恫喝、そして萎縮効果を狙う点で共通している。
かつて、同時代社出版の「武富士の闇」の記事が名誉と信用を毀損するとして武富士が訴えた。被告にされたのは、執筆担当の消費者弁護士3名と出版社。そのとき、私は被告代理人を買って出て筆頭代理人を務めた。当時、「スラップ訴訟」という言葉がなかった。あったのかも知れないが知られていなかった。この言葉が知られていれば、訴訟実務にも、世論の理解を得るためにも非常に有益だったと思う。同種訴訟が増えてきた現在、その概念の浸透のための努力が一層必要となってきている。
損害賠償請求の形態を取るスラップは、運動や言論への恫喝と萎縮効果を狙っての提訴だから、高額請求訴訟となるのが理の当然。「金目」は人を籠絡することもできるが、人を威嚇し萎縮させることもできるのだ。
DHC・吉田は、私をだまらせようとして、非常識な高額損害賠償請求訴訟を提起した。言論封殺を目的とした高額請求訴訟、これが言論抑圧型スラップの本質である。DHC・吉田は、同じ時期に、同じ「8億円授受問題」批判で、私の事件を含めて10件の同種事件を提訴している。莫大な訴訟費用・弁護士費用の支出をまったく問題にせずに、である。被告とされたのは、私のようなブロガーや評論家、出版社など。最低請求額は2000万円から最高は2億円の巨額である。
直接に口封じをねらわれ、応訴を余儀なくされたのはこの10件の被告である。しかし、恫喝の対象はこの被告らだけではない。広く社会に、「DHC・吉田を批判すると面倒なことになるぞ」と警告を発して、批判の言論についての萎縮効果を狙ったのである。
このような訴権の濫用には、歯止めが必要だ。この間、スラップの被害者の何人かの経験を直接に聞いた。皆が、高額請求訴訟の被告となる心理的な負担の大きさについて異口同音に語っている。高額請求訴訟の被告とされた者に、萎縮するなと言うのが無理な話なのだ。弁護士の私でさえ自分の体験を通じて、そのことがよく理解できる。
第一審全面勝訴を受けての記者会見。
2 澤藤弁護士に対するDHCスラップ訴訟とはどんな訴訟か
「DHCスラップ訴訟」控訴審の口頭弁論期日はクリスマスイブにー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第53弾より
私が被告とされ、6000万円の損害賠償を請求されているのがDHCスラップ訴訟。
念のためだが、「DHC」とはテレビや新聞・雑誌で宣伝を繰りかえし顧客を通販の会員に抱え込む手法で、健康食品や化粧品を販売している大手の企業。その会長が吉田嘉明で、大儲けして大金持ちを自称する人物。「スラップ訴訟」とは、「自分に不都合な言論を妨害し萎縮させることを狙った訴訟」のこと。DHCと吉田の両者が、私の言論を妨害する訴訟を提起し、それを通して社会全体に「DHC・吉田を批判すると面倒なことになるぞ」と恫喝して萎縮効果を狙っているのだ。
そのDHCスラップ訴訟の一審では完敗したDHC・吉田が控訴し、その控訴審が動きはじめた。控訴審第1回口頭弁論期日がクリスマスイブの日に決まった。なんの根拠もないが、何かよいことありそうな日程。12月24日午後2時から。法廷は、東京高裁庁舎822号法廷。地裁庁舎と同じ建物だが、高裁だけに地裁法廷よりは上階の8階に法廷がある。なんの手続も不要なのだからぜひ傍聴にお越し願いたい。表現の自由をめぐる闘いの現場で訴訟の経過を見守っていただきたい。表現の自由を守ろうとする被控訴人側の弁護団に心の内での声援をお願いしたいし、DHC・吉田側で代理人として出廷する弁護士の顔をよく見てやってもいただきたい。
なお、控訴審の係属部は東京高裁第2民事部(総括裁判官・柴田寛之(29期))、事件番号は平成27年(ネ)第5147号である。
今日から、口頭弁論期日まで1か月半。その間の控訴審の進行について、その都度逐一ご報告したい。何が論点になっていて、双方がどのような主張をしているのか。吉田嘉明自身が、どんな陳述をしているか。また、DHC・吉田が起こして負けつづけている他のスラップ訴訟についても、差し支えない範囲で公表したい。事件進行の詳細な公表は、自ずからDHC・吉田に対する批判の材料の提供となろう。貴重な資料だと思う。ぜひ、多くの人に転載し拡散していただくようお願いしたい。
当ブログでは、これまでDHCと吉田嘉明に対する辛辣な批判を55回にわたって行ってきた。そのうち3回は、吉田嘉明が「みんなの党」渡辺喜美に巨額の裏金を提供したことについての批判。残る52回は、DHCと吉田が私の言論を封殺する目的でスラップ訴訟を提起したことについての「DHCスラップ訴訟を許さない」という批判である。
文章も素晴らしいが話芸も達人。今回の法廷後の報告集会も楽しみです。
読み直して、私の批判はまだ足りない、生温い、と思う。質的にも量的にも、もっと批判を徹底し、もっと多くの人々にDHCと吉田嘉明の、不当・違法を天下に知らしめたい。世の中の隅々まで、「DHCといえば、あのスラップ訴訟の常習者」という常識を広げたい。連想ゲームで、「DHC」といえば、条件反射的に「巨額政治資金提供」「裏金」「スラップ」「言論封殺」「厚生行政規制も消費者行政規制大嫌い」「社会的規制の緩和」「敗訴に次ぐ敗訴」などと誰もが口を突いて負のイメージの言葉を発するまでにさせたい。「スラップ訴訟とは天に唾するもの、結局は自らに報いを招くもの」と身に沁みさせて、今後の戒めになるようにである。
