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2024年9月26日、58年前の一家4人殺人事件の犯人という汚名を晴らし、袴田巖さんがついに再審公判で無罪判決を勝ち取りました。
静岡地裁の無罪判決は再審開始決定をした東京高裁に続いて、捜査機関が証拠を捏造し、自白を強制的に採取したとしてこれらの証拠能力を否定し、証拠から排除しました。
これに対して、10月10日に控訴断念とともに公表された畝本直美検事総長の談話は、裁判所の無罪判決について
「捏造と断じたことに強い不満を抱かざるを得ない」
「多くの問題を含む到底承服できないもの」
としながら、袴田さんが
「長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきた」
ことから控訴を断念したと説明するもので、一点の曇りもなく無罪放免となった袴田さんに対する名誉毀損であると強く批判されています。
【#検察は控訴するな】世界で最も長く拘置された死刑囚袴田巌さんに再審で無罪判決。静岡地裁が捜査機関による3つの証拠捏造を断定認定。事件から58年、姉弟は91歳と88歳。検察庁は絶対に控訴するな。
袴田さんの弁護団は即日、検事総長名で公表された談話が袴田さんを犯人視する内容で、
「名誉毀損になりかねない」
として、静岡地検に対して談話内容の修正とともに、有罪立証した判断の誤りを認めて袴田さんに直接謝罪するよう求める声明文を提出しました。
【祝】袴田事件で検察庁が再審無罪判決に対する控訴断念で袴田巌さんの無罪確定へ!検察庁は58年も無罪確定に時間がかかったことのみならず、証拠の捏造でえん罪事件を起こしたのはなぜか検証せよ。
さて、この袴田事件が58年もの長きにわたって袴田さんとそのお姉さんのひで子さんたちを苦しめたことに関して、衆院選に向けて10月12日に行われた日本記者クラブ主催の党首討論会で、石破茂自民党総裁は
「袴田さんの事件が証拠のねつ造であったのかどうかはいろいろな議論があり、判断する材料は持っていないが、法的に非常に不安定な状況に長く置かれ、高齢になられたことも全般的に考えて検察として判断がなされたと考えている。
高齢の袴田さんがああいう状況に置かれたことについては、政府として一定の責任は当然感じなければいけない」
と述べました。
この石破首相という人は三権分立とか司法権の独立とか、意味わかってないですよね。
石破氏が「袴田さんの事件が証拠のねつ造であったか」を判断する材料は、裁判所の判決に決まっているではないですか。
行政権の長が、こと裁判に関して裁判所の判断を最優先しないでどうするんですか。
袴田さん再審、証拠捏造を指摘された検察が意地になって再審公判での有罪立証の方針。検察の悪あがきで審理の長期化避けられず。検察はいつまで人権侵害を続ける気だ。
袴田嚴さんの再審事件が結審。検察庁が改めて死刑を求刑。弁護団は当然の無罪を主張。再審無罪判決が明らかなのに「メンツ」にこだわって袴田さん姉弟の限りある時間を奪う検察は恥を知れ。
石破氏が言う袴田事件の証拠捏造に関して「いろいろな議論」をしているのは検察だけのことです。
その検察も結局控訴をあきらめたのは、別に袴田さんの事件が長引いていてお気の毒だからではなく、無罪判決を覆すのが不可能だからです。
検察側が有罪立証をして、弁護側が無罪立証をして、どちらが正しいか判断するのが裁判所です。
内閣には裁判の中身の是非について立ち入る権限はありません。
それが憲法の基本原理である権力分立であり三権分立です。
そして袴田事件では再審開始決定をした東京高裁でも、無罪を言い渡した静岡地裁でも、捜査機関の証拠捏造が裁判所により認定されているのですから、内閣総理大臣は裁判所の判断を前提に、捜査機関の証拠捏造という事態にどう対処すべきかを考える義務があるのです。
立法権を担う国会(憲法41条)と、行政権を担う内閣(同65条)と、司法権を担う裁判所(同76条)とがなぜ別々に規定されて存在しているのか、この石破茂という人は一から憲法の講義を受けなおさないとダメですね。
これでは三権分立が全く分かっていないという点で、「私は立法府の長」と言い切ったライバルの安倍晋三元首相と同じレベルです。
安倍首相が「桜を見る会」など問題が発覚すると、国会審議や予算委員会から逃げまくってるくせに、まだ憲法9条だけは変えるって言ってる件(呆)。
石破首相はこの党首討論会で、袴田事件で改めて問題になっている再審に関する法律の改正について
「再審がもう少し合理的に被告人の権利が侵されることがないようにという判断はさらに議論を尽くして結論を得たい。
同時に検察の捜査がきちんと行われるかどうかは検察当局としてもさらによく考えていくものだ」
と言っていますが、石破首相の場合「議論を尽くす」=「絶対実行しない」という言葉の代用でしかないです。
まあ、この短い期間の党首討論会で、いくつの論点について「議論を尽くす」と言ったことか。
岸田文雄前首相が検討ばっかりしている検討使なら、議論ばかりしたがる石破首相は大悪獣ギロンやな(知らんか。。。)
〈今日の一句 491日目〉
— 打越さく良 参議院議員(新潟) (@sakurauchikoshi) October 12, 2024
捏造と
認定されても
認めぬか
裁判所が証拠の捏造を認めたのに、石破総理「袴田さんの事件が証拠のねつ造であったのかどうかはいろいろな議論があり、判断する材料は持っていない」?