私のDHC・吉田に対する徹底批判の動機の半分は私憤である。私怨と言ってもよい。私は、喧嘩を売られた。しかも、最初は2000万円、後には6000万円の訴訟上の請求を武器にしてのことである。吉田は、その武器を振りかざして、私を「黙れ」と恫喝したのだ。私は、この汚いやり方に心底怒った。徹底的に反撃せずにはおかないと決意をした。以来、どうすれば、この怒りを最も効果的なDHC吉田に対する打撃に転化できるか、それを考え続けている。この憤りと怨みは永久に消えることはない。この私憤あればこそ私は闘うのだし、多くの人の共感を得ることもできるのだ。
もちろん、私のDHC吉田に対する批判の動機のすべてが私憤というわけではない。半分は公憤であり、理念に基づくものなのだ。私は自らの信念に従った政治的な言論によって、まったく思いがけなくもスラップ訴訟の被告となった。はからずも、憲法上の表現の自由を盾に闘わざるを得ない立場に立たされたのだ。私は、憲法21条の旗を立て、いささかでもこの旗の立つ位置を進めなければならない。
だから、経過を詳細に当ブログで報告して、多くの人に知ってもらい、言論弾圧の一手段たるスラップ訴訟に対する闘いの一典型を示そうとしているのだ。スラップの原告となったDHC・吉田には、結局はスラップの提起が己の不見識を天下に曝す結果となることを自覚してもらわねばならない。社会には、DHC吉田のごときスラップ提訴の常習者に対しても批判の言論の萎縮があってはならないことを示さなければならない。そして、社会悪としてのスラップ訴訟をどうしたらなくすることができるのか、スラップ訴訟提起者や加担者の責任と制裁はどうあるべきか考えていただくよう、問題提起し材料を提供しなければならない。
具体的には、これから当ブログで、改めてDHC・吉田が何をしたのか。それを私が、どのように批判したのか。それに対して、どのようなスラップ訴訟が提起され、原審ではどのような主張の応酬があったのか。そして、一審判決はどのような内容で、これにDHC吉田はどのような控訴理由を書き、控訴審の争点の内容はどのようなもので、双方がどのような主張をしているのか。あと一か月半。細大漏らさず、ご報告したい。ご期待を乞う次第。
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元朝日新聞記者の植村隆氏に対する嫌がらせが続いた北星学園大学事件で、弁護団を結成し、犯人たちを告訴した際の共同代表の阪口徳雄弁護士(左)と澤藤弁護士(右)。
なお、前回ブログの一部を再掲する。経過をご理解いただきたい。
一連の事件の構造は単純なものだ。一方に、政治家に金を出して政治を動かそうとするスポンサー(吉田嘉明)がいて、他方に金をもらって政治活動をしようという政治家(渡辺喜美)がいる。双方の思惑が噛み合って、巨額のカネの授受がなされた。その額8億円。
もちろん、日の当たるところでの金の授受ではない。政治資金規正法上の政治資金収支報告書にも、公職選挙法上の選挙運動費用収支報告書にも記載がない。政治資金や選挙運動資金の流れを可能な限り可視化して国民の批判に曝すことが両法の理念なのだから、もともとは表に出なかったこの8億円は「裏金」といって不都合はない。
この裏金、政治資金あるいは選挙運動資金であることに疑いはない。政治への影響力を意図して、吉田から渡辺に渡されたこの巨額の裏金はいったい何を狙ってのものか。どのような政治を求めてのものであろうか。
DHC・吉田は、企業経営者として労働行政や公正取引ルールなどの一般的行政規制に服するだけでなく、薬事行政や健康食品行政上の規制、消費者行政上の厳格な規制を受ける立場にある。いずれも、主として消費者の健康を守るための、典型的な社会的規制である。まさかDHC吉田が、消費者の健康や労働者の利益のために、規制を強化し厳格化するための政治を求めてカネを出すことなどおよそ考えられない。「行政規制の緩和」のために「官僚と闘う」政治を目指して、吉田と渡辺の思惑は一致し裏金が動いた。こう見るのが、社会の常識というものだ。
いったんは思惑噛み合った両者に、たまたま齟齬が生じて、吉田が週刊新潮誌上に暴露記事を書いた。このことから、裏の金が表に出た。つまりはたまたまの事情で8億の裏金の存在が世に知られた。おそらくはこれが氷山の一角で、政治の裏面には、もっと口の固い連中同士の表に出ない類似の金がうごめいているのではないだろうか。
さらに強調したいことは、この裏で行われた吉田から渡辺への金の授受が、実際には政治資金あるいは選挙運動資金ではあっても、政治家個人に貸したという形式をとりさえすればお咎めなしとするなら、政治資金規正法も公職選挙法も、役立たずのザル法である。本件金銭授受の当事者である両者の行為が、透明性を徹底し量的規正を設けた法の趣旨に反していることは明らかである。こんなやり方の脱法を許してはならない。カネを出した方も、受けとった方も、厳格に処罰できる法の整備が必要だ。そうでなければ、いつまでも金にまみれた薄汚い政治の浄化はできない。
私は、予てから政治とカネの問題に関心をもっていたが、この事件でメディアが渡辺だけを叩いて、スポンサー側のDHC・吉田の行為を弾劾しないことを強く不満に思った。そこで、週刊新潮に吉田の手記が発表された直後に、DHC・吉田の側を批判するブログを3本書いた。下記のとおりである。これが、損害賠償の根拠とされた。
どんな「罵詈雑言」が2000万円の賠償の根拠とされたのか、興味のある方もおられよう。ぜひ下記3本のブログをご覧いただきたい。
http://article9.jp/wordpress/?p=2371
「DHC・渡辺喜美」事件の本質的批判
http://article9.jp/wordpress/?p=2386
「DHC8億円事件」大旦那と幇間 蜜月と破綻
http://article9.jp/wordpress/?p=2426
政治資金の動きはガラス張りでなければならない
いずれも、DHC側から「みんなの党・渡辺喜美代表」に渡った政治資金について、「カネで政治を買おうとした」とする批判を内容とするものである。
何を血迷ったか、DHC吉田は、この私のブログが名誉毀損に当たる違法な記事だとして、いきなり2000万円の損害賠償請求訴訟を提起した。私だけでなく、同様の批判をした10人に対しても一斉の提訴だった。カネに飽かせた乱暴極まる提訴。敗訴してもともと、「DHC吉田を批判するとこのような面倒になるぞ」という恫喝の実績を狙った、典型的なスラップ訴訟である。
私は、この提訴自体が怪しからんと「DHCスラップ訴訟を許さない」シリーズを書き始めた。そしたらどうだ、2000万円の請求金額は6000万円に跳ね上がった。この請求拡張の経過自体が、スラップであることを自ら証明している。ところで、このシリーズは以下のとおり、既に52回にわたっている。下記のURLを開いてたどれば、すべて読める。読み物としてもなかなか面白いのではなかろうか。
http://article9.jp/wordpress/?cat=12
2014年7月13日 第1弾「いけません 口封じ目的の濫訴」
14日 第2弾「万国のブロガー団結せよ」
15日 第3弾「言っちゃった カネで政治を買ってると」
16日 第4弾「弁護士が被告になって」
2015年9月2日
第51弾「全面勝訴・ご支援に感謝 表現の自由が輝いた」
さて、DHC吉田は9月2日東京地裁での全面敗訴判決を得て控訴した。これから、東京高裁での控訴審が始まる。
私は、スラップ常習のDHC吉田の恫喝に屈してはならないと覚悟を決めている。私は理不尽に黙れと言われれば、精一杯の大声を出さねばならないと思うタチなのだ。けっして、DHC吉田に対する批判に、萎縮や遠慮があってはならない。言うべきことを軋轢を恐れて自主規制してはならない。むしろ、もっともっと声を大きく、その不当を糾弾し続けなくてはならない。
ぜひ、ご支援をお願いしたい。そして、政治とカネの問題。消費者利益と行政規制の問題。さらに、政治的言論の重要性と、これを封殺しようとするスラップ訴訟の不当性を重大なこととしてお考えいただきたい。
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3 DHCスラップ訴訟12月24日控訴審口頭弁論期日スケジュール
DHC・吉田嘉明が私を訴え、6000万円の慰謝料支払いを求めている「DHCスラップ訴訟」。本年9月2日一審判決の言い渡しがあって、被告の私が勝訴し原告のDHC吉田は全面敗訴となりました。しかし、DHC吉田は一審判決を不服として控訴し、事件は東京高裁第2民事部(柴田寛之裁判長)に係属しています。
その第1回口頭弁論期日は、
クリスマスイブの12月24日(木)午後2時から。
法廷は、東京高裁庁舎8階の822号法廷。
ぜひ傍聴にお越しください。被控訴人(私)側の弁護団は、現在136名。弁護団長か被控訴人本人の私が、意見陳述(控訴答弁書の要旨の陳述)を行います。
また、恒例になっている閉廷後の報告集会は、
午後3時から
東京弁護士会502号会議室(弁護士会館5階)A・Bで。
せっかくのクリスマスイブ。ゆったりと、楽しく報告集会をもちましょう。
弁護団報告は、表現の自由と名誉毀損の問題に関して、最新の訴訟実務の内容を報告するものとなることでしょう。
表現の自由を大切に思う方ならどなたでもご参加ください。歓迎いたします。
4 『DHCスラップ訴訟』控訴審にご支援を
このブログに目をとめた弁護士の方で、『DHCスラップ訴訟』被控訴人弁護団参加のご意思ある方は東京弁護士会の澤藤(登録番号12697号)までご連絡をお願いします。
また、控訴審の訴訟費用や運動費用に充当するための「DHCスラップ訴訟を許さぬ会」の下記銀行口座を開設しています。ご支援のお気持ちをカンパで表していただけたら、有り難いと存じます。量的規制は設けませんが、くれぐれも多額に過ぎることのございませぬように。
東京東信用金庫 四谷支店
普通預金 3546719
名義 許さぬ会 代表者佐藤むつみ
(カタカナ表記は、「ユルサヌカイダイヒョウシャサトウムツミ」)
「日の丸・君が代」を強制してはならない―都教委通達違憲判決の意義 (岩波ブックレット) | |
澤藤統一郎 著 | |
岩波書店 |
2006年9月、東京都教育委員会による教職員への「日の丸・君が代」強制を違憲とする東京地裁の判決が言い渡された。その判決文を読み、意義を考える。提訴の理由や原告401人にとっての「日の丸・君が代」の意味も語る。
前夜[増補改訂版] | |
現代書館 |
安保法案の成立を受け、56頁、約50項目の注釈を追加! (定価は据え置き)
自民党改憲案と現行憲法を、その前文から補則まで徹底的に比較・解説し、そして熱く熱く語り尽くす。権力を縛るはずの憲法を、逆に縛りから権力を解放する方向へ書き改めようとする自民党のトンデモ改憲案は許さない! 安倍首相が目指す「緊急事態条項」。危機を口実に無制限の権力を握った指導者は、原発を抱えて亡国の戦争へと向かうのか!? 安保法案、TPP参加、特定秘密保護法、原発再稼働等と「憲法改悪」「米国の命令」との密接な関わりを約300項目に及ぶ注釈を付け、本気で伝えます!