不合理です。 https://t.co/BSnYHWbINd
何となく目が似てる。
編集後記
ほんとに総理総裁になれて、ようござんしたねえ、石破さん。
それでもう大満足でやりたいことも別にないんですな。
だったら早よ辞めたらよろしいがな。
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「死刑は人間が人間を殺すこと」袴田巌さんの姉のひで子さんと小川秀世弁護士が都内のイベントで死刑廃止を訴える
配信
死刑廃止を求める団体のイベントが都内で開かれ、再審=やり直しの裁判で無罪判決が確定した袴田巌さんの姉のひで子さんが死刑廃止を訴えました。
58年前旧清水市で一家4人が殺害された事件で、袴田巌さんは一度、死刑が確定しましたが9月再審=やり直しの裁判で無罪となりました。
袴田さんを支え続けた姉のひで子さんは、リモートで死刑廃止を訴えました。
姉・ひで子さん: 「死刑は人間が人間を殺すことなんですよ。私は(死刑制度に)反対しております」 また袴田弁護団で事務局長を務める小川秀世弁護士は。
袴田弁護団 小川秀世事務局長: 「無実の死刑囚は袴田さんが生き証人。恐怖の中で過ごす ことによって精神も破壊されてしまうということが、現実に起きている。死刑を考えるにあたっても見過ごすことはできない問題だと思っています」
10月12日 19時26分 NHK静岡
石破総理大臣は12日、東京の日本記者クラブで行われた与野党の党首による討論会で、「袴田さんの事件が証拠のねつ造であったのかどうかはいろいろな議論があり、判断する材料は持っていないが、法的に非常に不安定な状況に長く置かれ、高齢になられたことも全般的に考えて検察として判断がなされたと考えている。高齢の袴田さんがああいう状況に置かれたことについては、政府として一定の責任は当然感じなければいけない」と述べました。
その上で、再審に関する法律の改正について「再審がもう少し合理的に被告人の権利が侵されることがないようにという判断はさらに議論を尽くして結論を得たい。同時に検察の捜査がきちんと行われるかどうかは検察当局としてもさらによく考えていくものだ」と述べました。
石破茂首相は12日、1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で袴田巌さん(88)が死刑確定後に再審無罪となったことについて、「政府として一定の責任は感じなければいけない」と表明した。日本記者クラブ主催の討論会で語った。
1966年の静岡県一家4人殺害事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことについて、牧原法相は11日の閣議後記者会見で「長期間にわたって袴田さんが法的に不安定な地位に置かれたという状況については大変申し訳ない」と謝罪した。
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談話の全文は次の通り。
【全文】畝本検事総長の談話
◆直接謝罪、捜査の検証も求める
(1)談話の撤回
(2)袴田さんへの直接謝罪
(3)自白を強要する取り調べや証拠の捏造(ねつぞう)など冤罪(えんざい)を作った原因を明らかにし、二度と繰り返さないため捜査、公判手続き全般の厳正で真摯(しんし)な検証
を求めた。
◆法務大臣は「謝罪」しつつ「擁護」も
◆「死刑廃止、再審法改正に取り組む」と日弁連会長
えん罪に苦しめられた58年…元死刑囚・袴田巌さん無罪確定 “開かずの扉”再審制度の問題点【サンデーモーニング】
TBSテレビ
2024年10月13日(日) 13:36
国内サンデーモーニング
逮捕から58年、元死刑囚の袴田巌さんの無罪が確定しました。えん罪を訴える袴田さんは再審を求めてきましたが、再審開始まで40年以上かかりました。"開かずの扉”といわれる再審制度の問題点を手作りフリップで解説します。
戦後5例目 死刑から無罪のえん罪事件
いずれも20年から30年以上、死刑の恐怖におびえながら拘置所で過ごしました。
そこに今回、袴田巌さん(当時30歳)が加わりました。
ボクサーとして日本記録を持つ袴田巌さん