私よりさらに20年先輩という大弁護士です。
うん、年齢や経験だけではなくて、その勇気・賢明さ・行動力、人としてのあり方を評していえば、まさに大弁護士がふさわしい。
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みんなの党(解党)の渡辺喜美・元代表が、化粧品大手DHCの吉田嘉明会長から8億円を借り入れていたことが2014年春に発覚し、大きな騒動になった。そのころ、この問題を取り上げたブログ記事で名誉を傷つけられたとして、DHCと吉田嘉明会長が、ブログを書いた澤藤統一郎弁護士に対して、6000万円の損害賠償を求めていた。しかし、東京地裁(阪本勝裁判長)は9月2日、ブログの内容に「違法性はない」として、原告である吉田会長らの請求を棄却し、訴訟費用を原告負担とする判決を下した。
勝訴判決を受けて、被告の澤藤弁護士が東京・霞が関の司法クラブで記者会見し、「これは言論への萎縮効果を狙って起こした裁判だ」「ありあまった金で訴訟を乱発することが許されて良いのか。腹が煮えくりかえる思いだ」と話した。
DHCの広報は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「判決に不服があるので、控訴する」とコメントした。
●「意見・論評としての域を逸脱していない」
裁判で争点となっていたのは、澤藤弁護士が2014年3月〜8月にかけてブログ「澤藤統一郎の憲法日記」にアップした複数の記事。
東京地裁は、これらの記事はいずれも、吉田会長が発表した手記などをもとに書いた「意見・論評」であると認定。吉田会長らの社会的評価を低下させる記述が含まれていると指摘したが、いずれの記述も公共性があり、前提としている事実に真実性・真実相当性があると判断した。「政治家に金を出して利益をむさぼろうという輩」といった吉田会長について揶揄するような表現も、意見・論評としての域を逸脱しておらず、違法性がないと認定した。名誉感情の侵害もないとした。
澤藤弁護士らによると、DHCと吉田会長が「8億円問題」への批判に対しておこした名誉毀損訴訟は、少なくとも10件あり、現在9件が係属中。今日の判決は、地裁判決としては3件目になる。先行している2件はいずれも、1審と控訴審でDHC・吉田会長側が敗訴し、最高裁に上告中だという。
●言論を封殺する「SLAPP訴訟」とは認められず
澤藤弁護士側は、請求額が6000万円と高額である点や、訴訟を起こす前に、警告や吉田会長からの反論がなかったことなどを理由に、「自己に不都合な言論を封殺しようとするSLAPP(スラップ)訴訟だ」として、裁判所が訴訟を却下すべきだと主張していた。だが、この点について判決は、ブログ記事に断定的・強い表現の批判が含まれており、適法かどうかの判断が「必ずしも容易ではない」として、被告側の主張を退けた。
2015年09月02日
(株)DHCと会長・吉田嘉明氏による弁護士ブロガーに対する高額請求訴訟、DHC側が敗訴
DHCおよび会長・吉田氏による、吉田氏の週刊新潮への手記発表後の訴訟提起は、東京地裁で確認されているだけでも10件におよび、雑誌を発行した出版社、記事執筆者、業界紙、ブロガー、ツイッターの利用者を対象に、いずれも2000万円~2億円と幅があるものの高額の損害賠償を求めるものとなっている。(うち出版社に対する1件は取下げ)
一連の裁判は現在までに、弁護士・折本和司氏のブログ記事、経済評論家・宋文洲氏によるツイッターのつぶやきに対する2件の裁判で控訴審判決までが出され、いすれもDHCと吉田氏側の請求が退けられている。来月10月14日には通販新聞社に対して1億2000万円を請求した裁判の判決が出される。
本日の判決では、澤藤氏側の本訴訟をスラップ訴訟だとして訴権の濫用だとする主張は認められなかったものの、問題のブログ記事は週刊新潮の手記の内容の事実を前提として意見を述べたものであるとし、さらに本訴訟をスラップ訴訟だと銘打って記事を書いた点についても、その意見の当否はともかく、批判的言論を封じるための訴訟であると推論して意見を展開することは論理的関連性のある範ちゅうに属することとされた。
またDHCおよび吉田氏による裁判は、名誉毀損を理由とする高額請求訴訟だけでなく、リベラルタイム出版社に対しては、出版物の販売禁止とウェブサイトからの記事削除を求める仮処分申し立て事件があり、いずれもDHC側の訴えが却下されている。
DHC吉田会長に訴えられた澤藤統一郎弁護士
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化粧品会社DHCの吉田嘉明会長が、ブログに書かれた内容で個人と会社の名誉を傷つけられたとして、執筆した弁護士に対して損害賠償の支払いを求めた裁判が、8月20日、東京地方裁判所で開かれた。吉田会長は自身についてブログや記事で批判した弁護士やジャーナリストを相次いで訴えている。裁判で、被告の弁護士は「社会的な強者が自分に対する批判を嫌って裁判を起こしたもので、このような裁判は法の許すこところではない」と主張して争う姿勢を示した。(アイ・アジア/鈴木祐太)
●吉田DHC会長「ブログで名誉棄損2000万円払え」
訴えられているのは東京弁護士会の澤藤統一郎弁護士。
訴状などによると、澤藤統一郎弁護士は自身のブログに、吉田会長が渡辺喜美議員に8億円を貸し付けたことについて「金で政治を買おうというこの行動は徹底して批判されなくてはならない」などと書き、吉田会長と会社としてのDHCの名誉を毀損したとして、吉田会長は、総額2000万円の損害賠償の支払いを求めている。
8月20日に東京地方裁判所で開かれた初めての裁判で、澤藤弁護士はブログの記述を認めた上で、
「仮にもし、私のブログによる言論について、いささかでも違法の要素ありと判断されるようであれば、およそ政治に対する批判的言論は成り立たなくなる」と述べた。
●「不透明な資金が渡辺議員へ 批判甘受すべき」
さらに、澤藤弁護士は裁判所に対して、訴えを却下するよう求めて、次のように述べた。
「仮に私のブログによる表現によって原告らが不快に感じるところがあったとしても、彼らはそれを受忍しなければなりません。原告両名はこの上ない経済的強者です。サプリメントや化粧品など国民の健康に直接関わる事業の経営者でもあります。原告らは社会に多大の影響を与える地位にある者として、社会からの批判に謙虚に耳を傾けるべき立場にあります。
それだけではありません。原告吉田は、明らかに法の理念に反する巨額の政治資金を公党の党首に拠出したのです。しかも、不透明極まる態様においてです。この瞬間に、原告らは、政治家や公務員と同等に、拠出したカネにまつわる問題について国民からの徹底した批判を甘受すべき立場に立ったのです。これだけのことをやっておいて、「批判は許さない」と開き直ることは、それこそ許されないのです」
裁判後の報告会の様子
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●吉田会長側 賠償額を増額も検討
これに対して原告の吉田会長の弁護人は、「社会的に信用のある弁護士が執筆したブログであり、多くの人が信用する恐れが有る」と主張し、損害賠償の額を2000万円から更に増額する考えを明らかにした。
裁判で、吉田会長の弁護人は、「ブログの記載は事実を書いたのか、論評なのか」と澤藤弁護士に尋ねた。これに対して被告側の主任弁護士は「論評だ」と答えた。
裁判長は石栗正子裁判官。次回の裁判は9月17日午前10時30分から東京地方裁判所705号法廷で開かれる。
●10件にのぼる吉田会長による提訴
澤藤弁護士の弁護団によると、吉田会長が自身をブログや記事で批判した弁護士やジャーナリストに対して名誉毀損で訴えた裁判は10件にのぼるという。裁判の後に東京弁護士会で開かれた報告集会で、澤藤弁護士は、
「これは金にものを言わせて言論を封殺するいわゆるスラップ訴訟だ」
と発言。
ジャーナリストの北健一氏は、
「訴えることによって、委縮させるのが狙いだ。黙らないということが大事」と述べて吉田会長の姿勢を批判した。また、上智大学の田島泰彦教授(メディア法)は、
「こうしたスラップ訴訟は損害賠償額の高額化の中で出てきたもので、表現の自由やスラップ訴訟対策を考えていなかければいけない」
と訴えた。
参加者からは、仮に勝訴しても被告には多大な負担が生じることから、こうした訴訟の提起について一定の歯止めをかける必要があるのではないかという意見も出された。
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氏は、リベラル陣営の中にあっても、陣営の非に対してさえ、歯に衣着せずものを言われる気骨の人です。
さて、凡そ、法学を志す者にとっては必読の書とも言える彼のイェーリング(Rudolf von Jhering)の「権利のための闘争」(Der Kamp ums Recht)にあるところの有名な一節には、こうあります。
「法の目標は平和であり、それに達する手段は闘争である。」
これは、矛盾した命題のように見えながら、本質を云い得ているのです。 何故ならば、「法が不法からの侵害に備えなければならないかぎりーしかもこのことはこの世のあるかぎり続くであろうー、法は闘争なしではすまない。」
そして、イェーリングは断言します。 「法の生命は闘争である。」と。
澤藤弁護士は、スラップ訴訟において自身が表現の自由を守り、発展させるために「闘争」をされておられるのです。
私も、身は、大阪の地にありて、その戦いに加わりたいと思います。
今回はその中でも白眉のコメント、あまりにも素晴らしいので、弁護団メーリングリストを通じて澤藤先生や他の弁護団員にご紹介しておきました。
事後報告になって申し訳ありませんが、ご承認のほど、よろしくお願いいたします。
おかげさまで、明日の集会でブロガーとして一言お話しすることになりました。
重ね重ねありがとうございました。
澤藤先生から
「万国のブロガー団結せよ-『DHCスラップ訴訟』を
許さない・第2弾」
http://article9.jp/wordpress/?p=3061
「ブロガーは自らの思想や感性の表明に関して、妨害されることのない表現の自由を希求する。わけてもブロガーが望むものは、権力や経済的強者あるいは社会的権威に対する批判の自由である。プロガーの表現に不適切なところがあれば、相互の対抗言論によって是正されるべきである。ブロガーの表現の自由が実現するときにこそ、民主主義革命は成就する。万国のブロガー万歳。万国のブロガー団結せよ」
『DHCスラップ訴訟』の被告になって以来、ブログ・ブロガーを見る私の目は明らかに変わってきた。私もブロガーの1人だが、ブロガーというのはたいした存在なのだ。これまでの歴史において、表現の自由とは実質において「メディアの自由」でしかなかった。それは企業としての新聞社・雑誌社・出版社・放送局主体の自由であって、主権者国民はその受け手の地位に留め置かれてきた。メディア主体の表現の受け手は、せいぜいが「知る権利」の主体でしかない。
ブログというツールを手に入れたことによって、ようやく主権者一人ひとりが、個人として実質的に表現の自由の主体となろうとしている。憲法21条を真に個人の人権と構想することが可能となってきた。「個人が権利主体となった表現の自由」を手放してはならない。
だから、「立て、万国のブロガーよ」であり、「万国のブロガー団結せよ」なのである。各ブロガーの思想や信条の差異は、今あげつらう局面ではない。経済的な強者が自己への批判のブログに目を光らせて、批判のブロガーを狙って、高額損害賠償請求の濫訴を提起している現実がある。他人事と見過ごさないで、ブロガーの表現の自由を確立するために声を上げていただきたい。とりわけ、弁護士ブロガー諸君のご支援を期待したい。
いかなる憲法においても、その人権カタログの中心に「表現の自由」が位置を占めている。社会における「表現の自由」実現の如何こそが、その社会の人権と民主主義の到達度の尺度である。文明度のバロメータと言っても過言でない。
なにゆえ表現の自由がかくも重要で不可欠なのか。昔からなじんできた、佐藤功「ポケット注釈全書・憲法(上)」が、みごとな要約をしている。
「思想は、自らの要求として、外部に表現され、伝達されることを欲する。人は思想の交流によって人格を形成することができる。かくして、思想表現の自由の価値は、第一に、それが人間人格の尊厳とその発展のために不可欠であることに求められる。また、民主政治はいろいろの思想の共存の上に成り立つ。かくして、思想表現の自由の価値は、第二にそれが民主主義の基盤のために不可欠であることに求められる」
まず、人はものを考えこれを他に伝えることを本性とする。だから、人間存在の根源的要求として表現の自由が尊重されねばならない。また、政治社会の視点からは、表現の自由は民主主義に原理的に不可欠、というのだ。
このような古典的なそもそも論には、メディアの登場はない。インターネット・デバイスの発展によって、古典的なそもそも論の世界に回帰することが可能となりつつある。要するに、主権者の誰もが、不特定多数の他者に情報や思想を伝達する手段を獲得しつつあるのだ。これは、表現の自由が人格の自己実現に資するという観点からも、民主的政治過程に不可欠という観点からも、個人を表現の自由の主体とする画期的な様相の転換である。人権も民主主義も、形式的なものから実質的なものへの進化の可能性を秘めている。
憲法21条は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定める。ブロガーこそは、今や先進的な「言論の自由」の実質的担い手である。
私は、一ブロガーとして、経済的強者を「カネで政治を壟断しようとした」と批判して、被批判者から高額損害賠償請求訴訟の提起を受けた。はからずも、ブロガーを代表する立ち場で、経済的強者と対峙している。
この際、私は全国のブロガーに呼び掛ける。ブロガーの権利を守るべく、あなたのブログでも、呼応して声を上げていただきたい。「『DHCスラップ訴訟』は不当だ」と。「カネの力で政治に介入しようとした経済的な強者は、あの程度の批判は当然に甘受しなければならない」と。また、「言論を萎縮させるスラップ訴訟は許さない」と。
さらに、全ての表現者に訴えたい。表現の自由の敵対者に手痛い反撃が必要であることを。スラップ訴訟は、明日には、あなたの身に起こりうるのだから。
奇しくも今日は高浜原発再稼働仮処分が改めて福井地裁にて判断される日です。こちらも再度仮処分が認定されて、最高のクリスマスイブになることを祈念しております。
澤藤先生の事件は、今日でたぶん裁判が終了で、次回来年に判決の予定です。
またそのころになったらお知らせいたしますね。
福井の保全異議事件は楽しみのような心配のようなですね。
それにしても良いクリスマスイブを!
拙文を過大に評価して頂き、穴があれば入りたい気分です。
ともあれ、何かのお役に立てれば幸いです。
拙文に挙げました書籍は、私が、二十代の頃より繰り返し読んでおりますもので、私が原文主義者なもので、ドイツ語の原文を併せて読み、何時かは、朗読したいものと思っておりますが、なかなか今になっての原語の復習は並大抵ではありません。
でも、ドイツ語学習の原動力になるものが、他にあるのです。 此処だけの話ですが、それが実に軽佻浮薄なのです。 実は、80年代の頃より、ドイツの歌手ネーナ(Nena)の大ファンでして、何時かライブに行き、大声で「ネーナ、大好き」と叫びたい、と念じているオジサン(ジジイかな)なのです。
NENA | Besser gehts nicht [Official Video]
https://www.youtube.com/watch?v=rArp4-XTKxk&list=PL8527554C2CAB88BC
如何でしょうか。 歌唱力もそうですが、物凄い美女でしょう? このお姿で、お孫さんがおられるのですからね。 彼女は、自然食主義者で、教育にも造詣が深く、学校も創設されました。 ドイツでは、国民的な歌手です。
今後も澤藤先生や宮武先生(今後は「宮武さん」ではなく「宮武先生」とお呼びいたします、)のような良心的な弁護士さんがご活躍できる社会であって欲しいものです。
澤藤弁護士の勇気に感謝です。
あれは、澤藤弁護士のブログだったか・・・? こちらのブログから訪問しました。その弁護士さんのご子息が、ある選挙の際、某候補のお手伝いをしたが、その際にいろいろ不満があったらしく、某候補を指弾する記事が載っていました。
その候補は有名な方で、実績もあり、人格も素晴らしいと思っていたので、応援していましたが、ご子息の話が本当ならば、残念に思いました。
このパパ弁護士が、親バカなのか?
某候補が、ヤル気ないのに出馬したのか?
ずっと懊悩しております(笑)。
でも、後者が事実なのかも。
某候補は、周りに押される形で立候補したが、実はあまり気がすすまなかったのかもしれない。
あの件は細川ー小泉の件と並んで大変碌でもなかった。
”某候補”筋は”息子”さんなどについては「言いたいことは山ほどあるが武士の情けであえて言わない」という態度を貫いたので、内実については全くわからない。さらに、S弁護士はブログを通じて”某候補”の”違法行為”を並べ立ててまるでOOのように告発を煽り、実際にあったようだ。が、官憲筋からはどうも何も起きなかったようで、となれば単にS弁護士が綾をつけただけと看做さざるを得ない。”某候補”がDHC氏のように金がありかつ同じ性格なら、名誉毀損裁判を起こしてS弁護士は「”某候補”側から見た”事実”」も晒された挙句、敗訴したろう。幸い、”某候補”は業界の超大物で極めて良い人だから、立派な仕事してきたS弁護士をあえて追い詰めるような愚策は取らなかった。もちろん、彼はこんなことに使う金と暇と人手があったら目の前の苦しむ人のために突っ込んでしまうでしょう。ま、陰謀論者なら、”某候補”は元日X連会長なので闇の力があり手を回したのだとでも言うのでしょうが、そんな力があれば、反貧困運動はもっと楽でしょう。現役の日X連会長なのに集会の後、自分でパイプ椅子を片付ける必要もないでしょう。
さて、”某候補”は、やる気がほとばしっていたようです。
最初の選挙で”某候補”を推した有力なる一部市民団体は、選挙後「コイツじゃ勝てない。次は別の奴を立てよう」と考えました。で、猪瀬がやめた後の2回目の選挙に向けて、”某候補”が勝手に立候補しないように策を練りました。”某候補”は過去の失敗の批判として、続けて立候補し続けること、選挙の間も運動をすること、選挙運動を通じてウイングを拡げる事が持論で、落選後もやる気満々だったからです。そこで”某候補”を誘って一緒に立候補者探しと依頼をすることにしました。
とはいえ、都知事選に立つような蛮勇を持った方は見つかりません。そこで、”某候補”は「誰もいなければ私がやります」。いや「もう少し探しましょう」ということになり、”レモンちゃん”が内諾してくれたのですが、「なぜか」ぐずぐずして立候補表明をしません。こういうものにはケツカッチンな段取り、スケジュールがありますから”六日の菖蒲、十日の菊”という訳に行きません。”アンタを待ってられない"ということで、”某候補”は別の人たちの要請と支援を取り付けて立候補を表明します。”レモンちゃん”はそのままフェイドアウトし、立候補を内諾したこともないという態度を取ります。で、「かつて”某候補”を推した有力なる一部市民団体」は、「レモンちゃんの立候補を知りながら立候補しやがった”某候補”は信義を弁えない裏切り者だ」と罵倒します。ま、”レモンちゃん”は、細川=小泉の立候補と協力依頼によって、彼らの準備が整うまで、アタシが立候補するぞするぞ詐欺で”某候補”が立候補するのを押さえ込んでいたということのようで。ようするに、細川=小泉のダミー、当て馬ですな。酸っぱい話です。
という訳で、”某候補”は自前で政党の支持を取り付け支援者・団体を集め、前回の反省に立ってノリノリで選挙戦をやります。細川=小泉に片翼を引き千切られるも、動物愛護団体など新たなウィングを得て、ミュージシャン、アーティスト、クリエイターを巻き込み応援を得てネットでもリアルでもマツリを作り投票率は下がったのに前回以上の得票を得て次点になりました。で、今や語義矛盾の「まっとうな保守」の大票田があると言う幻想におぼれ細川=小泉に奔った連中に”ドッチが勝てる候補なのか教えてやった”と。細川=小泉の本当の目的は選挙に勝つことではさらさらなく反安倍グループに亀裂を入れること、でしたから成功でしょうね。実際、細川=小泉は極端に街頭演説など運動量が少なかった。
まあ、主に”某候補”側が我慢したこと、反原発裁判や反貧困などいくつもの運動を同じ運動体でやっていることと安倍政権が酷すぎるので内ゲバの余裕がなくて半年くらいで亀裂は癒合したんですけどね。でも、細川=小泉筋は未だにあれは正しかったと妄言を吐いているのには呆れますが。映画「日本の原発」は”細川=小泉支持は正しい”史観で作っていて、”某候補”の選対のK弁護士はよく我慢して協力したものだと思います。映画の中で”某候補”を裏切って細川=小泉に奔ったK女史と監督が”あんた負けてばっかりなのによくがんばれるね。ほとほと感心するし、不思議でしょうがない”とかK弁護士にいうシーンがあり、引っくり返りました。
で、”某候補”は選挙後も運動体を残していて、都議会傍聴など定期的にイベントをしたり、別働隊的に税制についての運動体を立ち上げるなど、今も選挙間運動に邁進しています。けして、泥を捏ね回したり、自分の美術館で春画展をやるなど高踏的に振舞ったりなしていません。今も”アンパンと牛乳”です。
ま、あと何回選挙に出られるかといったら苦しいところなんで、後継になる、”某候補”の言うところの”運動のスター”を作り出さねばなりません。これはまだ見つかっていないように見えます。湯浅さんは袂を分かった上で”降り”ちゃったようだし。先輩の金子勝さんに「社会不活動家」だとラジオで批判されてました。
全部ではないが、かなりわかりました。
理念で結ばれた仲って、弱いですね。ちょっとしたことで内部分裂を起こしてしまいます。逆に、欲や利権で結びついている人間たちの絆は強いと、改めて思いました。
あの選挙で、有力市民団体が、アッチの候補を推したのには訳がわからず、困惑しました。レモンちゃん、尼さん、ノーベル賞作家と、そうそうたるリベラル系知識人が揃いながら、分裂して自ら力を削いでしまっている。未だによくわからない。 単に、某候補が社・共推薦なので勝つのは難しい、という理由だけで、殿様&新自由主義者組に肩入れしたのか?
香山リカ氏が、自著「 リベラルじゃ、ダメですか?」( このタイトルも、何かなぁ・・・) の中で、「 過去のことを引きずらないで、また手を携えて脱原発を頑張りましょう」的提言をしていました。安倍は、田母神を推しているのに、舛添の応援演説に来てるでしょ、向こうは目前の利益のためには、多少趣旨が違っても、手を組めるから強いのです、まず勝たなければ意味がない、と。正論ですが、そっちサイドから言う?
某候補の選挙後の動きが殆ど報道されませんので、どうしておられるのか案じていました。健康面で問題でもあるのかと心配していましたが、そうではないと知り、ひと安心です。L様のコメを読み、あの方は本当に清貧かつ人格者だとわかりました。「 従者に英雄なし 」と言いますが、世間の目は誤魔化せても、身近な人を欺き通すのは無理、どうしたって地が出ます。あんな難しそうな団体を統率してきたのだから、政治力だってあるはず。次こそその力を政界で発揮していただきたいと願っています。
パパ弁護士は、この「 脅迫訴訟 」に屈しないという点 では雄々しく立派ですが、やっぱり親バカだったのでしょうか。息子さんが某候補に対し、細かい不満を抱いていて ( 例えば自分の意見が容けいれられない、とか) 、それが積もってあの攻撃になったのだと想像しますが、パパ様もなぜアレを載せるかなあ? ブログの汚点になると、考えなかったのでしょうか。パパ様はパパ様で、あの団体内で、何か思うところがあったのかもしれませんが。
いつも鋭いLさんの
「官憲筋からはどうも何も起きなかったようで、となれば単にS弁護士が綾をつけただけと看做さざるを得ない。」
という超大雑把な事実認定はいただけません(笑)。
わたくしは、両者ともよく知っている方々だっただけに、あの問題では完全にフリーズしました。
正直言って、書いている中身は澤藤先生のおっしゃるとおりだったんでしょうが確かめようもなかったですし。
しっかし、細川・小泉陣営に鎌田慧さんとかリベラル派の多くが雪崩を打ったのにはびっくらこきましたね。雨宮さんまで行っちゃったの?あれだけあの方と一緒に活動してたのに?
昨日共産党のことを書いたばかりですが、我々リベラルってほんとに脆弱です。
小泉首相はプルサーマルを導入した本人ですから、その反省もなく脱原発を言うのには我慢できず、さすがにこの問題には何度も発言しましたが。。。
ほんと、早い段階で雨宮処凜さんが立候補していたら、面白かったのになあ。