袴田さんは20代の頃、プロボクサーとして活躍。1年間で19試合という日本最多記録をいまも持っています。
逮捕されたのは30歳の時。それから58年。88歳になってようやく無罪を勝ち取りました。
国際人権団体のアムネスティー・インターナショナルは「世界で最も長く拘束された死刑囚」としています。
捜査機関が“捏造した”重要証拠
事件発生から1年2か月後に、現場近くのみそタンクから「5点の衣類」が見つかったとされていました。
注目は、付着した血痕に残る赤み。判決では「1年以上、みそに漬けられた場合、赤みは残らない」と判断。
「捜査機関によって血痕をつけるなど加工され、タンク内に隠されたもの」としたのです。
衣類の中にあったズボンですが、警察はすそ直しをした残りの切れ端が、袴田さんの実家から見つかったと主張。これを根拠に、衣類は袴田さんのものだとしましたが、この切れ端も「捜査機関によって持ち込まれた」と判断しました。
“開かずの扉” 再審制度の問題点とは
袴田さんは再審請求から再審開始まで、実に42年間もかかりました。その主な理由が「証拠開示の制度がない」ことです。
いまの制度では、検察は「有罪」に有利となる証拠だけを裁判所に提出すればよく、「無罪」につながる不利な証拠を出す必要はありません。
2回目の再審請求で裁判長が提出を強く勧告したことを受け、2010年になってようやく開示されたのです。
そのなかに、今回の無罪判決の決め手となった「5点の衣類」の鮮明なカラー写真が含まれていて、再審の扉が開かれたのです。
日本弁護士連合会は、再審法を改正し、“証拠開示のルールづくり”などを求めています。
袴田さんの姉・ひで子さん(91)は10月8日、「私は巌だけ助かれば良いと思っておりません。再審法改正には大いに協力してまいりたい」と語りました。
えん罪被害を少しでも減らす取り組みが求められています。
(「サンデーモーニング」2024年10月13日放送より)
死刑反対の立場です。
無罪になり「袴田巌は無実だ」という48年生まれの弁護士、矢澤昇治の本を読みだしています。
14年前なので、再審前です。
驚きは、静岡県警の捜査。
1948~50年代にかけ、冤罪事件が連続してあったこと。これは知りませんでした。
県警の捜査がいかにずさんかを感じます。
清水局事件、幸浦事件(4人惨殺)
二俣事件(4人惨殺)小島事件(一人惨殺)
丸正事件(一人絞殺)
本には取り調べで拷問という言葉が
当然のように出てきます。
当時の警察、検察、司法。静岡だけでないか?
めちゃくちゃだったと思います。
袴田事件の真犯人は、この中の事件と
関連があるのではと、家族と話しました。
これはもう負けると思ってやっつけ仕事でやってるからこうなるのか、プライドだけ人一倍高い連中なので開き直ってるのか
しかし袴田判決の重い内容の中にいきなり「ギロン」が出てくるとは・・・
個人的には目から鱗なので、これからもギロンネタをシリーズ化して下さい(笑)
最良証拠主義で無罪の証拠類を検察が隠し、有罪の証拠類だけで裁判するので、日本の刑事裁判では99.9%必ず有罪になって仕舞うのである。
手品の種明かしをすると、何の不思議もない。我が日本国で袴田巌死刑囚のような冤罪が生まれるのは当然の結果だったのである。 』某ブロガーさんより >
サンデーモーニングの動画で『 検察が“有罪にするのに有利”な“最良証拠主義”というインチキ制度を採用している 』ことを暴露しているそうですが、それをメディアを始め、多くの人たちが全く言及しないのは不思議ですね。
『確実に冤罪の人が出る構造欠陥制度』である『最良証拠主義』をなくすためには『検察を一度解体する』くらいの大手術が必要かもしれませんね。
※動画では死刑制度への疑問を提示されていますが、『最良証拠主義』と『死刑制度』の組み合わせは本来『民主主義にもとる狂気の制度』とまで言えるのではないでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=Y__izPcJrc8
☆えん罪に苦しめられた58年…元死刑囚・袴田巌さん無罪確定 “開かずの扉”再審制度の問題点【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG